「幕末青春グラフィティ Ronin 坂本竜馬」
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- 吉田拓郎「RONIN」
- 吉田拓郎&加藤和彦「ジャスト・ア・RONIN」
- オフコース「時代のかたすみで(せめて今だけ)」
- 武田鉄矢「夢がとまらない」
- 井上陽水「とまどうペリカン」
- 高中正義「黒船'85」
- 坂本竜馬 - 武田鉄矢
- 池内蔵太 - 柴俊夫
- 沢村惣之丞 - 阿藤海
- 長岡謙吉 - 竹中直人
- 中島作太郎(のちの信行) - 本城裕
- 陸奥陽之助(のちの宗光) - 堀広道
- 千屋寅之助(のちの菅野覚兵衛)- 渕野俊太
- 石田英吉 - 浦田賢一
- 高杉晋作 - 吉田拓郎
- 桂小五郎(のちの木戸孝允) - 川谷拓三
- 伊藤俊輔(のちの博文) - 伊武雅刀
- 山県狂介(のちの有朋) - 原田大二郎
- 大村益次郎(村田蔵六) - 三浦浩一
- 井上聞多(のちの馨) - 山西道広
- 前原一誠(佐世八十郎) - 石田純一
- 畑鵬作 - 中島陽典
- 伍平 - 榎木孝明
- 庄兵衛 - 山谷初男
- 三次 - 内藤剛志
- 伴作 - 不破万作
- お竜 - 原田美枝子
- おうの - 浅野温子
- お菊 - 菊池桃子
- トヨ - 南果歩
- 梅花 - 高倉美貴
- マリア - フローレンス芳賀
- 安岡嘉助 - 本田博太郎
- 那須信吾 - 村田雄浩
- 間崎哲馬 - 加藤健一
- 近藤長次郎 - 倉崎青児
- 平井収二郎 - 古尾谷雅人
- 岡本次郎 - 陣内孝則
- 勝海舟 - 石坂浩二(ナレーション)
- 大里(大将) - 鈴木瑞穂
- 細川家重臣 - 小林昭二
- 奇兵 - 清水宏(方言指導)
- トーマス・ブレーク・グラバー - ロジャー・バリンス
- グラバー邸の若者 - 野分龍
- アーネスト・サトウ - ロバート・ガムリー
- ハリー・パークス - デニス・ファルト
あらすじ:
1866年、幕末の浪人・坂本竜馬は黒船に魅せられていた。
彼とその仲間・海援隊は、日本中が勤皇倒幕・尊皇攘夷と騒いでいる中、商人シシと呼ばれ世間からバカにされながらも、株式会社亀山社中を興し、お金もうけに励んでいた。
長州から桂小五郎と伊藤俊輔(博文)が武器の買い付けに来た。
竜馬たちは武器購入の仕事をひきうける。
英字新聞を訳し世界情勢を熟知していた竜馬たちは、英国商人グラバーから最新銃を安値で買い付けることに成功し、その輪送を任され長州へと向かう。
戦さの天才・高杉晋作率いる長州武士団の作戦会議のさなかに到着した竜馬たちは、うまく乗せられて参戦するハメになってしまう。
たった一艘のボロ黒船ユニオン号と小さな和船を操っての高杉の奇襲戦法。
だが巨大な幕府艦隊の前に、ユニオン号と奇兵隊はなすすべもなく敗走した。
失意の高杉は、竜馬たちに長崎へ帰るように告げ、背を向ける。
そんなところへ、武市を始めとする土佐勤皇党の仲間たちが、幕府の圧力で皆殺しにされたという土佐からの便りが届く。
仲間たちの無残な死に竜馬は立ち上がる。
作戦会議が開かれ、竜馬の提案により、ペタゴラスの定理を応用した戦場の測量が始められた。
奇兵たちは、竜馬たちに次第に打ち解け、高杉も竜馬の不思議な魅力に捉えられてゆく。
6月17日、長洲軍の小倉総攻撃は開始された。
幕府艦隊を破り、赤坂峠へ進撃した長州軍の前に、肥後細川藩の洋式軍隊が大きく立ちはだかる。
高杉得意の散兵戦術も、最新のガトリング砲8門の前には全く歯が立たなかった。
先陣を切った150名のうち115名が死亡した。
その知らせを聞いた海援隊は飛んでいく。
重傷の奇兵を抱きおこす竜馬。
細川藩に向かった池内蔵太が弾丸に打たれた。
大喀血をして倒れる高杉。その時奇蹟がおきた。
細川藩が引き揚げて行く。
将軍家茂が倒れたためである。
コメント:
坂本龍馬をこよなく尊敬する武田鉄矢の主演映画。
武田鉄矢、吉田拓郎ほか、多くの俳優が出演した異色の幕末ストーリー。
史実が云々と言う事を、一度頭の外に追いやってから、観るべき作品である。
というのは、史実では「坂本龍馬」だが、この映画で武田鉄矢が演じるのは「坂本竜馬」だというところがカギだ。
ここに、史実と、虚構の「差」を見出しているのだ。
とにかく汚れた「竜馬」になっている。
「浪人」でなく「Ronin」というタイトルにしているのはそれを強調しているのである。
きったない服装で、埃まみれで、脂まみれなのだ。
それが、ある意味「偉人 竜馬」でなく「人間味ある竜馬」に見えてくるのだ。
第二次長州征伐の場面も、派手な戦闘シーンは期待できない。
しかし、武市半平太の切腹の知らせに泣く「竜馬」や、ラストシーンのひまわり畑の中で叫ぶ「竜馬」も、何回見ても胸を打つのだ。
「にんげん・竜馬」をとことん熱演している異色の作品であるということを念頭に観てみると価値がある。
吉田拓郎を始め、ニューミュージックのスターたちが幕末の志士に扮して出演し、また主題歌、挿入歌を歌っている。
長州藩のユニオン号と幕府側の富士山丸の2艘を建造し、長期ロケを敢行するなど、金をかけている。
当時はテレビ局や大手企業の映画製作参入が相次ぎ、潤沢な予算で映画製作が可能だったのだ。
吉田拓郎の高杉晋作役は、武田が拓郎に憧れて「ずっと背中を追いかけてきた拓郎に一回、こっち側を向いて勝負して欲しい」と相手役として遮二無二拓郎を説得したもの。
高杉晋作役での起用理由は
「拓郎の声はアジテーターの声であり、たった一声で千とか万の若者が後について行くような声。
それは高杉晋作もそんな声だったんじゃないかと思うという持論で、俳優では出せないと思い拓郎にお願いした」
と説明している。
竜馬の妻・お竜役には、テレビ版『幕末青春グラフィティ 坂本竜馬』と同じく、夏目雅子がキャスティングされていたが、突然の病魔に冒されて、原田美枝子が代わりに演じた。
夏目は本作の撮影中に亡くなっている。
原田美枝子のお龍はなかなか良い。
やはりこの人は、突然代役として出演依頼されても、しっかり存在感を示せるのだ。
吉田拓郎も良い。
独特のヘアースタイルが笑える。
吉田拓郎の声が、なかなか良い。
武田鉄矢が必死に出演を頼み込んだだけある。
この映画の映像と共に劇中歌が聞ける。
吉田拓郎自身の歌唱や、ほかの人のカバーもYouTubeにアップされている。
この映画は、TSUTAYAでレンタルも購入も可能: