「カジノ」
(原題:Casino)
1996年4月20日日本公開。
マフィアの支配下にあった1970年代のラスベガスを描いたヒット作。
1996年 第53回ゴールデングローブ女優賞受賞(シャロン・ストーン)。
興行収入:$116,112,375。
脚本:
ニコラス・ピレッジ
マーティン・スコセッシ
監督:マーティン・スコセッシ
出演者:
ロバート・デ・ニーロ
シャロン・ストーン
ジョー・ペシ
ジェームズ・ウッズ
パスクェイル・カジャーノ
フランク・ヴィンセント
ケヴィン・ポラック
あらすじ:
ラス・ベガス。
サム・“エース”・ロススティーン(ロバート・デ・ニーロ)は天才的な賭博の才能を買われて、カジノのマネージャーとなり、辣腕を発揮して成功した。
美しい女ハスラーのジンジャー(シャロン・ストーン)を見初めて結婚し、豪奢な生活を始めて栄華の日々を送る。
だが、年来の相棒、ニッキー・サントロ(ジョー・ペシ)が、ヴェガスに本拠地を移したことで事態は急変した。
背景には、カジノに流れこむ大量の売上金を巧妙な手口で不法取得し、組織の資金源とする中西部のマフィアの存在があった。
カジノの表向きの経営者、フィリップ・グリーン(ケヴィン・ポラック)も実際はマフィアの傀儡だったのだ。
サムの不安をよそに、血の気が多いニッキーは、ボスたちの目が届かないことをいいことに弟のドミニクと押し込み強盗など暴挙の限りを尽くし、警察とFBIにマークされる。
マフィアであるニッキーとのつながりを新聞に書き立てられた彼は怒り、これがもとでニッキーとの仲も悪くなる。
不法所得のカネが減ってきたことを憂慮したマフィアのボス、レモ・ガッジ(パスクェイル・カジャーノ)らは配下をヴェガスの目付け役に送り込むが、これが裏目に。
FBIは彼の店に盗聴器を仕掛け、そこでの会話がマフィアとカジノのつながりの決定的証拠となったのだ。
ニッキーはもちろん、サムも終日FBIの監視下におかれ、もはや組織の崩壊は時間の問題に。
さらに、ジンジャーが元恋人の小悪党レスター(ジェームズ・ウッズ)とよりを戻し、さらにはずみで何とニッキーと浮気をはじめるという最悪の事態に。
ジンジャーは麻薬と酒に溺れ、徐々に自制を失い、やがてニッキーにも愛想をつかされて、家を飛び出す。
そして夫婦の信頼の証にと、サムが彼女と共同名義で開いた貸し金庫のカネを持ち出すが、待ち受けていたFBIに検挙される。
これを機に、マフィアと関係者の一斉逮捕がはじまる。
ジンジャーは町の不良たちに暴行され、危険なドラッグを打たれたあげく、のたれ死んだ。
前後して、マフィアのボスたちはカネの運び屋などの口封じを行なった。
サムはある朝、愛車のキャデラックに乗り込んだところ、突如爆発が……だが奇跡的に彼は命拾いした。
雲隠れしたニッキーは、組織に呼び出されて、指定場所のトウモロコシ畑の真ん中に赴く。
しかし、相棒のフランク(フランク・ヴィンセント)らの手にかかり、弟ともども金属バットで全身をメッタ打ちにされ、生きたまま埋められた。……80年代初期。
巨大企業がカジノを買収、ヴェガスは賭博の町からファミリー向けのレジャーランドへと化した。
サムはプロの賭博師に戻った。
コメント:
監督マーティン・スコセッシ、主演ロバート・デ・ニーロのタッグによる犯罪映画。
デニーロ扮する天才賭博師を通じて、まだマフィアの支配下にあった1970年代から80年代のラスベガスを描いている。
ニコラス・ピレッジのノンフィクション『カジノ』を原作とし、大部分が実話に基づいている。
本作と同じくスコセッシ監督、デ・ニーロ及びペシ出演、ピレッジ原作で映画化された1990年作『グッドフェローズ』の成功を受けて製作されたヒット作。
やはりデニーロにはマフィア絡みのこんな映画がぴったりだ。
シャロン・ストーンの色香と見事な悪事振りが光る。
シャロン・ストーンは凄い美人だが、美人なだけでハリウッドでやっている訳ではないところを発揮している。
ラスベガスのカジノを舞台に展開する裏社会の人間模様。
裏社会で問題になるのは、結局は男女問題と金の問題だと言わざるを得ない。
ロバート・デ・ニーロの怪演は控え目だが、ニッキー役のジョー・ペシのキレたら何をしでかすか分からない怖さが凄い。
悪党の彼らが、それぞれに迎える悲惨な結末は何だか哀れに感じる。
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