三陸鉄道   在来線の旅3日目、4日目 がんばれ三鉄 | 私の回想録 

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レミニセンス - 回想録。
過去の記憶を呼び返しながら、
備忘録として残したい。
記事が長いが何とぞご容赦ください。

 

ローカル線の旅 3日目 三陸海岸ー1   天気 晴れ

令和元年7月3日、朝からいい天気である。出かける前は梅雨だからずっと雨かと思っていたが、今のところ雨に降られていない。
気仙沼パールシティホテルの朝食バイキングはシンプルながら中々レベルが高かった。


ホテルから気仙沼駅  大船渡線の鉄道はここまで

 

 

ローカル線の旅、3日目。昨日は一ノ関から大船渡線で気仙沼に入ってきた。この間の鉄道は震災翌月には復旧したということである。

これからは三陸の旅である。

大船渡線BRT  気仙沼ー奇跡の1本松―陸前高田ー大船渡ー盛

震災の津波によりJR大船渡線は、気仙沼から先、大船渡までの線路は壊滅的な打撃を受けた。JR東日本は、鉄道を復旧する代わり、BRT (Bus Rapid Transit)という、専用バスを専用道路に主として走らせ、定時運行させるシステムを採用した。ハイブリット・ノンステップバスで、グッドデザイン賞を受賞したこともあるそうだ。BRT採用は当然ながら復旧後の採算を考えての決断があったと思われる。実際、我々が乗ったBRTは空いていた。



 

気仙沼を出たBRTは、陸前高田に向かう。海沿いは今も防潮堤を作る工事が行われていて、道を走る車はダンプカーがほとんどである。辺りの建物は少なく、整地は進んでいるが住んでいる家はほとんどない。

 


奇跡の1本松のバス亭で一時下車。すこし距離があるが、奇跡の1本松まで歩いて行く。
本物は既に塩害で枯れてしまい、ここにあるのはレプリカである。枯れる前に子孫が残るよう枝葉が採取されたと聞いている。

 

ふたたびバス停に戻り、次のBRTで陸前高田に向かう。路線の周りは資本系の飲食店がまばらにある程度で、高台には病院、学校、そして新しいマンションが数棟建っている。既に住んでいるのかは確認できなかった。BRTは病院、学校を回って碁石海岸方面に向かう。

 

 

そして細浦、下船渡、大船渡そして終点、盛(さかり)となる。そして盛は三陸鉄道の南リアス線の始発駅である。
何とか中華料理店を見つけ、昼食を取ることができた。
さあてこれからは三陸鉄道リアス線の旅になる。JRパスは適用外であるが、三鉄は頑張っているし、我々観光客は貴重な資金源であるから、少しでも売上に協力したい。天気はまだ持っている

三陸鉄道 旧南リアス線  盛 ― 釜石 51分 1,080円
   
以前、盛―釜石間は三陸鉄道南リアス線であったが、今年3月の旧JR山田線釜石―宮古間が三陸鉄道に営業移管されてからの営業開始により、盛ー久慈間は1本につながり、三陸鉄道リアス線となった。




この部分、ほとんどがトンネルなのだが、各駅に着くと美しい三陸海岸が見える。一方防潮堤で海岸が見えない駅もある。2両編成のローカル列車の座席には十分余裕がある。


 

三陸鉄道 旧JR山田線  釜石 - 宮古 1時間25分 1,520円

この区間は、沿線住民、関連市町村、JR東日本、そして三陸鉄道との間で大変な議論と検討と決断による一大復旧事業の結果、今年2019年3月に南リアス線と北リアス線をつなぐ、第3の三陸鉄道リアス線として8年ぶりに復活した。



このJR山田線が通っていた沿岸区間は、震災、津波で壊滅的な損害を受けた。

 


 

この路線が通っていた市区町村は以下の4市町である。、
釜石市--- 市内の小中学生三千人が、ほぼ100%避難できた奇跡、
     一方避難場所に指定されていない地区防災センターに避難して
     しまった160人あまりが津波の犠牲になった
大槌町--- 観光船が流され建物の上に乗ってしまった映像が衝撃的だった
山田町--- 陸中山田駅、織笠駅は津波で流出、焼失した
宮古市--- 三陸を代表する市、震災での中心部の被害は抑えられたが、沿岸集落は壊滅的な被害を受けた



 

JR東日本は、2度にわたりBRTによる復旧を提案したが、沿線住民、沿線市町はそれを拒否した。
線路と駅が無くなれば、地図から消え、その地区は衰退することは明らかであるからである。線路は必須であるという結論である。

それを受けてJR東日本は思い切った提案を返してきた。JR山田線、釜石―宮古間を三陸鉄道に無償移管し、さらにJR東日本は、30億円を支援する。そして車輛を提供する。老朽化した木の枕木はコンクリートに全て交換するというものである。
そして歴史的合意がされ、2014年に三陸鉄道への移管が発表された。JR山田線、釜石―宮古間は震災から4年、ようやく第三セクター三陸鉄道リアス線の新線として復旧工事が開始されることになった。

 

2019年4月に営業開始したこの路線は、朝は中高生で混み合い、昼は多くの観光客が訪れ、各種観光専用車両も運行されている。

泣けてくるような感動的な話である。

 



