浅丘ルリ子の映画 渡り鳥シリーズ 第7作「大海原を行く渡り鳥」 藤村有弘が活躍! | 人生・嵐も晴れもあり!

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「大海原を行く渡り鳥」 

 

 

大海原を行く渡り鳥 予告編 

 

1961年4月29日公開。

渡り鳥シリーズ第7作。

 

脚本:山崎巌

監督:斎藤武市

出演者: 

小林旭 、 浅丘ルリ子 、 白木万理 、 楠侑子 、 白木マリ 、 郷えい治 、 青山恭二 、 木浦佑三 、 待田京介 、 河上信夫 、 黒田剛 、芦田伸介 、垂水悟郎 、藤村有弘 

 

 

あらすじ:

雲仙高原を馬に揺られながら行くのは、ギターを抱えた渡り鳥の滝伸次(小林旭)だ。

伸次の眼下を行く観光馬車が覆面をした三人組に襲われた。

伸次は得意のムチで三人を追いはらった。

馬車の乗客は、大洋貿易の社長磯部(芦田伸介)と雲仙観光の経営者信夫(青山恭二)の妹・由紀(浅丘ルリ子)、それに長崎にいる父親を訪ねてきた三木みどりという少女だった。

由紀の持っていた観光事業資金一千万円が強奪されていた。

みどりの父親三木(垂水悟郎)が、佐世保のキャバレー“バタフライ”のボスであることを知った伸次は、みどりを連れ佐世保に行った。

だが、三木は知らぬとみどりをつっぱねた。

伸次は地下の賭場におりた。外国人・ツブテの竜(藤村有弘)のカードはイカサマだった。

伸次は側で見ている三木の乾分・哲(郷えい治)をしめあげた。

馬車強盗の一人だったのだ。

哲は平和運輸から頼まれたと口をすべらした。

伸次は長崎の平和運輸に乗りこみ、金は無事に由紀に戻った。

伸次が帰った後、三木のところに磯部が現われた。

磯部は「哲を殺せ、馬車強盗の証拠をなくすんだ」と命令した。

さらに三木の後姿を見ながら、竜に「三木を殺せ」と命令した。

だが、竜はあんな三ン下を殺したら名前にかかわるとはねつけた。

その夜、伸次の許へ外国人なまりの電話があり、第三岸壁に行けば面白いものが見られると言った。

駈けつけた時は三木も哲も殺されていた。

磯部は、雲仙観光の事務員に、竜が惚れている踊子リエ(白木マリ)を応募させた。

信夫はリエの美しさにひかれた。

伸次は磯部の手が雲仙観光にのびると察し、鉱石運送員として由紀の許で働くことにした。

リエが運搬の路を知らせ、磯部一味が邪魔をするという計画が何度も続いた。

ゲルマニューム鉱を満載した馬車が雲仙高原を行く。

磯部一味の馬が取り囲んだ。

大乱闘の末、逃げる磯部を、伸次は追った。

磯部は由紀に拳銃をつきつけた。

竜のツブテが磯部を倒した。

長崎の祭の日、三木とみどり、由紀は楽しそうに踊っている。

貨物船の甲板で、伸次の後に立った竜が言うのだった。

「おたがいに渡り鳥だせ」。      

 

 

コメント:

 

本作は、長崎、佐世保、雲仙が舞台。

定番の宍戸錠に変わって、藤村有弘が怪しげな外国人で登場。

独特の中国なまりの日本語も笑える。

浅丘ルリ子が彼のことを三国人と言っているのが今となっては時代を感じる。

彼がボスである芦田伸介から殺しを命じられる都度、理屈をつけて拒否するのが可笑しい。

 

藤村有弘の怪演で楽しい作品。

トルコ帽のツブテの竜という国籍不明の人物を演じる。
藤村の手裏剣を旭がギターでかわすと、「ワタシのツブテをかわしたの、あなたが初めて。ワタシ敵にまわすとコワイよ」と。

「あの人、パカヤロね」とか、ギターをつま弾いて、「これ、あなたより巧く弾けない」とか。

「赤い~夕陽よ~」と歌いながら立ち去る。
極めつけは、「お窓の九官鳥が言いました。女の怨み、忘れないよ」 などと、中国人風の台詞で笑わせる。

 

このシリーズを観る楽しみのひとつが白木マリのダンスシーン。

大体この時代のアクション映画でキャバレーシーンがあれば彼女が踊っている。

今回ももちろん踊っているが、それだけでなくスパイとして色仕掛けでホテルの経営者(青山恭二)を罠におとしいれたり、滝(旭)に迫ったりと結構目立っている。

 

 

 

今回から宍戸錠の弟の郷鍈治(当時は、郷えい治)が登場する。

宍戸錠の代わりという訳ではなく、新たな配役で出演している。

郷鍈治は強面の容貌からヤクザ・凶悪犯・殺し屋などの悪役が多かったが、後に歌手・ちあきなおみと結婚した。

55歳で肺がんの為死去した。

常に個性的な演技を貫く良い役者だった。

 

ヒロインの浅丘ルリ子は、今回も旭と結ばれることなく、別れることに。

このシリーズも、あと1作となった。

名残惜しい限りではあるが、別れが本シリーズでの定番となっているので、仕方がない。

しかし、この「渡り鳥シリーズ」を通してずっとヒロインを続ける事で、浅丘ルリ子の知名度は日活女優の中でトップになり、彼女自身の演技力も格段に上達した。

今後彼女は、さらに成長するのである。

 

 

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