イタリア映画 「世界残酷物語」 世界の驚き映像満載! 日本のビール牛も! | 人生・嵐も晴れもあり!

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「世界残酷物語」

(原題:Mondo Cane)

 

世界残酷物語 - Wikipedia

 

「世界残酷物語」全編(日本語字幕付き)

 

1962年3月30日公開。

地球上の未開社会と文明社会に残る未開的状況をとらえた異色映画。

世界のびっくり映像が観れるキュメンタリー映画。

 

監督:グァルティエロ・ヤコペッティ 

 

あらすじ:

地球上になお残る未開社会と、その中の奇妙な風習、あるいは文明社会にいまなお残る未開的状況をとらえた異色記録映画

収録した内容は--

▽南イタリアのバレンチノの肖像除幕式

▽ニューヨークのロッサノ・ブラッツィ

▽南洋土着民族のボーイハント

▽文明国でのマンハント

▽ニューギニアの豚に人間の乳を与える原住民

▽同じくその五年に一度の肉食祭り

▽ロサンゼルス郊外の動物墓池

▽台北の犬肉レストラン

▽ローマのヒヨコ染めわけ

▽フランスの鵝鳥の肝臓を大きくする特別食

▽日本の松坂のビールを飲む牛

▽タバル島の変った美人の標準

▽食糧難の香港

▽ニューヨークの高級ゲテモノ・レストラン

▽蛇を常食とするマラヤ人

▽蛇を首にかけて練り歩くサン・ドメニコ祭

▽イタリア南端カラブリア半島の奇妙な祭り

▽シドニーの少女ばかりの水難救助隊

▽ビキニの放射能の犠牲となった動物たち

▽マラヤの海底墓地

▽同じく危険な鮫漁と鮫への復讐

▽ローマのカプチン修道会の墓地

▽同じく無名の骨を守る赤頭巾教団

▽ハンブルグの酔っぱらい天国

▽東京温泉の男性全身美容

▽マカオの中国人の葬式

▽シンガポールの“死の家”

▽ロサンゼルス郊外の自動車墓地

▽同じくスクラップ自動車のアート・ギャラリー

▽チェコの美女の肌で描く前衛映画

▽ハワイの観光団

▽牛の首を切るネパール・グルカ族の祭り

▽ポルトガルの町ぐるみ闘牛

▽ニューギニア・ゴロカ地方の穴居人

▽同じく、そこにいる宣教師

▽ポート・モレスビー--香港空路にある原住民の飛行機崇拝。

 

 

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コメント:

 

原題 "Mondo Cane" は、直訳すると「犬の世界」という意味。

「Cane」は、通常「犬」という意味なのだが、イタリア語のスラングとして、要注意だという。

言い方をまちがえると相手を中傷する表現になるというのだ。

イタリアではこの単語を人間に対して使うとさげすみの意味になり、「最低!」という劣等感を与えるらしい。

イタリア語の中で絶対に使ってはならない禁止ワードに含まれているようだ。

 

この映画の場合は、「なんて嫌な世界なんだ」という意味合いがあるのだろう。

 

本作が公開された1962年は、まだ海外旅行は高嶺の花で、インターネットどころか、テレビも普及段階にある時代であり、人々はもっぱら書籍や雑誌、映画などから伝えられる世界の風景に素直に驚いていた。

この頃にパリの夜の歓楽街などの性風俗を紹介したドキュメンタリー映画が公開されて、「夜もの」と呼称されていた。

 

それらの中で『ヨーロッパの夜』(Europa di notte, 1959年)などを撮っていたグァルティエロ・ヤコペッティが、世界の奇習や風俗を描いた決定版ともいうべき作品として製作したのが、本作である。

 

没後10年!『世界残酷物語』など残酷三部作収録「ヤコペッティ残酷BOX」12月発売 - SCREEN ONLINE(スクリーンオンライン)

 

日本については、YouTubeの映像では、22分頃から、牛にビールを飲ませるシーンが出て来る。

 

世界残酷物語 」 | 0・・映画toほげほげ

 

さらに、過激な映像に対比的な美しい音楽を被せる新しいパターンがこの映画によって確立された。

リズ・オルトラーニによる主題曲「モア」は、高く評価され、アカデミー歌曲賞にノミネートされたのだ。

本作では、未開孤立の山岳民族が、航空機が上空を飛ぶのを宗教的対象として崇める奇習の儀式の場面などで用いられている。

 

「モア」は、その後も世界的にヒットし、さまざまなアレンジでカヴァーされるスタンダード・ナンバーとして定着した。

 

 

最も有名なスタンダード曲は、アンディ・ウィリアムが歌ったこのバージョンだ:

 

 

 

日本公開での邦題は、公開の前々年にヒットした大島渚監督の『青春残酷物語』(1960年)を意識して配給会社が考案したものだという。

 

この作品は、かならずしも残酷なシーンばかりを並べ立てた映画というのではなく、「カメラは残酷なまでに現実を捕らえる」「視点を替えて現実を直視すれば世界には様々な残酷が存在する」という意味が込められたものである。

 

日本でも、亜流の映画が多数作られている。

日本でも国内の残酷映像を集めた『日本残酷物語』(1963年、中川信夫・小森白・高橋典共同監督)という映画が公開された。

この他、この印象的なタイトルを借用した劇映画も作られている。

東映映画の多くの題名の命名者としても知られる岡田茂(元東映社長)は、1963年公開の今井正監督の映画に『武士道残酷物語』というタイトルを付けた。また同年に岡田が題をつけた佐藤純彌監督デビュー作『陸軍残虐物語』は、「『残虐』とは何か」とヤクザや右翼が抗議し、東映に押しかけた。

このほか『幕末残酷物語』(1964年、加藤泰監督)などがある。

 

1976年に続編の『続・世界残酷物語』と合わせた『世界残酷物語・総集版』が日本公開されている。

ナレーターは大平透。テレビ放映時のナレーターは藤村有弘。

 

グァルティエロ・ヤコペッティは、1919年にイタリア中部で生まれた。

雑誌社で芸能記者として働いた後、当時「夜もの」と呼ばれた性風俗を紹介する一連のドキュメンタリー映画の製作に参加する。

1961年、世界中の奇妙で野蛮な風習を描いたドキュメンタリー映画『世界残酷物語』を発表。

やらせも含まれたこの映画は、主題曲「モア」のヒットとともに世界中で興行的成功を収めた。

その後も同じ路線の作品を製作しつづけ、「モンド映画」というジャンルを築いた。

『ヤコペッティの大残酷』以後は監督業からは遠のき、ショッキング映画のプロデュースなど表だった活動はしていなかったが、2004年にアメリカで発売されたDVDボックスのボーナストラックThe Godfathers of Mondoで世界残酷物語シリーズの撮影裏話を披露し、健在ぶりをアピールした。

2011年8月17日、ローマ市内の自宅で死去。91歳没。

  • 世界残酷物語 Mondo cane (1962年)
  • 続・世界残酷物語 Mondo cane 2 (1963年)
  • 世界女族物語 La Donna nel mondo (1963年)
  • さらばアフリカ(イタリア語版、英語版) Africa addio (1966年)
  • ヤコペッティの残酷大陸 Addio zio Tom (1971年)
  • ヤコペッティの大残酷 Mondo candido (1974年)

 

この映画は、Youtubeで全編無料視聴可能。

(日本語字幕付き)

 

この映画は、Amazon Primeで動画配信可能: