渡瀬恒彦の映画 「226 」 二・二六事件を描いた作品! 渡瀬恒彦は重要な役回り! | 人生・嵐も晴れもあり!

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「226 」

 

 

 

 

226 プレビュー

 

 

 

1989年6月17日公開。

二・二六事件の経過を主に陸軍将校の側から描いた作品。

配給収入:11億5000万円。

 

 

 

脚本:笠原和夫

監督:五社英雄

 

キャスト:

 

決起将校たち

  • 野中四郎 - 萩原健一: 大尉
  • 安藤輝三 - 三浦友和: 大尉
  • 河野寿 - 本木雅弘: 大尉
  • 香田清貞 - 勝野洋: 大尉
  • 栗原安秀 - 佐野史郎: 中尉
  • 中橋基明 - うじきつよし: 中尉
  • 村中孝次 - 隆大介: 元大尉
  • 磯部浅一 - 竹中直人: 元一等主計
  • 対馬勝雄 - 沖田さとし: 中尉
  • 丹生誠忠 - 宅麻伸: 中尉
  • 高橋太郎 - 鶴見辰吾: 少尉
  • 坂井直 - 加藤昌也: 中尉
  • 田中勝 - 関口誠人: 中尉
  • 林八郎 - 石橋保: 少尉
  • 中島莞爾 - 今井雅之: 少尉
  • 安田優 - 林統一: 少尉
  • 湯川康平 - 井田弘樹: 少尉

決起部隊の下士官・兵たち

  • 永田露 - 川谷拓三: 曹長
  • 堂込喜市 - 三上寛: 曹長
  • 三浦作次 - 三遊亭小遊三: 上等兵
  • 大木精作 - 坂田明: 伍長

決起将校の関係者

  • 野中美保子 - 名取裕子: 野中四郎の妻
  • 安藤房子 - 南果歩: 安藤輝三の妻
  • 香田富美子 - 賀来千香子: 香田清貞の妻
  • 丹生すみ子 - 有森也実: 丹生誠忠の妻
  • 田中久子 - 安田成美: 田中勝の妻
  • 坂井孝子 - 藤谷美和子: 坂井直の妻
  • 河野司 - 根津甚八: 河野寿の兄

被害者とその関係者

  • 鈴木貫太郎 - 芦田伸介: 侍従長・海軍大将
  • 岡田啓介 - 有川正治: 内閣総理大臣・海軍大将
  • 松尾伝蔵 - 田中浩: 総理大臣秘書官
  • 高橋是清 - 小田部通麿: 大蔵大臣
  • 斎藤実 - 高桐真: 内大臣・海軍大将
  • 渡辺錠太郎 - 早川雄三: 教育総監・陸軍大将
  • 牧野伸顕 - 増田順司: 元・内大臣
  • 鈴木たか - 八千草薫: 鈴木貫太郎の妻
  • 斎藤春子 - 高峰三枝子: 斎藤実の妻
  • 渡辺すず子 - 久我美子: 渡辺錠太郎の妻
  • 大久保和喜子 - 奈月ひろ子: 高橋是清の娘
  • 吉田和子 - 松下美智子: 吉田茂の娘、牧野伸顕の外孫

陸軍関係者

皇道派

  • 真崎甚三郎 - 丹波哲郎: 陸軍大将
  • 荒木貞夫 - 日下武史: 陸軍大将
  • 香椎浩平 - 加藤武: 陸軍中将
  • 山下奉文 - 高松英郎: 陸軍少将

統制派

  • 寺内寿一 - 藤岡重慶: 陸軍大将
  • 林銑十郎 - 山村弘三: 陸軍大将
  • 杉山元 - 仲代達矢: 参謀本部次長・陸軍中将
  • 石原莞爾 - 渡瀬恒彦: 陸軍大佐
  • 武藤章 - 新克利: 陸軍中佐

