「犯人に告ぐ」
2007年10月27日公開。
主役の刑事を中心に、警察・マスコミの思惑が絡まり合う異色ミステリー。
WOWOW FILMSの第一弾作品。
原作:雫井侑介「犯人に告ぐ」
脚本:福田靖
監督:瀧本智行
キャスト:
- 巻島史彦 - 豊川悦司
- 曽根要介 - 石橋凌
- 植草壮一郎 - 小澤征悦
- 津田良仁 - 笹野高史
- 杉村未央子 - 片岡礼子
- 早津名奈 - 井川遥
- 巻島園子 - 松田美由紀
- 韮沢五郎 - 崔洋一
- 迫田和範 - 石橋蓮司
- 小川かつお - 池内万作
- 西脇辰則 - 有福正志
- 三宅刑事 - 神尾佑
- 本田明宏 - 平賀雅臣
- 桜川夕起也 - 小市慢太郎
- 桜川麻美 - 占部房子
- 巻島一平 - 山寺優斗
- 藤沢歩美 - 越智静香
- 有賀の母 - 根岸季衣
- 後藤 - 嶋田久作
- 有賀吉成 - 山中崇
- 村瀬次文 - 中村育二
- 浦西景一 - 柄本佑
- 神奈川署員 - 中原丈雄
あらすじ:
6歳の少年が誘拐され、犯人からの身代金受け渡し指示がきた。
神奈川県警警視・巻島史彦(豊川悦司)は、警視庁の指揮の下、現場に張り込んでいた。
巻島は不審な男の姿をとらえるが、別の男が母親に接触。
だが捜査員に取り押さえられた男はナンパだったと判明、不審者を逃してしまう。
翌日、警察を嘲笑した犯人のメッセージとともに少年の遺体が発見される。
だが、県警の曾根刑事部長(石橋凌)からミスは一切認めるなと釘を刺されていた巻島は、記者会見の場で杓子定規な返答しかできない。
報道陣が苛立つ中、命の危険を伴う出産にのぞんでいる巻島の妻・園子(松田美由紀)のいる病院から電話が入り、動揺した彼は記者たちに抑えていた感情を爆発させてしまう。
6年後。
左遷された巻島のもとに、神奈川県警本部から呼び出しがかかる。
県警トップ本部長の座についた曾根は、難航する川崎連続児童殺害事件の捜査責任者としてテレビに出演しろと巻島に命じる。
それは、テレビで世間を挑発し、3件目の犯行後、姿を消した<BADMAN>と名乗る犯人に対し、曾根が下した大胆な『劇場型捜査』だった。
ミヤコテレビの生放送のニュースに出演した巻島は、番組を通じてBADMANと直接対話したいと発言。
打ち合わせにない展開に周囲はあわてふためき、抗議が殺到するが、視聴率は倍増。
翌日、巻島は本物からと思われる手紙を示し、再びBADMANへ呼びかける。
ライバル番組のキャスター・杉村(片岡礼子)は、大学時代同級生だったエリート警視の植草に連絡。
巻島の勝手な暴走に上司の面子を潰された植草は、下心もあって杉村に情報提供をちらつかせる。
そして、6年前の失態を含め、巻島へのバッシングが始まった。
メディアは巻島を追いまわし、世間から非難の声がわき、曾根も巻島を見放す決断を下す。
絶体絶命の窮地だが、BADMANの新たな手紙を入手した巻島は再びミヤコテレビのスタジオへと向かい、犯人に、お前はもう逃げられないと告げる。
コメント:
雫井脩介のベストセラー小説を映画化した本格サスペンスドラマ。
連続児童殺害事件の犯人をあぶり出すためにマスコミを利用する任を受けた刑事を中心に、警察・マスコミの思惑が絡まり合うミステリー。
初の刑事役を演じる豊川悦司がいい味を出している。
過去に捜査の失敗から幼児を死なせてしまったという過去をもち、その傷を抱えながら複雑に思惑の絡み合う警察組織のなかで困難な捜査を強いられる刑事を熱演。
さらに孤立無援の彼を支えるベテラン刑事を笹野高史が好演、ドラマに奥行きをもたせている。
誘拐犯を取り逃がした過去のある刑事の話。
頻発する小児を対象にした異常犯罪の犯人が相手。
刑事自らTVのニュース番組に出演して犯人を挑発するというのは、まず有り得ない設定だが、これがタイトルとなっている。
こういう異色ドラマがあっても良いのでは。
映画だし。
豊川悦司はやっぱりフェロモン俳優と呼ばれるだけあってかっこいい。
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