イエローストーン国立公園 2015年 Up! ー進撃のバイソンー | 私の回想録 

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レミニセンス - 回想録。
過去の記憶を呼び返しながら、
備忘録として残したい。
記事が長いが何とぞご容赦ください。

イエローストーン国立公園はアメリカ合衆国に住んだ者にとって、行っておかねばならない名所であり、最大の目標であると考えていた。イエローストーン国立公園はワイオミング州にあり、ロサンゼルスからは遠い。しかし長く休みは取れないという中で、ついに2015年8月に週末を含めた3日間という短いスケジュールでイエローストーン国立公園とその周辺の要所を回った。

早朝の飛行機で、ロサンゼルス(LAX)空港からユタ州のソルトレイクシティ(SLC)空港に飛ぶ。キャリアーは好みのSouthwest Airlines 。ソルトレイク空港で予約済みのレンタカーを借りる。この空港のレンタカーは空港内に隣接していて、シャトルバスを使うことなく迅速に手続きができる。今回提供された車はフォードエスケープ。1.6Lにターボチャージャーがついた小型SUVである。アメリカのレンタカー(特にエンタープライズ)は予約時のクラスと出てくる車のクラスが違うので毎回何がでてくるか楽しみである。動物との衝突に適用される保険も特別につける。

さて出発。空港を出て、フリーウェイI-15 を北上、しばらく走るとユタ州からアイダホ州に入る。さらにひたすら北上するとアイダホフォールズの町。ここからI-15 を離れ、ルート20で北東に向かう。モンタナ州に入るとまもなく宿泊先のウエストイエローストーンの町に到着。空港から5時間、330マイル(530km)の距離を一気に走った。

ここはモンタナ州とワイオミング州の境に位置する。アイダホもモンタナも北はカナダと国境を接する州である。イエローストーン国立公園は、ほぼ全域がワイオミング州の北部に位置する。

 

 

宿はトラベラーズロッジ。古い安モーテルであるが、普通のホテルにはあまりない、Queenサイズの3ベッドが置かれた広い部屋があった。十分にして満足のいく部屋である。ここに家族3人連泊してイエローストーン公園を回る。それは明日からとして、ホテル近くのグリズリー・ウルフディスカバリーセンターで、飼い慣らされた沢山の灰色熊と絶滅から復活された狼を見学した。

そして今晩は、ホテルから1ブロック隣の3ベアレストランで、バイソンのステーキを食べることになった。念のためバイソンステーキは1人前としたが、案の定ビーフと比べると堅かった。生きたバイソンをまだ見てなかったので、到着した晩に食べておいて正解であったと思う。

イエローストーン国立公園は、1872年に世界で初めての国立公園と認定された。

公園内には様々な間欠泉や温泉などが存在する、広大で平坦な火山カルデラ地帯である。園内には野生のグリズリー(灰色熊)、ヘラジカ(ムース)、オオカミ、バイソン(アメリカバッファロー)、エルク(アメリカ赤鹿)などが多数生息している。

 

イエローストーンは北アメリカ大陸最大の火山地帯で過去60万年から70万年の周期で噴火を起こしている。前回は64万年前で、恐ろしいことにその前回の噴火から現在は既にその周期に達しているということである。噴火が起こればそれは地球破壊的規模で、放出される溶岩はメキシコ湾に達し、噴出する噴煙で天空が覆われ、地球は10度気温が下がり、10年間は氷河期が続く。半径千キロ以内に住む人の90%は噴出ガスで死亡すると言われている。

イエローストーンの語源はインディアンがこの地域の黄色い石から呼んでいたものであるが、この石は硫黄ではなく、鉄分が温泉成分で黄色く変色したものである。

 

   

公園内は八の字型に主要道路が走っていて北のループをアッパーループ、南のループがロワーループと呼ばれている。

さらに公園内は間欠泉地域のガイザーカントリー、段々の泉のマンモスカントリー、タワールーズベルトと呼ばれるルーズベルトカントリー、渓谷地域のキャニオンカントリー、湖エリアのレークカントリーと大きく5つに見どころが分かれている。

