グレゴリー・ペックの映画 「白昼の決闘」 奔放な女を巡る兄弟の骨肉の争いを描く異色西部劇! | 人生・嵐も晴れもあり!

人生・嵐も晴れもあり!

人生はドラマ!
映画、音楽、文学、歴史、毎日の暮らしなどさまざまな分野についての情報やコメントをアップしています。

「白昼の決闘」

(原題: Duel In The Sun

 

 

映画『白昼の決闘』の動画| 【初月無料】動画配信サービスのビデオマーケット

 

 

「白昼の決闘」 全編(映画)

 

1946年12月31日米国公開。

1951年9月18日日本公開。

女を巡る兄弟の骨肉の争いを描く異色西部劇。

配給収入:11,300,000米ドル。

 

脚本:デビッド・O・セルズニック 、 オリヴァー・H・P・ギャレット

監督:キング・ヴィダー

出演者:

ジェニファー・ジョーンズ 、 グレゴリー・ペック 、 ジョセフ・コットン 、 ライオネル・バリモア 、 リリアン・ギッシュ 、 ハーバート・マーシャル 、 ウォルター・ヒューストン 、 チャールズ・ビックフォード 、 ハリー・ケリー 、 ジョーン・テッツェル

 

 

あらすじ:

奔放な女性・パール(ジェニファー・ジョーンズ)は、両親を亡くしたことで父親の旧知の女性ローラ(リリアン・ギッシュ)の元へ預けられる。

ローラの夫・マキャンレス(ライオネル・バリモア)は保守的な性格をしており、インディアンの血を引くパールを異端視していた。

一方、マキャンレスの2人の息子・ジェシー(ジョセフ・コットン)とルート(グレゴリー・ペック)は共にパールに関心を持ち、ルートはパールの体を奪う。 

マキャンレスは鉄道会社との間に軋轢を抱えており、鉄道会社の肩を持ったジェシーを勘当する。

ルートは父親の後継者としての優れた一面を見せ、パールの心を支配し始めるが、婚約は拒否。

神経を苛立たせたパールは年輩の男・サム(チャールズ・ビックフォード)との関係を深め、婚約まで漕ぎ付ける。

だが、これに納得いかないルートによってサムは殺される。

夜陰に紛れてパールと再会したルートは、メキシコへ逃亡する旨を伝えるが、パールを連れて行くことは再び拒否。

前々から病気がちだったローラは心労のため死去し、その頃都会で名士としての扱いを受けていたジェシーはパールを自分の元へ置こうとする。

ジェシーの婚約者は彼の態度に疑問を持ち、パールに自分と一緒に暮らさないかと提案。

ルートはジェシーの考えを許さず銃撃して重傷を負わせる。

ルートの呼び出しを受けたパールはルートを撃ち、パールもルートに撃たれる。

息を引き取る寸前ルートはパールを本当に愛していたと言い、パールもそれを認めて満足しながら死ぬ。

 

 

コメント:

 

1880年、南北戦争後のテキサス国境の街が舞台。
大牧場主マカレンス(ライオネル・バリモア)のもとに引き取られたネイティヴ・アメリカンとの混血娘パール(ジェニファー・ジョーンズ)をめぐる、兄弟の愛憎を中心に、鉄道利権をめぐる牧場主と資本家の対立が描かれる。
その兄弟は好対照。

兄ジェシー(ジョセフ・コットン)は理性的な紳士だが、弟のルート(グレゴリー・ペック)は粗野な荒くれ男。
そしてジェシーは法律家として成功するが、ルートは殺人者としてお尋ね者となり、なれの果ては血をわけた兄にも銃を向けることとなる。

 

題名から考えて華々しい撃ち合いのある西部劇かと思ったら、1人の女性(ジェニファー・ジョーンズ)を巡る兄と弟の対立と、鉄道の開通を巡って反対する立場の父親とそれに賛成する長男の対立が絡んだ家庭内の愛憎劇だ。

ヒロインであるパールは兄に惹かれている反面、弟を人間のクズ呼ばわりして憎んでいるにもかかわらず繰返し彼に抱かれるのが不可解としか言いようのない女性で、ラストも大悲劇のシーンとなる。

メロドラマ感あふれる西部劇だった。

 

 

日本語のタイトルは「白昼の決闘」で、原題は「Duel in the Sun」。

この意味は、日本語タイトルそのままだ。

「太陽の下での決闘、対決」である。

内容は、「血を分けた兄弟の女の争奪戦」だが。

 

『エデンの東』にも似ているような、男の兄弟の間で繰り返される憎悪のシーンが続く。

一人の奔放な女を取り合い、最後は弟が女と殺し合いをして二人とも命を絶つ。

あり得ないことではないが、西部劇の舞台でそれが演じられているところがユニークだ。

 

 

善良な役どころが多い印象のグレゴリー・ペックが、めずらしくヒールな悪役を熱演している。

当時30歳だったペックは、こんなキャラクターも似合うようになり、演技の幅が広がってきていたのだ。

イケメンで優しい面影であるだけ、残忍性が光る。

 

ジェニファー・ジョーンズという女性の魅力たっぷりの女優が演じる、パールという男を引き付けるコケティッシュな女が凄まじい。

この女優は、本作での存在感ある情念の女の演技が評価されて、アカデミー主演女優賞にノミネートされた。

本作後も、『慕情』や『タワーリング・インフェルノ』など多数の映画に出演した名女優だ。

 

当時としては破格の600万ドルの製作費だという。

2500人に亘るキャスト、6000有余のエキストラ、2000頭に及ぶ牛馬の大群、そして、それらが駆け巡るアリゾナの大平原を捉えたカメラワークは見事というほかない。

 

この映画は、今なら全編YouTubeで無料視聴可能。

ただし、日本語無し。

英語の字幕があるので、英語の勉強には使える。

 

この映画は、TSUTAYAでレンタルも購入も可能: