イタリア映画 「刑事」 クラウディア・カルディナーレ登場! ピエトロ・ジェルミ監督・主演! | 人生・嵐も晴れもあり!

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「刑事」

(原題:Un maledetto imbroglio)

 

Amazon MusicでAlida Chelli, Carlo Rustichelli Orchestra &  カルロ・ルスティケッリのOriginal Motion Picture Soundtrack, "Un Maledetto Imbroglio'' ( 1959)を再生する

 

「刑事」 全編

 

 

1959年10月24日公開。

クラウディア・カルディナーレの出世第1作。

 

脚本:ピエトロ・ジェルミ、アルフレード・ジャンネッティ、エンニオ・デ・コンチーニ

監督:ピエトロ・ジェルミ

 

キャスト:

ピエトロ・ジェルミ:イングラバロ
クラウディア・カルディナーレ:アッスンタ
フランコ・ファブリッツィ:バルダレーナ
エレオノラ・ロッシ=ドラゴ:リリアーナ

ニーノ・カステルヌオーボ :ディオメデ

 

刑事 "Un Maledetto Imbroglio"

 

あらすじ:

ローマの古いアパートに雨の午後、強盗が入った。

機動隊警部イングラバロ(ピエトロ・ジェルミ)は部長刑事サーロ(サーロ・ウルツィ)やオレステ刑事とともに乗りこんだ。

被害者は一人で住む勲三等というアンザローニだった。

盗難品は大したことはない、新聞に出さないでくれと非協力的だ。

女中のアッスンタ(クラウディア・カルディナーレ)は隣室のバンドゥッチ家の女中でもある。

事件の時、バンドゥッチ家にいたという。

警部は女中の許婚者の電気屋・ディオメデを捕え、取調べた。

アリバイはなかったが、泥をはかなかった。

だが、追いつめられ、アリバイを出した。

その時間にアメリカ女のガイドとして遊びたわむれていたという。

アッスンタに聞かれたくなかったのだ。

--一週間たった時、バンドゥッチ夫人のリリアーナ(エレオノラ・ロッシ・ドラゴ)が惨殺された。

遠縁の、医者バルダレーナ(フランコ・ファブリッツィ)が発見者だ。

リリアーナには子供がなかった。

警部もそれをなげかれたことがある。

二度流産し、バルダレーナに世話になった。

毎月彼に金を援助していた。

その金をとりにきて、発見したのだ。

リリアーナの夫は旅行中だった。

誰かに殺させたのか。

--警部は医者と夫君の二人に目をつけた。

だが、何もきめ手はなかった。

リリアーナの遺言状が開かれ、前の女中二人と、アッスンタ、バルダレーナの四人と孤児院に巨額の遺産が贈られ、夫には一銭も残されなかった。

夫のろうばいぶりが警部らの尾行・張込みを強めさせた。

一方、前の強盗事件は聞き込みで解決した。

レッタリという前科者を捕え、主犯がパタータだと白状させた。

テヴェーレ河畔の小屋から、真珠やダイヤの盗品が出てきたのだ。

警部はホテルに住むバンドゥッチを事件の部屋に連れこみ、彼が電話と、人の所在を示すことを恐れるのを確かめた。

あとは徹底的な尾行。

海岸のバンガローで逢引の相手も聞いた。

牧師のところでバンドゥッチは白状した。

前の女中ビルジニアと関係ができ、妻に知られると、よそに囲った。

今、逃げているのはその女からだと。

ビルジニアのところを襲うと、ベッドにバルダレーナがいた。

--彼らはだれもリリアーナ殺しに関係がなかった。

互いに相手が殺ったと思っていた。

迷宮入りだ。

だが、警部はアッスンタから渡された鍵が合鍵であるのに気づき、新婚の彼女の家を訪ね、アッスンタの夫になったばかりのディオメデを逮捕した。

彼女の手引きで結婚の金を目当てに侵入した彼が、誤って夫人を殺してしまったのだった。

 

Un maledetto imbroglio AKA The Facts of Murder (1959) FotW #387 - ICM Forum

 

コメント:

 

ローマで起きたある殺人事件を捜査する警部の目を通して、ローマ市民の様々な人間模様を描き出していく名作。

 

カルロ・エミーリオ・ガッダ原作の小説「メルラーナ街の混沌たる殺人事件」の映画化。

ピエトロ・ジェルミ監督・主演。

 

ピエトロ・ジェルミがローマの一警部に扮し、市民生活の真実を描き出す人間ドラマ。
イタリアの中流階級の悲壮感を丹念に描く、

ジェルミ監督だからこその深さが画面ににじみ出ている。

イタリア人の生きる術としての過ちがそこにあり、警部自身も心を痛める。

その心のうちをサングラスで包み隠す演出に、監督の人民の苦悶を見ているものに考えさせる効果がある。

また、警察も冷徹ではなく人間味あふれる人々が多く、フランス映画の辛い映像感覚とは違った面白さがここにはある。


クラウディア・カルディナーレがとてつもなく可愛い、

この人は、イタリアを代表する映画女優。

フランス保護領時代のチュニジアで生まれ育った.

1957 年に「チュニジアで最も美しいイタリア人女性」コンテストで優勝した。

 『ゴーハ』(1958年)でエジプトのスターであるオマー・シャリフ主演映画の端役でデビューした。

その後、本作で頭角を現すと、『ロッコとその兄弟』(1960年)、『スーツケースを持つ少女』(1960年)などの映画にも出演し、イタリアで最も有名な女優の一人となった。

 

カルディナーレは、この映画では、真犯人となる男の新婚の妻を演じている。

新人だが、やはり存在感がある。

 

エンドで、警察に連行される夫の姿に向かって泣き叫ぶカルディナーレの姿は印象的だ。

グッとくる!

 

この映画を有名にしたのは、主題歌である。

主題歌の「死ぬほど愛して」(Sinnò me moro 歌:アリダ・ケッリ)は、イタリアを始め世界中で大ヒットし、「アモーレ・ミオ」という題でも知られている。

日本でも当時知らない人がいないほどヒットした。

こういう歌を通して、イタリア人は人を死ぬほど愛するということがあるのかと日本人は記憶したのだった。

このイタリア語を英語にすると「Otherwise I die.」となるらしい。

日本語に直すと「そうしないと私は死んでしまう」となる。

つまり、「愛してくれないと、私はもう死んでしまう」ということか。

日本語タイトルの「死ぬほど愛して」というのは、名訳だ。

 

 

この歌の最初の歌詞は「アモーレ、アモーレ、アモレミオ」。

これは、「愛して、愛して、私を愛して!」という意味である。

 

「犯罪の陰に女あり」ということわざを思い出すストーリーだ。

 

原題の「Un maledetto imbroglio」というのは、「とんでもない詐欺」と言う意味らしい。

日本語タイトルの「刑事」では、全然無意味だし、面白みもない。