今東光の映画 「悪名太鼓」 悪名シリーズ第9作 清次が死んだという誤報で始まる異色作! | 人生・嵐も晴れもあり!

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「悪名太鼓」

 

 

1964年8月8日公開。

悪名シリーズ第9作。

 

原作:今東光

脚本:藤本義一 

監督:森一生 

出演者:

勝新太郎 、 田宮二郎 、 朝丘雪路 、 若松和子 、 浜田ゆう子 、 見明凡太郎 、 芦屋雁之助 、 芦屋小雁 、 田端義夫




あらすじ:

河内の夏祭りの資金を手に入れるため、清次(田宮二郎)が朝吉(勝新太郎)の大事にしていた太鼓を売ったことに気づいたのは、清次が太鼓と共に九州の狼王会のもとに出発した直後だった。
すぐ後を追った朝吉がトラックの上で清次ととっ組み合いをする内に、狼王会の若者の匕首が、太鼓の皮を破ってしまった。
そのうえ、朝吉はトラックから落ちて、太鼓はとうとう九州へ運ばれた。
憤懣やるかたない朝吉のもとへ、「セイジコロサレタ」の電報が届くや、胸のうちは、逆上して、朝吉は関門トンネルを越えた。
花輪に囲まれた清次の告別式。
だが、祭壇の写真は、清次とは別人の顔。
朝吉の名前を聞くなり、喪服に真珠をつけた女が姿を消した。
奇妙な雰囲気の葬式に、ひときわ大きな花輪は、清次が太鼓を貸した相手“狼王会菊沢”の名前であった。
朝吉は、死んだ清次という男の女房・宏子(朝丘雪路)から、宏子の夫は密入国者で、菊沢から清次の戸籍を買うと、香港ルートの密輸グループに誘われたが、断わったために殺されたのだと聞かされる。
一方清次は、太鼓の胴に5億円の密輸品をつめて、関西ルートに流すと聞かされて驚愕したものの、戸籍を失った今、菊沢の言う通り動くより仕方がなく、宏子を連れ出す手助けをする中で、朝吉と再会した。
宏子の息子で養護施設にいるタカシを誘拐しようとしていた菊沢(見明凡太郎)は、朝吉の出現で失敗した。
朝吉は、菊沢の影の女で告別式に居た真珠の女・紅杏子(浜田ゆう子)から、菊沢の片棒をかつぐよう誘われたが、断わった。
一方、菊沢に朝吉を狙うよう命令された清次は、拳銃で殺したかのように見せかけて、朝吉を海に逃がした。
丁度香港のボスを迎えて、菊沢が張る宴会の席上にかけつけた朝吉と清次の奮闘で5億円の札束は無事保護され、悪党は一人残らず逮捕された。
数日後、朝吉の叩く太鼓の音が、晴ればれと響いていった。
 
 
コメント:
 
清次が持ち逃げした太鼓と、別人に戸籍を買い取られて行方不明になった清次を朝吉親分が捜すことから始まる珍しいストーリー。
展開は早くて無駄がない。
この脚本を担当したのが、イレブンPMの司会で有名な藤本義一。
この人は、直木賞を受賞した著名な小説家だったが、多くの脚本も残している。
 
 
イレブンPMといえば、朝丘雪路だ。
この番組を代表する女性といえば、彼女をおいてほかの人はいない。
この映画にも出演してその存在感を示している。
いるだけで様になるというタレントの代表だ。
本作にも出演している。
津川雅彦と結婚したが、夫婦そろってすでに他界した。
名残惜しい。
 
 
 
清次が別人に戸籍を買い取られ、その男が死んだため告別式が行われるというストーリーはユニーク。
朝吉&清次が協力して大暴れするクライマックスと、太鼓が戻ってきた八尾のお祭りで朝吉&清次が気持ちよさそうに太鼓を打つラストは痛快!
 
この作品には、歌手の田端義夫が出演して自慢ののどを披露している。
朝吉と同乗するボートや街角で弾き語りする場面が見どころ。
田畑義夫といえば、「かえり船」などが有名だが、数多くの映画に出演している。
 
 
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