 釜石駅  宮古行

 

釜石の工場

 

当日の車内  この区間混んでいた

 

 車窓から

 


観光用特別車両


今宵の宿は、陸中宮古 国民休暇村。

ローカル線の旅4日目  三陸海岸―2   天気 雨後曇り

残念。とうとう雨に降られてしまった。朝から結構な量の雨が降っている。
しかし午後にはやみそうだ。

本来の予定はホテルの送迎バスで、浄土ヶ浜によってもらい。1時間ほど過ごして駅に路線バスで駅に向かう予定であったが、雨も強いし、浄土ヶ浜は昔行ったことがあるので、そのまま駅まで送ってもらった。

三陸鉄道 旧北リアス線  宮古―久慈 1時間51分 1,850円

あまちゃんの舞台である。朝ドラでは北鉄と呼ばれた三陸鉄道北リアス線。



この路線、結構長く、第三セクターとしては最長ということである。
雨は弱くなったが、曇り空で窓に水滴が付き、車内からはきれいに写真が撮れなかったのは残念であった。



   車内座席、乗客は海側に座り、山側はガラガラだ。

 

途中高い橋の上でサービスで一時停止してくれるところがある。
堀内―白井海岸と
陸中野田―野田玉川の橋上2か所である。
堀内はあまちゃんのばっば、海女さん達が暮らし、漁業組合のあった袖ヶ浜だ。



 

久慈駅に到着。朝ドラでは北三陸駅だった。三陸鉄道の駅舎とJR 八戸線の駅舎は並んでいる。
あまちゃんで使われた懐かしい駅舎。観光協会が入っていた駅前デパートの建物もまだあった。
雨はほぼ止んだ。

 



 

昼食は駅から3分ほどの喫茶店モカ。そう、ここはあまちゃん、喫茶リアスのモデルだ。おすすめの、ナポリタンとたまごサンドとコーヒーのセットを注文した。それぞれ美味しい!店内には能年玲奈、小泉今日子をはじめ、あまちゃんの関係者達の写真が飾られている。




 

  食べかけの写真になってしまった。

 

** 2019年の10月、三陸鉄道リアス線は台風19号により、再び甚大な被害を被った。

  しかし目出度く、令和2年3月20日、全線復旧となった。

 

 

JR八戸線 久慈―本八戸 1時間41分


  JR八戸線  空いていた


今回のローカル線の旅の北限は青森県八戸とした。
久慈から八戸へはそのほとんどを太平洋岸に沿って走る景観の良い路線だ。八戸線も震災で被害を受けたが、段階的に復旧され、翌年の3月、およそ1年で全線開通となった。



八戸は、その手前の本八戸駅の南側に三日町、六日町、八日町といった繁華街があるが、それでも駅から少し遠い。
このエリアにある安価なスーパーホテルにチェックインし、夕方から八食センター、みろく横丁へ繰り出して、海の幸を堪能することにする。

まず"八食センター"にタクシーで向かった。
ちょっと勘違いしていたのだが、ここは市場なので行った時にはほとんどの店が終了していた。市場で買った海鮮品を焼いて楽しめる七厘村も終わってしまっていた。それでも予定していた回転ずしの八食市場寿司はまだまだ営業している。八戸では食べたいものを決めていた。
まずバクライ。ホヤを"このわた"で和えたものだ。"このわた"はナマコの内臓、珍味である。日本酒に非常にあう。
そして八戸の地魚。ソイ、いわし、さば、ヒラメ、イカなどを握り寿司でいただいた。ソイは関東でいう黒メジナの大きいもの。
そして〆に、"いちご煮"。変わった名前だが、うにとアワビの潮汁で、この地方の名物である。土産にも買っていく予定だ。何故"いちご煮"と呼ばれるのは、ウニの内臓の一部がイチゴのように赤いからということだ。

 

  〆の"いちご煮"

それから、20軒ほどの屋台が並ぶ"みろく横丁"に行く。古い屋台ではなく、固定式できれいな造りのカウンターだけの店が並んでいて、小綺麗な女将、若い女の子が目線で客を誘っている。一通り眺めてから、一旦ホテルに帰り、おすすめホテルマップで候補を選んでおき、再び2軒目の店を探す。

六日町周辺を回っていると大衆酒場、"金魚"が目につき、そのまま入った。壁にかかったおすすめメニューの値段は非常に安いと思った。ホヤの刺身を頼むと、入り口にあった水槽からホヤを1個網で取り出し、さばいてくれた。今回の旅行の目的の一つに、ホヤを食べれるようなることがあった。私はホヤのみゃーという感じの臭みが苦手で、以来避けて通ってきた。出てきたホヤはあのガラモンのような不気味な姿造り。しかし食べてみると全く臭みがなく、コリっとした食感で非常に旨い。先に八食センターで食べたバクライに続き、新鮮であればホヤは臭くないことがわかった。

八戸の地酒、陸奥八仙とよく合う。

 


そして〆に、これまた名物のせんべい汁を頼んだ。割った南部煎餅を入れた鍋で、ポータブルコンロで提供された。煎餅はせんべい汁専用のものを使い、煎餅は麺のようにやわらかい食感になるまでよく煮込んだほうがいいと思う。




 

明日は、盛岡、仙台に向かう。

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