イタリア映画 「2ペンスの希望」 カンヌ映画祭・パルムドール受賞作品! | 人生・嵐も晴れもあり!

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「2ペンスの希望」

(原題:Due Soldi Di Speranza

 

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「2ペンスの希望」 全編

 

1952年4月10日公開。

1952年度カンヌ国際映画祭パルムドール受賞。

 

脚本:レナート・カステラーニ、ティティナ・デ・フィリッポ

監督:レナート・カステラーニ

 

キャスト:

アントーニオ:ヴィンチェンツォ・ムゾリーノ

カルメラ:マリア・フィオーレ

 

Due soldi di speranza | Boscotrecase

 

あらすじ:

ナポリの近郊の小さな村--アントーニオ(ヴィンチェンツォ・ムゾリーノ)は兵隊から帰ってきた。

貧しい家庭の長男である彼は母や姉妹を養うため休む間もなく仕事をしなければならなかった。

だが、どこも不景気、この小さな村にも失業者があふれ、教会前の広場には職を探す人たちが毎日集まっていた。

ある日、広場に立つアントーニオに花を投げて笑いながら逃げていった女がいた。

花火屋の娘カルメラ(マリア・フィオーレ)だ。

アントーニオは、しがない職を転々としたが、彼の日当はいつも母に先取りされる始末。

煙草も喫えない。

そんな彼を少しでも明るくしてくれるのは、いつも彼の後を追うように姿を見せて逃げていくカルメラだった。

ある日、森で二人は会った。

カルメラは、貯金もあるから結婚しようと持ちかけるが、生活に追われるアントーニオはそれどころでない。

二人の噂を聞いたカルメラの父も、彼が貧しいことを理由に反対した。

金が欲しい、人並の生活がしたい、と思うアントーニオは教会の鐘つきに雇われる一方、夜はナポリへ行って秘かに共産党のビラ貼りを手伝った。

だが、これが司祭にばれて教会はクビ。

ナポリへ出て金持ちの未亡人が経営する映画館にフィルム運びの仕事にありつく。

女主人の息子の病気を救うため自分の血を提供した彼は映写技師に昇格する。

一方、ナポリへ行ったまま便りのないアントーニオに新しい恋人ができたという噂を聞いたカルメラは父の工場の花火に火をつけた。

そのカルメラが父についてナポリへ来たついでにアントーニオの映画館へ寄ったが、カルメラが女主人と彼との間を嫉妬したことから、アントーニオはそこもクビになり、村へ帰って貯めた金で姉を結婚させてやる。

間もなくカルメラは家出する。

交通事故で怪我をしたというカルメラの知らせでアントーニオは病院へ駆けつけるが、これは彼女がアントーニオを誘い出し、二人で父親に結婚を承諾させようという計略だった。

こんなに思いつめているのに父親は冷かった。

「二人とも出て行け!」。

恋も諦め貧しさに耐えてきたアントーニオに怒りがこみあげてきた。

「俺の欲しいのは持参金じゃない、カルメラの汚れていない美しさだけなんだ!」。

二人は父の家を後にした。

アントーニオはもう貧しさは怖くなかった。

村人たちも二人に心から祝福を送った。

神様は人間をお作りになったんだ。

食べる物だって授けてくれるにちがいない--

アントーニオはこう心に思ってカルメラを抱きしめた。

二人の胸の中には小さいが明るい希望が宝石のように光っていた。

 

Due soldi di speranza – La nascita del neorealismo rosa – der Zweifel

 

コメント:

 

レナート・カステラーニ監督作品。
貧乏の青年はどれだけ働いても給金は母親に取られて自分は何も買えない。

こうした貧乏話は陰湿になりがちだが、そこはイタリア。

 

ナポリ近郊の小さな村への復員兵のその後と葛藤を描く。

出演は無名の新人ばかりで、マリア・フィオーレ、ヴィンチェンツォ・ムゾリーノなど。

何故か悲壮感は無い。

貧乏青年を好きになった女性とは、恋愛・嫉妬などの出来事が起こるが、最後は「愛さえあれば…」という展開で、希望が持てる作品となっている。

 

貧しさを超越した愛の素晴らしさを歌い上げるエンディングが素晴らしい。

これぞ、イタリア映画だ!

カンヌ・パルムドールを獲っただけある作品だ。

 

Due Soldi di Speranza - Trailer by Film&Clips - YouTube

 

レナート・カステラーニは、優れた監督・脚本作品が数多く、映画賞も受賞している。

主な作品は以下の通り:

  • 『2ペンスの希望』 - Due soldi di speranza (1952年、監督・脚本・原作、カンヌ国際映画祭パルムドール受賞)
  • 『ロミオとジュリエット』 - Romeo and Juliet (1954年、監督・脚色、ヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞)
  • 『カチューシャ物語』 - Auferstehung (1958年、脚本)
  • 『街の中の地獄』 - Nella città l'inferno (1958年、監督)
  • 『波止場』 - Mare matto (1963年、監督・脚本、ジャン・ポール・ベルモンド主演)
  • 『愛してご免なさい』 - Tre notti d'amore (1964年、監督・脚本)
  • 『あゝ結婚』 - Matrimonio all'italiana (1964年、脚本、ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニの共演)
  • 『さよならを言わないで』 - Una breve stagione (1970年、監督・脚本)

 

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