 

2日目早朝からいよいよ公園内に入る。まずとっかかりはガイザーカントリーのNorris Geyser Basin(ノリスガイザー盆地)。地面からもうもうと水蒸気があちこちから吹き上がっている。木道を周回する。

次に北に向かいマンモスホットスプリングス。広大な白い石灰岩の段々畑のような温泉を想像していたが、テラス状の温泉は湯量も少なく、そのエリアも小さかったので、ちょっとがっかりであった。

 

 

キャニオンカントリーに入り、大きな滝を見学する。

 

さらに南に向かうループ道路は草原地帯に入り、バイソンが点在すると思ったら、そのうち道路にたくさん現れた。ぶつからないように徐行していく。

 

 

 

進撃のバイソン

森林地帯に入ると、バイソンは車道を埋め尽くすような頭数になり、車の真横をさっさと走り抜けていく。バイソンが行進する間、車は完全徐行である。森林レンジャーと思われる車が特異な音を発生させて、バイソンを車道から森林の中に誘導している。

 動画 進撃のバイソン タッチorクリック

 

間欠泉

ループは湖の北側を通り、北西に上がっていく。ガイザーカントリーに入り、最大の間欠泉のOld Faithful(オールドフェイスフル)に到着する。車を降りて、間欠泉に向かう。小さく噴き出している泉の周りは木枠で囲われ、大勢の見物人が大量に噴き出されるのを待っている。あと15分で噴き出すとのアナウンスが流れている。定刻、間欠泉は高く温泉を吹き上げた。その高さは50メートル近いのではないかと思われた。 動画-オールドフェイスフル  タッチorクリック

 

 

美しいプール

Old Faithful の周辺は、観光写真でよく見かけるカラフルな温泉の池(プール)が点在している。転々と周遊する。

大きい池から小さい池まで色も形も様々である。サファイアプールとか、エメラルドプールとか、モーニンググローリープールといった名前の池ががある。

 

もっとも大きな池はプリズム状の Grand Prismatic Spring と名付けられた直径110mを超える大きなプールで、これを囲う木道からはそのカラフルな色はよくわからない。正面の小高い丘に登ればこの大きなプールの全景を見ることができるが、相当回り道をして歩かねばならない。

ガイザーカントリーの回り切れなかった間欠泉やプールは明日の午前中に行くことにし、暗くならないうちに宿に戻る。スーパーでモンタナ州のワインを買い、その隣のビザ屋で、Whole ピザをTO GO (テイクアウト)して、モーテルの部屋で夕食を楽しんだ。

 

最終日、夕方遅くのフライトであるが、午前11時にはループの南端から公園をでてワイオミング州の191号線をひたすら南下し、ソルトレークに戻らなくてはならない。朝一で見逃していたプール、間欠泉を巡り、南出口のイエローストーン湖に立ち寄る。

 

 

そしてグランド・ティトン国立公園方面に向かう。ここは車で通過するだけであるが、雄大な山脈を右手に臨む。

 

やがて飛行場、スキー場のある美しい町 Jackson Hole、更に南に行くとこちらもスキー場があって、建物、街並みが美しいJacksonで昼食(チキンサンドイッチ)を買った。

ワイオミング州を縦断する191号線は、ここからはひたすら田園風景が続く。

ようやくリンカーンハイウェイと呼ばれるフリーウェイI-80に合流し、西のソルトレイクシティに向かう。途中、車から見ることはできないが、Kimball オリンピックパークの南は広大なスキー場が広がっている。

 

最後までアクシデントもなく、空港でレンタカーを返却。3日間の走行距離は約1,000マイル(1,600km)。今回の友フォードエスケープは力不足もなく、まあまあの燃費で走り切った。

 

3日間の余裕のないスケジュールでイエローストーンを回るのは出来ないことではなかった。しかしもう1日あれば、より奥深く探索できた。毎回旅行を終えると後悔することであるが、日本に帰国してしまうと、もう来れる所ではないのだから、今後は気持ちにゆとりと思い切りを持って旅を計画していこうと思う。(が、現在既に日本に帰国してしまった。)