「黄金の七人(1965)」
(原題:Sette uomini d'oro)
1965年10月21日公開。
スイス銀行の金庫を狙った大泥棒たちの犯罪コメディ。
脚本:マルコ・ヴィカリオ、マリアノ・オゾレス、ノエル・ギルモア
監督:マルコ・ヴィカリオ
キャスト:
ジョルジア:ロッサナ・ポデスタ
アルべール:フィリップ・ルロワ
あらすじ:
スイス。
ジュネーブにあるスイス銀行の大金庫は万全の備えをもつ最新式のものだ。
扉は電子装置で開閉され、地下には坑道をめぐらし、電気写真装置、侵水装置などその防御設備には近代化学の粋がもりこまれている。
そして中に眠っているのは時価数百億円の金の延べ棒。
となれば、これを狙う連中の心は常にもましてハッスルしようというもの。
ある冬の日、真黄色に塗った道路工事の車と、オレンジ色の服を着た六人の男が、道路に穴をあけ地下にもぐっていった。
しかし誰も彼らがヨーロッパよりぬきの泥ちゃんとは気がつかない。
しかも向かいのホテルの一室では、リーダーの“教授”とよばれる男アルべール(フィリップ・ルロワ)が、情婦のジョルジア(ロッサナ・ポデスタ)を傍わらに無線通話機、レーダーで総指揮をとっているという念の入り方だ。
特製ドリルで大金庫の底に穴をあげた男たちは午後一時、計画通りに仕事を完了。
七トン、時価五億円の金ののべ樺は“銅”という名目でイタリアへ発送されてしまった。
「教授」とジョルジアは夜行列車で、あとの六人は車で出発。
落合うところはローマ。
ところがジョルジアはスイス銀行の支配人としめし合せて、「教授」を眠らせて横取りを計った。
しかし役者は「教授」の方が一枚上で計画は見事に失敗。
彼は金を独占--と思ったが、愛する女は憎めないし、六人も黙ってはいない。
そこで皆で分配しようとした時、金をつんだトラックのブレーキがゆるんで坂を急降下。
ドカーンと物売りの屋台にぶつかって金ののべ棒はあたりいっぱいに散乱--これで万事休す。
「もうやめようよ」「そんなこといわないでもう一度」。
そして何カ月かのちのある晴れた朝、ローマ銀行の前には道路エ事用の真黄色に塗った車と、「教授」とジョルジアの乗ったロールス・ロイスがやって来た。
コメント:
大人気となった、7人組の泥棒を描く傑作犯罪コメディ。
本作後何度もリメイクされている。
スイスのジュネーブで、ある銀行が誇る最新式の大金庫に大量の金の延べ棒が収められる。“教授”に率いられた6人の男と1人の女は、綿密な計画と万全の装備、抜群のチームワークで白昼堂々、7トンもの黄金を盗み出すことに成功する。
しかし、そこから黄金を巡って、6人を裏切る教授と、さらに教授を裏切る女、教授を追う6人の騙し合いが始まる。
6人の仲間と1人の美女を従えて金塊を盗み出した男が、金塊を我が物としようとする。
男は「教授」と呼ばれる、品のよい身なりの知的な二枚目だ。
セクシーな美女を連れて乗った運転手付きの車から大きな銀行の目の前で道路工事をする作業員たちに目配せを送る。
作業員たちは教授の仲間だ。
近くのホテルの一室から眺める教授の指示を聞きながら、地下の水道管を通って銀行の大金庫へ入り、7トンもの金塊を盗み出す。山分けを夢見る仲間たち。しかし、教授には別の思惑があった。
金塊を盗み出すときのスリリングな展開、そのあとの裏切りに次ぐ裏切り。
最後の大混乱とラストの予想外の展開に目が離せない。
1965年の作品なので、今見ると、銀行のセキュリティー甘すぎとか、無線機の電波届くのかとか、こんなに準備できる資金があるなら泥棒しなくてもとか、多少ツッコミを入れたくなるところもあるのだが、そんなことはどうでもいい。
金塊泥棒の緊張感、画面にあふれる教授と美女のゴージャス感、思わぬ裏切りを楽しみ、映画の世界に入りこんでいく。
この映画は、YouTubeで全編無料視聴可能。
(英語吹き替え版)