今東光の映画 「続・新悪名」 悪名シリーズ第4作  田宮二郎の歌! | 人生・嵐も晴れもあり!

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「続・新悪名」

 

 

1962年11月3日公開。

悪名シリーズ第4作。

 

原作:今東光

脚本:依田義賢 

監督:田中徳三 

出演者:

勝新太郎 、 田宮二郎 、 赤城まり 、 水谷良重  、 藤原礼子 、 阿井美千子 、 近藤美恵子 、 ミヤコ蝶々 、 茶川一郎 、 遠藤辰雄

 

 

あらすじ:

戦後の闇市を追放された村上朝吉(勝新太郎)は故郷の河内へ帰ったが、田舎が嫌になり大阪へ出て、靴磨きの少女ひろみ(赤城まり)を拾った。

そして宿へ帰ると、昔の知人おぎん(茶川一郎)にバッタリ会った。

今はおかまの特技を生かし女剣劇一座にいるが、演芸館主、玉島(遠藤辰雄)の横槍で興行が出来ないでいた。

朝吉は女座頭・五月淳子(近藤美恵子)に会い尽力を約束して、早速玉島の事務所を訪れ、偶然用心棒に雇われている清次(田宮二郎)に会った。

興行は無事終ったが、一座のギャラを前借りした大磯が姿を消していた。

困った朝吉は自分の体を手形に借金し、金は因島の麻生親分に借りて払うと言った。

ひろみを清次に託した朝吉は玉島と共に因島へ渡ったが、そこで親分の死を知り万策つきた朝吉は、玉島にシルクハット親分の許へつれ込まれた。

だが、シルクハットの連絡で琴糸(水谷良重)が訪ねてきた。

彼女は以前遊廓から朝吉に救われ、その時の恩返しのため金を持って来たのだ。

一方、清次はひろみの歌の素質を見抜き、彼女をのど自慢に出す。

入賞確実とみられたが、その時、愚連隊が乱入し邪魔をした。

怒った清次は連中を蹴散らしたが、脚をピストルで射たれた。

その騒動の中でひろみは、大磯が因島へ行くことを聞いた。

ひろみ、お政(ミヤコ蝶々) 、負傷の清次らも因島へ向った。

ひろみから大磯のことを知った朝吉は彼を探したが分らない。

だが、夜、大磯が現われ、いきなり短刀で突っかかって来たが、所詮朝吉の敵ではない。

彼の自供によると、黒幕はなんと玉島だったのだ。

急遽朝吉は大阪へ帰った。

玉島は新しい演芸館の棟上げの祝い中だったが、大磯と現われた朝吉を見ると、祝場はたちまち修羅場と化した。

朝吉の頭突きと清次の松葉杖が冴えて、玉島は組み敷かれた。

無事、玉島から金を取り戻した朝吉は、お政とひろみを楽団の一行に預け、金を女剣劇一座へ郵送すると、清次と共に肩を並べて去って行くのだった。

 

 

コメント:

 

前作を引き継いでの物語。

靴磨きの女の子を拾ったことから旅一座の興行に絡み金策をする羽目に。
お絹とは前作で縁が切れたので、琴糸(水谷良重)とまたもや関わりを持つことになる。
相変わらずの正義感を発揮し、極道でも弱いものいじめは許さない大暴れ。
東映やくざと違い、一話完結の殺し主体の映画では無く、一貫して強きをくじき弱きを助けるテーマを通している。

殴り合いはあっても殺し合いは無いのが、このシリーズ。

殺しを売り物にしていた座頭市とは全く別の任侠もの。
 

 

朝吉と清次の二人の暴れ具合が、ラストで見られる。

やはりこの二人の喧嘩上手は見ていてワクワクする。
のど自慢の司会をするのは、若かりし頃の浜村純。

 

 

物語は人情深い朝吉と相棒の清次コンビが女剣劇一座を悪徳興行師の借金から救う話と、靴磨きの多芸な少女との交流を中心に描く。
特に少女は芝居をはじめ、洋楽の歌も上手い。

のど自慢大会で優勝するなど、美空ひばりをモデルにしているのは明らかである。

強欲な母親に扮するミヤコ蝶々の演技も笑いを誘ってお見事。

 

 

清次を演じている田宮二郎がカッコいい。

特に、歌が上手いところがわかるシーンが最高だ。

 

舞台公演の最中、清次はひろみの歌がうまいことに気づき、のど自慢へでろと、歌のレッスンをする。

ここで田宮二郎がセンチメンタルジャーニーを教えるのだが、彼自身がギターを弾いて歌う。

これが、なかなか上手い。

 

実は田宮二郎は俳優としても人気があったが、歌も良かった。

それがわかるのがこちら:

 

 

 

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