「悪名十八番」
1968年1月13日公開。
悪名シリーズ第14作。
原作:今東光
脚本:依田義賢
監督:森一生
出演者:
勝新太郎 、 田宮二郎 、 安田道代 、 森光子 、 西村晃 、 藤田まこと 、 金田竜之助 、 芦屋小雁 、 京唄子 、鳳啓助
あらすじ:
岡山の喧嘩騒ぎで過剰防衛の罪に問われた朝吉(勝新太郎)が、兄の辰吉(金田竜之助)の奔走で、執行猶予つきながら出所してきた時、辰吉は土地の悪徳ボス中沢(西村晃)のために大怪我をさせられた。
辰吉は土地の浄化のために市会議員選挙に立候補したのだが、それが中沢の邪魔になったのだ。
折角、兄の仕事を手伝い、堅気の生活に入ろうと決心した朝吉は、こんな状態に巻込まれては、持前の喧嘩好きの性分が頭をもたげてくるのをどうしようもなかった。
兄の会社の事務員・鈴子(安田道代)に慕われた朝吉は、夜、鈴子と歩いている途中、中沢組の者に襲われ、罠にかかって殺人犯に仕立て上げられてしまった。
その上、朝吉の無実を証明出来る鈴子は中沢組に捕われ、大阪に連れていかれたのである。
そんな時、新聞で朝吉の急を知った清次(田宮二郎)が、重傷を負って入院している身を押し切って駆けつけて来た。
警察の目を逃がれて、鈴子を探すべく大阪へ来た二人は、鈴子を中沢の子分・荒雲の手から救い出した。
そして、鈴子と共に真犯人を知る荒雲を連れて兄の家に戻った朝吉は、辰吉が中沢に連れ去られたことを知った。
中沢は辰吉が市議になっては、競輪場をつくってひと儲けしようという計画が潰れてしまうため、辰吉を自動車事故を装って殺そうと計っていたのである。
自分の子分を殺しておいて、朝吉をその殺人犯に仕立てたのも、辰吉の当選に不利な事件を起こそうとしてのことだった。
朝吉と清次は、そうした中沢の悪だくみを知ると、辰吉が監禁されている場所に乗り込み、派手に暴れ回った。
辰吉を助け出した二人は、中沢をさんざんいためつけ警察に引き渡した。
一方、救い出された辰吉は、朝吉がいてはいざこざが絶えないと、やむを得ず旅に出るよう勧めるのだった。
数日後、朝吉と清次は四国への連絡船の中で、辰吉当選のラジオニュースを聞き、満足そうにほほえみ交わすのだった。
コメント:
前作のラストでは、清次が敵の刃物に倒れ、朝吉がドスで仇討ちをする。
清次は瀕死の重体で病院に運ばれ、朝吉は警察に出頭した。
この前作を引き継いで、傷害の罪で警察に拘留されているところから始まる。
もちろん清次は瀕死の重傷。
兄のつけてくれた弁護士のおかげで執行猶予に。
そこで兄のところへ行くと競輪場反対運動を背に市会議員に立候補するという。
対立候補は競輪場推進派のやくざ。
安田道代、森光子を迎えてのロマンスと競輪場を巡る陰謀がテーマ。
当時の人気コンビ、唄子・啓助をいじり、遊んでいる。
立ち回りには清次も駆けつけるが、病み上がりと言うことで、朝吉共々大暴れというわけには行かない。
最後の方に、申し訳程度に出ている。
次回作からは、田宮二郎は大映退社により出演せず。
結果として、本作が勝新と田宮二郎の名コンビの最終作となっている。
瀕死の清次。執行猶予の朝吉。ひとり故郷へ。
競艇場建設反対を掲げて兄・村上辰吉は市会議員に立候補。
敵勢力の横やり。
朝吉は兄のガードマン。
安田道代と森光子のダブルヒロインとなっている。
藤田まことや唄子・啓助など関西芸人の登場は見どころの一つ。
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