イタリア映画 「サスペリア」 呪われたバレエ学校での恐怖を描くイタリア・ホラー映画! | 人生・嵐も晴れもあり!

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「サスペリア」

(原題:Suspiria

 

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「サスペリア」 プレビュー

 

1977年2月1日公開。

ドイツのバレエ名門校に入学したアメリカ人女性に襲いかかる連続ホラー!

 

脚本:ダリオ・アルジェント、ダリア・ニコロディ

監督:ダリオ・アルジェント

音楽:ゴブリン

 

キャスト:

ジェシカ・ハーパー:スージー
アリダ・ヴァリ:タナー
ジョーン・ベネット:ブランク夫人

フラビオ・ブッチ:ピアニストのダニエル
ウド・キア:精神分析学者

 

サスペリア」(1977年作品)感想 | 深層昭和帯

 

あらすじ:

ニューヨークに住んでいたアメリカ人の若いバレエ学生・スージー。

彼女は、ドイツの名門ダンス学校であるタンツ・アカデミーに学ぶため、ドイツのバーデン・ヴュルテンベルク州フライブルクに向かう。

異様に静まりかえる空港に、今バレリーナ志望のスージー(ジェシカ・ハーパー)が到着する。

激しい雷雨の中、タクシーでバレー学校にむかう彼女。

不気味な街並みが窓の外を流れていった。

ようやく、学校に着くが、「アイリス……扉のむこうに……」と、叫んで木立ちの中に消えていく女性。

スージーは、赤い壁の学校の扉をたたくが応答はなかった。

翌朝、改めて学校を訪れた彼女は、華やかさの中で副校長のブランク夫人(ジョーン・ベネット)とタナー女史(アリダ・ヴァリ)に紹介される。

そしてタナーから、校長は旅行中だと告げられ、さらに、盲目のピアニストのダニエル(フラビオ・ブッチ)を紹介された。

ハード・レッスンが始まった。

学校に対する不安や疲れが重なって、スージーは吐き気とめまいを覚え、倒れる。

気がつくと寄宿舎のベットの中。

医者とブランクに見守られ、薬と食事を与えられたスージーは、学生のサラ(ステファニア・カッシーニ)から謎めいた話を聞かされた。

スージーが嵐の夜見た女性は何者かに殺され、以前から何人もが行方不明になっており、消灯後、教師達がどこかに集まっているというのだ。

数日後、天井からウジ虫が落ちる大騒ぎがおこり、生徒達の部屋は使いものにならなくなった。

原因は天井裏のくさった食物だ。

全員はその夜、講堂でカーテンを吊って寝る事になった。

すると、異様なうめきが……校長だった。

でも彼女は旅行中では--。

翌日、ダニエルが自分の盲導犬に殺される。

なぜ--?

疑惑の渦の中、サラは夜、教師達をつけていって殺された。

スージーは、ある日、サラの友人の精神分析学者(ウド・キア)を訪ねる。

彼は何百年も生き続ける魔女の話を始めた。

サラが見えないのを不審に思い、タナーに聞くと、サラは退学したという。

何かある。

スージーは、夜学校の奥深くへ出かけていった。

サラが話していた何かを求めて--。

やがて、たどりついた部屋には、アイリスの花の壁紙が……。

押すと隠し廊下の突き当たりの部屋に、ブランクにタナーと学校の首脳陣が集まっていた。

逃げるスージー。

追う彼ら。

さらに奥に部屋があった。

そしてベッドには、魔女がいる。

魔術でスージーを襲う魔女。

激闘の末、スージーのナイフが魔女の心臓をさす。

外はすさまじい嵐であった。

荒れ狂う学校から逃げ出したスージー。

その顔に笑みが浮んだ。

 

気が付いたらジェシカ・ハーパーに夢中なってた」アルジェント版『サスペリア』 | yamori blog

 

コメント:

 

アメリカからやって来たバレリーナの身に起こる数々の恐怖の出来事をサーカム・サウンド(立体音響方式)で描くホラー映画。

 

それぞれに赤青緑の極彩色のライトで彩られた画面が印象的だが、中でも赤を基調としたシーンの不気味さが際立つ。
何者かの囁きや息づかいが恐怖心を煽るが、イタリアのホラー映画の音楽担当として有名なゴブリンのクレイジーでハイテンションの音楽が妙な中毒性を帯びている。


美少女を残酷な形で血祭りに上げるダリオ・アルジェント監督の変態ぶりが詰まった作品だが、まるでオブジェのような死体など画面の構図の芸術的センスには唸らされる。
ストーリーは良く分からないところもあるが、間違いなくオカルトホラーの傑作である。


冒頭の空港から嵐の中に投げ出されるスージーのシーンから心を掴まれる。
彼女はニューヨークからドイツのバレエ学校に入学することになるのだが、嵐の中たどり着いた校舎で追い返されてしまう。
その時、一人の女子生徒が何かに怯えながら飛び出してくる。
「アイリス」と「秘密」という謎の言葉を呟きながら。
この女子生徒が何者かに惨殺され、天井から血塗れで吊るされるシーンは忘れられない。


スージーは改めてバレエ学校に受け入れられるが、明らかにこの学校の様子はどこか変だ。
不在である理事長、夜になると響く足音、そして突如天井から落ちてくる大量の蛆虫。
そして殺人事件は繰り返される。
やがてスージーは精神科医からこのバレエ学校の成り立ちを聞き、そこに魔女の存在が関与していたことを知る。


少しずつ真相に近づくスージーに、やがて魔の手が忍び寄るが。
何者かに追いかけられる少女たちの恐怖に怯えた表情が何度も登場する。

やはりこれは悪趣味な映画なのだが、不思議と目が離せなくなる。


スージー役のジェシカ・ハーパーの見た目とそぐわない大人びた声や、ぱっちりとした目が印象的。
恐怖に怯えながらも、最後に見せる狂気を孕んだ笑みも忘れられない。

 

イタリアを代表するホラー映画の名監督・ダリオ・アルジェントの作品である。

この人は、1940年9月7日、ローマに生まれる。

映画プロデューサーの父親と写真家の母親を両親に持つ。

新聞『パエーゼ・セーラ』で映画批評を担当した。

1968年の映画『ウエスタン』では、セルジオ・レオーネとベルナルド・ベルトルッチとともに原案を執筆した。

1970年、『歓びの毒牙』で映画監督デビューを果たす。

同作は1971年の『わたしは目撃者』と『4匹の蝿』とともに「動物3部作」を成している。

1977年に本作『サスペリア』を監督した。

その後、『インフェルノ』(1980年)、『シャドー』(1982年)、『フェノミナ』(1985年)、『オペラ座/血の喝采』(1987年)などを監督している。

 

主役を演じたジェシカ・ハーパーは、シカゴ出身のアメリカ人女優。

母は作家、父は画家、兄弟も作曲家や脚本家という芸術的な家庭環境に生まれた。

サラ・ローレンス大学に進学後、ブロードウェイでミュージカル『ヘアー』に出演。

『ファントム・オブ・パラダイス』のフェニックスが当たり役。

その映画を観たダリオ・アルジェントに抜擢されたホラー映画『サスペリア』に出演。

そのためにイタリア語を難なく習得したという。

その後、ウディ・アレンの映画にも出演。

20世紀フォックス関連会社のチェアマンであるトーマス・ロスマンと結婚。子供向けの歌や本を作っている。

 

この映画は、TSUTAYAでレンタル可能:

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