「不良番長 どぶ鼠作戦」
1969年10月15日公開。
シリーズ第5作。
脚本: 松本功、山本英明
監督:野田幸男
出演者:
梅宮辰夫、谷隼人、長沢純、 山城新伍、鈴木やすし、葉山良二、賀川雪絵、南弘子、小林千枝、 笠置シヅ子、上田吉二郎、須賀不二男、 由利徹、京唄子・鳳啓助、中田ダイマル・中田ラケット
あらすじ:
神坂弘(梅宮辰夫)を番長とする、「カポネ団」は、新宿を追われて、大阪の街で、荒稼ぎをしていた。
釜ヶ崎のグレン隊・ヤリフリ団とのトラブルも、団長・峰隆三(葉山良二)との一騎打ちが引き分けて、二人は意気投合した。
神坂は、ストリップ興行を思いつき、二グループは、稼ぎまくった。
そこへ、関東挺身会の大東組が、縄張を荒されたと、乗り込んで来た。
その上、大東組に追われた河内の山高組の代貸・猪叉大八(山城新伍)をカポネ団が逃がしてしまい、詫びに行った峰が刺された。
神坂らは、大暴れして、峰を連れ戻しはしたものの、入院費を払ったりで、スッテンテン。
山高組に世話になろうと大阪を後にした。
ところが、辿りついた山高組は、組長・山高今朝吉(上田吉二郎)が、チャチなストリップ小屋一軒を持っていたが、全く、景気は悪い。
そこで、神坂らは、町で、小百合(小林千枝)ら三人の若い娘を見つけて来て、やっと大入りの盛況となった。
一方、関東挺身会々長・川島精之助(須賀不二男)は、万博目当ての大スーパーを作ろうと画策、山高組の小屋を立退かせるよう、大東組に命じていた。
山高組への大東組のいやがらせは激しさを増し、神坂は、立退き料を受取って、小屋を壊わし、隣の土地で大劇場の新築にかかった。
慌てた大東組は、今朝吉を殺し、単身で殴り込んだ峰も殺した。
その上、工事現場に、ダイナマイトを仕掛けられ、バイキング(長沢純)、小百合らが死んだ。
怒った神坂らは、祭太鼓の中、挺身会を待伏せ、川島の車は炎上、崖下に転落した。
コメント:
シリーズ第5作。
万博前の大阪を舞台にした作品だ。
これまでの硬派のイメージが少し変化している。
関西ストリップがメインということもあり、少しお下劣な感じはする。
菅原文太がいないので、ちょっと映画の感じが柔らかすぎる感じがする。
日活から出演の葉山良二が活躍している。
ラスト関西挺身会とのバトルで生き残るのは梅宮と谷隼人。
谷は5作目にして初めての生き残りである。
梅宮たちのグループは大阪に遠征。
しかし、金がなくて腹は減るは宿はないはで大変。
まむしドリンクを売って稼ごうとするが、誰に断って商売してると地元の葉山に因縁をつけられる。
だが、二人は一騎打ちをして意気投合。
お座敷ストリップで儲けていると、地元の大東組が因縁をつけてくる。
バックには関西挺身会がいた。
追われていた河内出身の山城新伍に翻弄され、葉山が刺され、梅宮は大阪から河内に逃げる。
着いた先は山城のいる組のやっているストリップ小屋。
冷え冷えした小屋をなんとかしようと親分(上田)に折衝して共同経営者になる。
そして、女の子を連れてきて満員にしてしまう。
だが、そこにまたも大東組。
万博で大阪では特だしができないといいながら、スーパーで大儲けをしようとしていた。
上田の小屋を立ち退かせるのが本筋だったのだ。
そして、ストリップ小屋を邪魔し始め女の子を連れて行ってしまう。
葉山がきて自分の女(賀川雪絵)をつかわせたりするも、埒があかない。
梅宮は大東組から立ち退き料をとり、隣に新しい小屋を建て出す。
大東組は邪魔をして上田が殺され、葉山が殺され、工事現場に投げられたダイナマイトで梅宮の仲間も死ぬ。
梅宮たちは怒りの中で彼らの集まる中、バイクを飛ばし殴り込みをかける。
そして、関西挺身会の首領(須賀不二男)を殺すのだった。
生き残った梅宮と谷は新宿に帰ろうとバイクを飛ばす。
大阪テーストの不良番長である。
中田ダイマル・ラケットや京唄子と鳳啓助など大阪ならではの顔もでている。
ただ、ヒロイン的なものがないので、まあ愚連隊のストリップ対決といった感じである。
そんな中、ストリップシーンはふんだんであるが、バストトップはスパンコールでかくしている。
それなのに、特ダシというのも変な感じである。
そして、究極のキワモノは武智豊子がストリッパーをやっていることだ。
エノケンと一緒に映画に出ていた人だが、晩年でも仕事を選ばずにこんなことをやっていたのは凄い。
まさに怪優!
梅宮の配下にはこの映画から、長沢純が加わる。
なかなか若い。
ちょうど、全日本歌謡選手権の司会をやる少し前だ。
あとは、鈴木やすしと山城新伍が映画の色を作っている。
梅宮も一緒になって女装してストリップに加わるシーンはなかなか見るに堪えない。
だが、この映画はそういう映画なのだ。
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