「炎のランナー」
(原題: Chariots of Fire)
1981年3月30日公開。
パリオリンピックに出場した二人のイギリス青年の実話を映画化。
第54回アカデミー賞作品賞受賞。
興行収入:$58,972,904。
脚本:コリン・ウェランド
監督:ヒュー・ハドソン
キャスト:
ハロルド・エイブラハムズ:ベン・クロス
エリック・リデル:イアン・チャールソン
サム・ムサビーニ:イアン・ホルム
シビル:アリス・クリージャ
ジェニー:シェリル・キャンベル
あらすじ:
1919年、ケンブリッジ大に入学したハロルド・エイブラハムズ(ベン・クロス)は、自分がユダヤ人であることを強く意識していた。
アングロ・サクソン人からの反ユダヤの差別に反発し、その鬱憤を発散するため走っていた。
同じ頃、スコットランドではエリック・リデル(イアン・チャールソン)が駿足を謳われていた。
彼は宣教師の家庭に生まれ、彼も父の後を継ぐつもりだった。
彼にとって、走ることは神の思寵をたたえることだったが、妹のジェニー(シェリル・キャンベル)は彼が一日も早く宣教の仕事を始めることを望んでいた。
ケンブリッジでは、ハロルドを中心に、障害物のアンドリュー(ナイジェル・ヘイヴァース)、中距離のオーブリー(ニコラス・ファレル)とヘンリー(ダニエル・ジェロール)が活躍をし、24年のパリ・オリンピックを目指して練習を続けた。
ハロルドはスコットランドまで行き、エリックが走るのを見た。
ある夜、オペラ見物に出かけたハロルドは、歌手のシビル(アリス・クリージャ)に一目惚れし、早速デートに誘い出す。
1923年、ロンドンでの競技会で、エリックとハロルドは対決する。
わずかの差でエリックが勝った。
ハロルドはサム・ムサビーニ(イアン・ホルム)のコーチを受けることになった。
そのためトリニティの学寮長(ジョン・ギールグッド)とキースの学寮長(リンゼイ・アンダーソン)に、アマチュア精神にもとると批難されたが、彼は昂然と反論した。
オリンピック出場が決定したケンブリッジ四人組とエリックは、パリに向かう。
だが、百メートルの予選が日曜日と知ってエリックは出場を辞退する。
日曜は神が定めた安息日だから、走れないというのだ。
選手団長のバーケンヘッド卿(ナイジェル・ダヴェンポート)、皇太子(デイヴィッド・イエランド)、サザーランド公(ピーター・イーガン)の説得も効はなかった。
アンドリューが四百メートルに出る権利をエリックに譲ると申し出る。
百メートルではハロルドが、米国のパドック(デニス・クリストファー)、ショルツ(ブラッド・デイビス)を押えて優勝。
競技場近くの宿に一人残っていたサムは、ハロルドの勝利を知り、感涙にむせぶ。
四百メートルでは、エリックが勝利をおさめた。
帰国した選手たちに、イギリス国民は惜しみない賞賛を与えるのだった。
コメント:
1924年開催のパリ・オリンピックに参加したイギリス人選手2名の実話を描いた作品。
走ることによって栄光を勝ち取り真のイングランド人になろうとするユダヤ人のハロルド・エイブラハムスと、神のために走るスコットランド人牧師エリック・リデルという、実在の二人のランナーを描いている。
舞台は1919年、エイブラハムスが入学するケンブリッジ大学と、リデルが伝道活動をするスコットランド・エディンバラから、1924年パリオリンピックへと移ってゆく。
おおむね実話に基づいているが、リデルと妹の確執、エイブラハムスと友人モンタギューの関係、エイブラハムスとシビルの出会いなど、いくつかは映画用に脚色されている。
ヴァンゲリスが作曲したサウンドトラックの中の『タイトルズ』は、日本でも耳にする機会の多い有名な曲となった。
特にテレビでは競走のゴールシーンで多く使用されている。
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