中道派・その他陸軍関係者

  • 川島義之 - 金子信雄: 陸軍大臣・陸軍大将
  • 阿部信行 - 鈴木瑞穂: 陸軍大将
  • 西義一 - 森下哲朗: 陸軍大将
  • 梨本宮守正王 - 和田昌也: 陸軍大将
  • 東久邇宮稔彦王 - 徳田良雄: 軍事参議官
  • 伊集院兼信 - 松方弘樹: 陸軍少佐・歩兵第三連隊第二大隊長/安藤輝三大尉の直属上官
  • 小野木修三 - 大和田伸也: 憲兵伍長/河野寿大尉の監視役

宮城関係者

  • 木戸幸一 - 長門裕之: 内大臣秘書官長
  • 広幡忠隆 - 小野寺昭: 侍従次長
  • 湯浅倉平 - 田村高廣: 宮内大臣

その他

  • 水上源一 - 山口秀忠: 弁理士
  • 村上嘉茂左衛門 - 伴勇太郎: 官邸護衛・巡査部長
  • 清水與四郎 - タンクロー: 官邸護衛・巡査
  • 土井清松 - 木下通博: 官邸護衛・巡査
  • 小館喜代松 - 平井靖: 官邸護衛・巡査
  • 府川きぬえ - 高部知子: 官邸女中
  • 秋本サク - もたいまさこ: 官邸女中
  • 土門岩夫 - ガッツ石松: 陸相官邸憲兵曹長
  • 山本公造 - 梅宮辰夫: 山王ホテル支配人
  • ナレーター - 井川比佐志

 

 

 

 

あらすじ:

昭和8年、満州への武力進出が問題となり日本は国際連盟を脱退し、国際的に孤立していった。

国内でも経済不況と農村恐慌が重なって国民の不満と怒りは頂点に達していた。

その頃、陸軍の若手将校たちが集まって昭和維新の計画を立てていた。

それは、天皇を取り巻く元老や重臣を排除し、陛下の大御心を直接国政に反映させるしかないというものだった。

野中大尉(萩原健一)、安藤大尉(三浦友和)、河野大尉(本木雅弘)らの8人は、昭和11年2月26日未明の雪の降る中、昭和維新を決行。

22名の青年将校に率いられた1500名にも及ぶ決起部隊はそれぞれ連隊の営門を出発した。

栗原隊は首相官邸を襲撃し、岡田総理を殺害しようとしたが、殺されたのはは身代わりの松尾秘書だった。

坂井隊は斉藤内大臣、渡辺教育監督を射殺。

中橋隊は高橋蔵相を射殺。

安藤隊は鈴木侍従長を襲撃したが、結果的に命はとりとめることとなった。

丹生隊は陸相官邸を占拠し、野中隊は警視庁を占拠。

河野隊は湯河原で牧野伯爵を襲撃するが、河野は被弾し牧野に逃げられてしまう。

河野はそのまま陸軍病院に収容された。

陸相官邸では香田と磯部が川島陸相と真崎大将(丹波哲郎)ら高級将校に決起趣旨を述べ今回の行動について陛下の御聖断を要求した。

皇居では緊急の軍事参議会議が開かれ、決起を認めるかのような陸軍大臣告示が発表された。

しかし、宮中では湯浅宮内大臣、木戸秘書館長、広幡侍従次長らの会合の結果、戒厳令の御裁可が杉山参謀本部次長に下され、決起部隊も戒厳部隊に編入された。

翌27日には香椎戒厳令司令官から奉勅命令が発表され、決起部隊に原隊への復帰が勧告された。

当初決起部隊へ同調していた真崎らの力も及ばず事態は次第に皇道派青年将校達の不利な方向へ傾いていった。

安藤隊は赤坂の山王ホテルに立て篭もるが、ラジオやビラを使っての原隊復帰の勧告も始まった。

陸相官邸では一早く坂井が隊員たちに原隊復帰を促していた。

山王ホテルでは村中らが兵を帰して軍法会義で戦おうと提案するが、安藤はあくまで抵抗した。

野中は安藤に兵たちの命と名誉を守ってやろうと説得。

初め決起に乗り気でなかった自分を促したのは野中だっただけに、安藤には無念だった。

安藤は拳銃で自決を図るが未遂に終わった。

陸相官邸で野中は安藤から返された決起を謳ったハンカチを燃やし、拳銃で自決。

また、河野も熱海の岸壁で自決していた。

29日宮中では事変の鎮圧が上奏された。

捕らえられた決起部隊の青年将校ら19人は軍法会議にかけられ、7月12日、全員が銃殺刑に処せられた。

 

