黒澤明が選んだ映画 第30作 「欲望という名の電車」 各賞総なめの名作! | 人生・嵐も晴れもあり!

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「欲望という名の電車」

(原題:A Streetcar Named Desire

 

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「欲望という名の電車」 予告編

 

1951年9月18日米国公開。

1952年5月22日日本公開。

欲望のままに生きた女性を演じ切ったヴィヴィアン・リー。

興行収入:$8,000,000

 

受賞歴:

1951年 第24回 アカデミー賞 作品賞

1951年 第24回 アカデミー賞 主演女優賞(ヴィヴィアン・リー)
1951年 第24回 アカデミー賞 助演男優賞(カール・マルデン)
1951年 第24回 アカデミー賞 助演女優賞(キム・ハンター)

1951年 第12回 ヴェネチア国際映画祭女優賞(ヴィヴィアン・リー)
1951年 第17回 NY批評家協会賞 作品賞
1952年 第9回 ゴールデングローブ 助演女優賞(キム・ハンター)

 

原作:テネシー・ウィリアムズ

脚本:テネシー・ウィリアムズ 、 オスカー・ソウル

監督:エリア・カザン
出演者: 

ヴィヴィアン・リー 、 マーロン・ブランド 、 キム・ハンター 、 カール・マルデン 、 ルディ・ボンド 、 ニック・デニス 、 ペグ・ヒリアス、 ライト・キング 、 リチャード・ガリック
 

あらすじ:

父の死と共に南部の家を失ったブランシュ・デュボア(ヴィヴィアン・リー)はアルコールに身を持ち崩して、妹ステラ(キム・ハンター)が結婚しているニューウ・オルリンズのフランス街の家を訪れた。

妹の夫・スタンリー・コワルスキー(マーロン・ブランド)は暴力的な男で、カードと酒に狂ってはステラを打つのであったが、彼女はこの男に全身を捧げて悔いなかった。

そのような妹夫婦の日常を見るにつけ、ブランシュはスタンリーのカード仲間ミッチ(カール・マルデン)に次第に関心を持つようになった。

母と2人暮らしの純情な独身者で、真面目にブランシュとの結婚を考えはじめ、彼女も彼に、年若の夫を失った暗い過去を打ち明けて、将来への希望を語った。

しかしスタンリーは街の仲間から、ブランシュが実は大変な莫連で、17歳の少年を咥えこんだというので故郷を追われてきた女だということを聞き出して、ミッチにぶちまけた。

ブランシュの誕生日に、むろんミッチは出て来ず、しかもスタンリーは彼女に贈り物として故郷へ帰る片道切符を渡した。

その夜ステラが俄かに産気づき、スタンリーと病院に出かけたあと、ブランシュは訪ねてきたミッチに結婚を迫ったが、彼はもはやその言葉に動かされはしなかった。

夜更けて帰ってきたスタンリーはブランシュが1人妄想に酔っているのを見ると暴力でこれを犯した。

完全に発狂したブランシュは、紳士が自分を迎えに来たという幻想を抱いて、精神病院へ送られていった。

 

第25回:『欲望という名の電車』(1951年)監督:エリア・カザン 出演:ヴィヴィアン・リー、マーロン・ブランド:名画プレイバック|シネマトゥデイ

 

コメント:

 

ハリウッド黄金期の作品として有名な映画。

エリア・カザン監督、ヴィヴィアン・リー主演の古典の名作である。

テネシー・ ウィリアムズ「ガラスの動物園」の同名戯曲の映画化。

マーロン・ブランドの姿も映える。(アカデミー賞では主演男優賞にノミネート)

 

第24回アカデミー賞、第12回ヴェネチア国際映画祭などで多くの賞を獲得した名作である。

第12回ヴェネチア国際映画祭といえば、金獅子賞を黒澤明の『羅生門』が獲得した時である。

『羅生門』が存在しなければ、本作が金獅子賞を受賞していた可能性もあるのだ。

なぜ、黒澤明がこれを100本の中に入れたのかが分かるような気がする。


父の死と共に南部の家を失ったブランシュ・デュボア(ヴィヴィアン・リー)はアルコールに身を持ち崩して、妹・ステラ(キム・ハンター)が結婚しているニュー・オリンズのフランス街の家を訪れた。

妹の夫スタンリー・コワルスキー(マーロン・ブランド)は暴力亭主で、カードと酒に狂ってはステラにやつあたりをしていた。

それぞれの欲望が絡み合い、やがて悲劇に行き着く訳だが、主人公のブランシュが悲劇の中心にいる。

 

ブランシュは、名門という今はない亡霊に取りつかれ、親への看病の心労をまぎらわすように、若い男と関係を持つ。

それは失った同性愛者の恋人の思い出を若い青年に重ねている。

その罪を払拭するべくアルコールの力を借りてしまう。

そんな孤独の中、心の拠り所が血を分けた姉妹になる訳だが、妹も昔の面影はない。

 

欲望という名の電車 A Streetcar Named Desire 1951 - The Road to You

 

救いようのない展開で話はとことん重い。

主演は、この舞台劇をロンドンで演じたヴィヴィアン・リーだ。

実生活でもサー・ローレンス・オリビアとの俳優としての葛藤、老い、アル中で、劇中の主人公と重なる。

 

ヴィヴィアン・リーという女優は、戦前戦後におけるハリウッドの大女優の一人。

最大のヒット作は『風と共に去りぬ』(1939年)だが、その映画で彼女が演じたスカーレットという気性の激しい女性というイメージの印象が強い。

 

欲望という名の電車 ネタバレを一言で説明するとキチガイ女の映画です ~アラフォー女の成れの果て | プチ初老ころんのコロコロ☆コロンボ考察講義

 

しかし、本作では、単に気の強い女ではなく、老いて、アル中で、若い男と関係を持つという最悪の醜態をさらす女を熱演している。

こういう激しくぶっ飛んだ女性を完ぺきにやり抜く俳優が米国では人気があるのだ。

日本とは好みが大分異なる。

 

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