「どろろ」
2007年1月27日公開。
手塚治虫の漫画『どろろ』を原作とする実写版。
興行収入:34.5億円(2007年邦画ランキング第8位)。
原作:手塚治虫『どろろ』
脚本:NAKA雅MURA、塩田明彦
監督:塩田明彦
主題歌:Mr.Children「フェイク」
キャスト:
- 百鬼丸 - 妻夫木聡(幼少期:鈴木宗太郎)
- どろろ - 柴咲コウ(幼少期:橋本くるみ)
- 多宝丸 - 瑛太
- 醍醐景光 - 中井貴一
- 百合 - 原田美枝子
- 琵琶法師 - 中村嘉葎雄
- 寿海 - 原田芳雄
- 火袋(どろろの父) - 菅田俊
- お自夜(どろろの母) - 麻生久美子
- 地獄堂の住職 - 山谷初男
- 鯖目 - 杉本哲太
- 鯖目の奥方 - 土屋アンナ
- チンピラ - 劇団ひとり
- チンピラ - インスタントジョンソン
- 占い師 - きたろう
- 飯屋の親父 - 寺門ジモン
- 子捨て村の住民夫婦 - でんでん、春木みさよ
あらすじ:
乱世に終止符を打つべく天下統一を目指す武将・醍醐景光(中井貴一)は、地獄堂に封印されていた四十八の魔物たちと契約をかわす。
天下統一を成す力を授かるかわりに、実の子である赤子の体の四十八箇所を捧げたのだった。
それから二十年の後、男装の野盗・どろろ(柴咲コウ)ははぐれ者として一人旅をしていたが、砂漠の街で百鬼丸(妻夫木聡)と出会う。
百鬼丸はどろろの目の前で酒場に潜んでいた化け物を切り伏せた。
その途端、彼の義足が抜け落ち新たな足が生えてくる。
百鬼丸は地獄堂で捧げものにされた赤子の後の姿であった。
彼は奪われた自分の体を取り戻す為、四十八の魔物を倒す旅を続けていたのだった。
どろろは、魔物を粉砕した百鬼丸の“破魔の刀”を狙い、旅の道連れとして彼につきまとい始める。
次々に現れる魔物たちと切りむすび、共に幾多の危機を乗り越えながら友情を感じ始める二人。
どろろの真の目的は、“破魔の刀”を手に入れ、両親の仇に復讐を果たす事であった。
仇の名は、今や乱世に終止符を打ちつつある武将・景光。
百鬼丸は、切り伏せた魔物の末期の声で、自分を生贄に捧げた実の父がかの景光であった事を知る。
一方、天下統一を急ぐ景光もまた、かの赤子が統一への道の障害として舞い戻りつつある事を予感していた。
やがて、実の父子でありながら刀を切りむすぶ事になる景光と百鬼丸。
しかし景光は、今や脅威的に力をつけた両者の共倒れを目論む魔物たちの狙いを察知し、百鬼丸とその実弟・多宝丸に天下統一を託して自死を選ぶに至った。
本来居るべき場所への帰還を果たした百鬼丸を見て、再び寂しい一人旅に出ようとするどろろ。
しかし、百鬼丸は残りの体を取り戻す旅を続けると言い出し、二人の旅はまだまだ続くのであった。
コメント:
2007年1月27日公開の日本映画で、手塚治虫の漫画『どろろ』を原作とする実写映画である。
製作は「どろろ」製作委員会。制作プロダクションはツインズジャパン。配給は東宝。
ヨーロッパ、アジア、アメリカを含む24カ国で配給された。
第7回(2007年度)日本映画テレビ技術協会映像技術賞ではVFX、劇映画部門を受賞。
本作も、それなりにどろろの世界観は上手く再現できていたのではないか。
妻夫木聡の百鬼丸はなかなか様になっていた。
柴咲コウのどろろはどう考えてもないかなという感じだ。
かといって他に思い浮かぶ女優さんも特にいないしまあ仕方ない。
ミスチルが唄うテーマ曲「フェイク」は、作品のイメージに合っていてなかなかの名曲だ。
はるか昔、賢帝歴三千四十八年、景光が魔物と契約してから20年後。
とある街の酒場で、踊り子に化けた魔物と戦う青年・百鬼丸を目撃したコソ泥・どろろ。
百鬼丸は身体の四十八カ所を魔物に奪われており、その欠けた箇所を義肢で補っていた。