 

コメント:

 

この映画は、二・二六事件を描いた作品である。

英語のタイトルは、「「THE FOUR DAYS OF SNOW AND BLOOD」。

直訳すると「雪と血の4日間」だ。

 

この事件は、1936年(昭和11年)2月26日(水曜日)から2月29日(土曜日)のわずか4日間にかけて発生した日本のクーデター未遂事件なのである。

皇道派の影響を受けた陸軍青年将校らが1,483名の下士官・兵を率いて蜂起し、政府要人を襲撃するとともに永田町や霞ヶ関などの一帯を占拠したが、最終的に青年将校達は下士官兵を原隊に帰還させ、自決した一部を除いて投降したことで収束した。この事件の結果、岡田内閣が総辞職し、後継の廣田内閣が思想犯保護観察法を成立させた。

 

 

五社英雄といえば、「鬼龍院花子の生涯」、「極道の妻たち」、「吉原炎上」などの女性の生涯を描くのが最も得意だ。

この映画でも、名取裕子や、八千草薫、高峰三枝子などが出演し、軍人や政治家の妻も描かれている。

二・二六事件を描いた作品の中でも、登場人物を全て実名で監修して、オールスターキャストが出演している壮大なドラマになっている。

東京都心が武力で制圧された歴史があったことの重みや異様さが伝わってくる。

本作の公開当時は現在の東京ミッドタウンの位置に防衛庁があり、旧陸軍時代の建物が残されていた。

六本木を戦車が走った時代だった。

 

二・二六事件と言えば教科書にも記されている歴史的な事件だ。

当時の模様を克明に記録したかのような映像はなかなか迫力がある。

令和の今日でも、226事件の貴重な史実が分かる。
それにしても、弁護人なし、非公開、全員銃殺というエンディングのナレーションは絶望的で、重苦しいまま終わる。 

日本の将来を考えるきっかけになる貴重な作品だ。

 

 

渡瀬恒彦は石原莞爾を演じている。

この人物は、226事件では反乱軍の鎮圧に貢献したことで知られている。

事件が起きた時、陸軍大佐だった石原は、参謀本部作戦課に就任して半年が経ったところだった。

「昭和維新」を掲げ、満州国の経営と対ソ国防、空軍の充実、軍隊教育の革新などを積極的に進めていた。

 

佐倉桜香 Twitterissä: "#細かすぎて伝わらない映画の好きなシーン 『226』で、渡瀬恒彦演じる石原大佐が戒作命第十四号を読みあげるシーン。「叛乱部隊は遂に大命に服せず!  よって断乎武力を以て当面の治安を恢復せんとす!」 https://t.co/1MEKIIbR4S" / Twitter

 

そのさなかに起きた近衛師団、第1師団の歩兵連隊の青年将校らを中心とした事件に石原大佐は、「陛下の軍隊を私するとは何事か」と激怒。

首謀者たちの動機と目的が理解できず、また何も知らされていない兵士たちを早朝にたたき起こし、彼らを使ってクーデターを起こしたことが許せなかった。

自ら先頭に立って事件を収束に導こうとした石原は、青年将校らの大赦を求める昭和天皇への奏上を杉山元・参謀次長に進言。

戒厳令が敷かれた後は、戒厳司令部において強硬策を模索する一方、「下士官兵二告グ」で始まるビラを首相官邸の上空などでまき、投降を呼び掛けた。

 

 

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