浅丘ルリ子の映画 渡り鳥シリーズ 最終作 「渡り鳥北へ帰る」 函館を舞台にした渡り鳥の活躍! | 人生・嵐も晴れもあり!

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「渡り鳥北へ帰る」

 

 

渡り鳥北へ帰る

 

北帰行 by 小林旭

 

渡り鳥シリーズ第8作。

函館を舞台にした渡り鳥の最後の活躍を描く。

 

 

脚本:山崎巌

監督:斎藤武市

出演者:

小林旭 、 浅丘ルリ子 、 青山恭二 、 白木マリ 、 郷えい治 、 田代みどり 、佐々木孝丸 、 内田良平 、 深江章喜 、 小園蓉子 、 近藤宏、二本柳寛 

 

 

あらすじ:

ギターと親友浩一の遺骨を抱えた渡り鳥の滝伸次(小林旭)が、函館に着いた。

浩一の故郷がこの港町なのだ。

二人は東京のナイトクラブの楽団員だったが、麻薬中毒の浩一が何者かに殺されたのである。

浩一の実家である岡野造船所を訪ねた伸次に、父の治五郎(佐々木孝丸)が剣もホロロだったのは、造船所の経営が思わしくないからだ。

妹の由美(浅丘ルリ子)だけは伸次に好意をもち、兄は幸江(小園蓉子)という女と結婚していると告げた。

伸次はキャバレー・ロキシーに出かけて幸江を指名したが、ボスの黒川(内田良平)はその伸次をただの流れ者ではないと見破った。

事実、伸次が探しているのは浩一を殺した男だ。

右手にサポータをはめた政としか判っていない。

翌日、函館に着いたとき自動車事故でケガをした良太坊やを病院に見舞った伸次は、その母が幸江と知って驚いた。

そのころ、黒川のもとに漢栄昌の使いと称するハジキの政(郷えい治)が流れ着いた。

黒川は五百万円の抵当に岡野造船所を乗っとり、倉庫に改造して大儲けしようと企んでいた。

漁業会社に勤める由美は銀行からの帰途、会社の金八十万円を黒川一味に強奪された。

会社では由美と父・治五郎が仕組んだ狂言で、造船所の資金に流用したものと思い込んだ。

これを知った伸次はロキシーに乗り込み、犯人のシゲ(深江章喜)から八十万円を取り返してやった。

ある日、幸江が紫班病で入院、手術代を稼ぐため、伸次は夜の酒場でギターを流すうち、幸江は死んだ。

その後、伸次はハジキの政と山頂で対決した。

「待て、おれはハジキの政じゃない」と政が叫んだとたん、シゲの銃口が火を吐き、二人は谷底に転落した。

漢栄昌の秘書が本物の政だと知った黒川の仕業であった。

ロキシーで取り引きを済ませた漢栄昌(二本柳寛)と黒川を伸次が襲うが、黒川の子分山岸は伸次の背後から拳銃を向けた。

本物のハジキの政(近藤宏)の指が引き金にかかった瞬間、その拳銃はすッ飛んだ。

いつきたのか、--ニセの政--実は麻楽取締官・立野が立っていた。

数日後、函館港を出た連絡船の甲板から、伸次は町の灯を見やっていた。

由美への慕情を胸に秘めて--。

 

 

コメント:

 

シリーズ第8作にして、最終作。

小林旭が、第1作の「ギターを持った渡り鳥」から滝伸次を演じて、3年半。

これが旭にとっては、俳優として日本全国にしっかりイメージを定着させた貴重なシリーズとなった。

この後「渡り鳥故郷へ帰る」という番外編が公開されているが、主役名は別の名前であり、ヒロインも笹森玲子に代わっている。

 

この作品では、「北帰行」など旭の歌が4曲楽しめる。
酒場で「さすらい」を弾き語るシーンは感涙もの。
哀愁のある旭の歌声もこのシリーズの思い出となった。

本作に、ジョーも藤村有弘も出ていないのが寂しいが。

 

 

浅丘ルリ子は、この作品での熱演が光る。

そして、例によって今回も大好きな滝伸次への恋は実らず仕舞いとなる。

また、旭との共演は本作でいったん終わり、今後は石原裕次郎との共演が中心となる。

ルリ子にとっても、日活の女優たちの中でしっかり存在感を示せた記念すべきシリーズだったと言えるだろう。

 

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