「はだしのゲン」
1976年1月24日公開。
中沢啓治の原爆の被爆体験を元にした漫画の映画化。
原作:中沢啓治
脚本・監督:山田典吾
キャスト:
- 父・大吉:三國連太郎
- 母・君江:左幸子
- ゲン(元):佐藤健太
- 弟・進次:石松宏和
- 姉・美子(英子):岩原千寿子
- 長兄・浩二:小松陽太郎
- 次兄・昭三(昭):箕島雪弥
- 町内会長(鮫島伝次郎):曾我廼家一二三
- 町内会長夫人:松井康子
- 朴さん:島田順司
- 岸先生:坂本新兵
- 大里先生:大関優子
- 広瀬先生:梅津栄
- 沼田先生:大泉滉
- 堀川(ガラス屋主人):牧伸二
- 堀川の妻:堀井永子
- 大西:陶隆司
- 校長:野々浩介
- 特高:草薙幸二郎、江角英明
- 屋敷の主人:吉田義夫
あらすじ:
昭和20年4月、太平洋戦争も終わりの頃の広島。
国民学校2年の中岡ゲン(佐藤健太)は、今がわんぱく盛りの男の子。
ゲンの父・大吉(三國連太郎)は、日頃から戦争に批判的だったが、ある日、町内会の竹やり訓練の時「この戦争は間違ってる」と言ったために“非国民”とののしられ、特高警察に逮捕されて拷問を受けた。
そのため大吉の家族に、米を売ってくれなくなり、“非国民の子”として、長男の浩二(小松陽太郎)、姉の英子(岩原千寿子)、ゲン、進次(石松宏和)も周囲からいじめられるようになった。
しかし家族は、警察の拷問にも屈せず自説を曲げずに帰った父を暖かく迎えるのだった。
そんな彼らを朝鮮人の朴(島田順司)は、大吉を正しいとして何かと一家の力になるのだった。
しかし、浩二は“非国民”の重みをはね返すために予科練に志願、両親の反対を押し切って海軍航空隊に身を投じていった。
そして8月6日、午前8時。
ゲンはいつものように快晴の空の下を学校に急いでいたが、突然、B29が上空に現われたかと思うと強烈な白い閃光が走り、続いて巨大なキノコ状の雲が広がった。
丁度、学校の塀の陰にいたゲンは運よく助かったが、町は猛火と黒煙の中で波うつように崩れさり、その姿を一変させていた。
焼けただれた町の中を夢中で家に駈け戻ったゲンの見たものは、家の下敷きになった父の大吉、英子、進次の姿だった。
そして余りのショックで母の君江(左幸子)は、突然、陣痛に襲われゲンの助けで出産した。
8月15日、ガラス屋の堀川(牧伸二)は、全身にガラスの破片を刺して苦しみながら死んだ妻の遺体を焼いた。
その遺体に手をあわせる君江とゲン。
その廃虚となった町の上を、敗戦を告げる天皇の放送が流れた。
「天皇陛下様、戦争を止めさせる力がおありなら、どうして戦争を始めるのを止めて下さらなかったのですか!」
母の君江は必死に叫ぶのだった。
コメント:
中沢啓治氏原作の同名アニメの実写版。
このアニメには、若い頃に読んだ少年ジャンプで出会った人が多いという。
ゲンのたくましさに感動を覚えつつも、戦争というものに対して本当に憤りを感じる。
もう二度とあんな悲惨な戦争を起こして欲しくないし、原爆は二度と使用させてはならない。
だが、ここ数年、何だか戦争の足音が聞こえ始めているような気がする。
何とかして止めなくては。
ゲンの父を演じている三國連太郎が若い。
母を演じる左幸子の熱演が心に焼き付いた。
戦争末期の広島、平和主義者ゆえ非国民といわれている画家とその家族の物語。広島に原爆が投下され終戦となるまでのお話。
完全な反戦映画。
終戦前後の描写なので今観ても色褪せた感じはしない。
原作となった漫画のひとこま:
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