通りすがりの琵琶法師から百鬼丸の身の上話を聞いたどろろは、その左腕に仕込まれた魔物を爆発蒸散させることのできる妖刀に興味を持ち、つきまとうようになる。
初めはうっとうしがっていた百鬼丸だが、時を重ねていくうちにしだいに心を開き、共に魔物を倒し、元の身体を取り戻すための旅をする。
旅をしていく中で深まる二人の絆と、次々と明らかになってゆく百鬼丸の過去。
どろろの両親の仇、醍醐景光とは何者か。
何故百鬼丸は身体の四十八カ所を奪われたのか、百鬼丸の本当の両親は誰なのか。
その謎が明かされたとき、物語は大きく動き出す。
父の野望のため身体を奪われし者、そして時の権力に両親を奪われし者、失われた身体と心を取り戻すための二人の旅は続く。
乱世に終止符を打つべく、天下統一を誓う武将がいた。
醍醐景光(中井貴一)である。
影光は、自らの野望をかなえるため、四十八体の魔物を封印する地獄堂で、禁忌の契約をかわす。
やがて生まれくる我が子を、四十八体の魔物に捧げる。
耳、口、手、足はおろか、五臓六腑に至るまで、ありとあらゆる体の部位を奪われた、悲運の子としてその子は生まれた。
母・百合(原田美枝子)の嘆願もむなしく、景光の厳命によって、その赤ん坊は、"呪われた子"として、捨てられてしまう。
それから、二十年の時が過ぎた・・・
戦国の世で強かに生きるため、女だてらに男装をした、野盗・どろろ(柴咲コウ)は、ある砂漠の町で、ひとりの男と出会う。
百鬼丸(妻夫木聡)と呼ばれるその男は、町から町を渡り歩く、流れ者であった。
町の酒場で潜み、人を食らう魔物を、自らの左腕に繋がれた刀で、躊躇うことなく叩き斬る!
その直後、彼の体が苦悶にうねり、作り物の足が抜け落ちて、新たな足が生えてきた。
信じがたい光景に、腕自慢のチンピラ(劇団ひとり)たちすら、怯えきっていた。
しかし、どろろは、恐ろしさを感じなかった。
それどころか、百鬼丸の左腕で、艶かしい光を放つ、妖刀に魅せられていた。
「あの刀は、きっと金になる!」
どろろは、百鬼丸のことを聞いて回るうちに、彼の出生の秘密を知るという、流浪の琵琶法師(中村嘉葎雄)と出会った。
二十年前、川にうち捨てられた赤ん坊を拾いあげたのは、呪医師といわれる秘術を使う寿海(原田芳雄)という男であった。
赤子は、目も口も耳も手も足もなく、ただの肉塊のようであった。
それでも寿海は、赤子が必死に生きようとする、力強い意思を感じた。
その赤子は、相手の心に直接、気持ちを伝える力を持っているらしい。
寿海は、持てる医術と秘術の限りを尽くして、赤子に、仮の肉体を与えた。
しかし、赤子のまわりには、様々な魔物たちが現れ始めた。
寿海は、魔物たちから赤子を守るため、両腕に刀を埋め込む。
左腕につながれたのが、赤子の名前の由来でもある妖刀・百鬼丸であった。
という流れの中で、百鬼丸という男の出自と特徴が観客に理解されるようになっているのだ。
原田美枝子は、この百鬼丸の生みの母・百合を演じている。
景光という父は、母・百合の嘆願もむなしく、天下を取るためにと、生まれ出てこようとしている我が子から、耳、口、手、足はおろか、五臓六腑に至るまで、ありとあらゆる体の部位を、四十八体の魔物に捧げてしまうのだ。
そんな悲運の子として生まれたのが百鬼丸だということだ。
柴咲コウが雄々しく熱演しているどろろは、男装した野盗である。
原作からしてあり得ない話なので、評価は難しいが、とにかく、妻夫木聡、 柴咲コウ、瑛太、中井貴一、原田美枝子、 中村嘉葎雄といった演技力のある俳優たちが熱演することで人気が上がり、年間第8位の興行収入を達成した。
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しかし、恐ろしいほど映像は意図的にぼかしてあるので、全体の流れは分かるが、楽しめるレベルにはない。
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