「悪名市場」
1963年4月28日公開。
悪名シリーズ第6作。
四国で大活躍する悪名コンビに、ニセ者も登場。
原作:今東光
脚本:依田義賢
監督:森一生
出演者:
勝新太郎 、 田宮二郎 、 瑳峨三智子 、 芦屋雁之助 、 芦屋小雁 、 田中春男 、 松居茂美 、 藤田まこと 、 白木みのる 、 茶川一郎
あらすじ:
刑務所に入った清次(田宮二郎)から、彼を陥いれたペテン師が四国にいることを聞いた朝吉(勝新太郎)は、単身その港町に渡った。
ところが、目指す菱屋運輸には一足お先に贋の朝吉と清次が現われ、金を捲き上げていったというので、さすがの朝吉も唖然となった。
朝吉は菱屋に潜り込んで二人を探ったが、これも長年売り込んだ悪名のせいだと、あまりあくどいこともやりそうでない贋者兄弟を許すことにした。
ある日、パチンコ屋を経営する美人の咲枝(瑳峨三智子)を知ったが、彼女は贋の朝吉こと一郎(芦屋雁之助)にぞっこん惚れこんでいて、“悪名”にあこがれ、本物の朝吉の忠告も耳に入らぬ始末。
その頃、ペテン師・柿本(田中春男)は港の商店街の主人達を巧みに丸めこみ、改築移転をすすめていた。
彼は、実は隣町の追風組親分鷺原(松居茂美)の片腕で、勢力拡張のため工作していたのだ。
また柿本は鷺原の意に従い、咲枝を連れ出してにせ朝吉の正体をあばき、妾になれと迫るが、後を追って来た朝吉に叩き伏せられた。
柿本をしめ上げ、総てが鷺原のからくりだと知った朝吉は折からの仮出所でかけつけた清次と力をあわせ、商店街に入りこんだ子分共を叩き出し、もとの持主に返した。
折から四国、中国の親分衆の会合が開かれ、会場に乗込んだ朝吉は並いる親分衆の前で鷺原と対決し、果し合いをすることに決まった。
翌朝約束の場所で、朝吉と清次は数十人の追風組と睨みあった。
双方が入り乱れようとした瞬間、轟然たる爆音と共に土砂が吹っ飛び、混乱に乗じて躍り込んだ朝吉、清次はさんざんに一味をやっつけた。
ハッパのスイッチを入れたのは咲枝だった。
鷺原、柿本を警察に引き渡した朝吉と清次は大阪へ帰る船の人となったが、その客の中にまたしてもそっくりの恰好をして清次と名のる男(藤田まこと)がいた。
コメント:
朝吉親分が有名になったため、どんどんニセモノが現れるという展開になる。
弟分の清次をだました男・柿本(田中春男)に落とし前をつけるため朝吉が四国に渡ったところ、偽の朝吉(芦屋雁之助)と清次(芦屋小雁)に遭遇する。
見るからに弱っちい朝吉と清次のニセモノがデカい顔をしていた…、というコミカルな出だしで始まる。
柿本を探し出すために偽朝吉のところへわらじを脱ぐ。
柿本は相変わらず詐欺を続けているが、背後にで糸を引いている者がいた。
パチンコ屋の咲枝(瑳峨三智子)を巻き込んだ詐欺騒動の決着は?
いつもの通り、朝吉・清次の気っ風の良さが見られて、良い気持ちだ。
軽いノリが楽しい作品。
展開にメリハリがあり歌謡映画風でもある。
清次は詐欺罪で捕まり塀の中。
清次に全てを被せ金を持って逃げた詐欺師を追って四国・鳴門。
朝吉・清次の偽物登場。手強い女達。
人助けの為、労働に勤しむ朝吉。
オカマ俳優の茶川一郎などのお馴染みの面々に新たなキャスト・白木みのる。
親分衆の目の前でのお座敷芸。
朝吉に扮する勝新の河内音頭も観れる。
喧嘩の直前の、咲枝(瑳峨三智子)が仕掛けるハッパには驚く。
そして、一件落着で帰りの船に、ニセ清次に扮する藤田まことが登場する。
瑳峨三智子は目がきついが、やはり美人。
この女優の魅力にとろけそう。
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