Japan Rail Pass -2 ~2016年 ジャパンレールパスの旅~ | 私の回想録 

私の回想録 

レミニセンス - 回想録。
過去の記憶を呼び返しながら、
備忘録として残したい。
記事が長いが何とぞご容赦ください。

 

2度目のジャパンレールパスの旅は、グリーン車利用パスにはしないで、特に早く予約することもなく、直前に行先、宿泊先を決める行き当たりばったりの気楽な旅をした。

それは開通して間もない北海道新幹線はやぶさを使って、例年より早い雪の北海道に青森、秋田そして紅葉の京都までつけた欲張りな旅となった。宿は"じゃらん"で値段と内容、評価をみて直前に予約した。グレードが高くても北海道の宿は比較的安く、どこもお得で満足のいく宿であった。

 

初日 東京-(北海道新幹線はやぶさ)- 函館北斗 -(函館ライナー)- 函館 -(JR特急スーパー北斗)- 大沼公園    

宿  函館大沼プリンスホテル 

 

東京から新函館北斗までは862km 北海道新幹線はやぶさで4時間ちょっとの乗車時間である。新青森まではこれまでの東北新幹線、以降新函館北斗までが北海道新幹線として延線になった。将来的には札幌を経由して旭川まで延長される計画である。

新たに開通した新青森、新函館北斗間は青函トンネルを通る海峡線を利用している。ここはこれまで在来旅客列車が走っていたが、臨時列車を除き、新幹線のみが運行されることになった。JR貨物列車は引き続き同じ線路を使用している。狭軌の在来線と広軌の新幹線の両方が走行できるよう、広軌用のレールが外側に1本増設された3線軌条となっている。宇都宮-盛岡間を最高時速320km で快走する新幹線はやぶさであるがこの在来線との共用区間の最高速は140km に制限される。そのため新青森―新函館北斗間は1時間を少し超える所要時間となる。

 

  函館ライナー

 

新函館北斗と函館駅は函館ライナーで結ばれている。北海道第三の都市である函館も季節外れの駅前は閑散としている。目星をつけていた寿司屋は休みであったので、函館朝市で昼食を取る。外は風が強く、雪交じりであるので食後の散策はあきらめ、今日の宿の函館大沼プリンスホテルへ函館駅から特急スーパー北斗に乗り、大沼公園で下車しタクシーで向かう。このホテルは西武グループのプリンスホテルであるので、高級感があり、部屋も浴場も広くくつろげた。値段は朝食付きで1人6千円と安かった。入浴後、中国人、韓国人のツアー客が次々とバスで到着してきた。ここも東洋系外国人に占領された。

 

二日目 大沼公園-(JR特急スーパー北斗)-長万部(おしゃまんべ)-(函館本線)-倶知安(くっちゃん)

 宿 湯元ニセコプリンスホテルひらふ亭

 

函館大沼プリンスホテルの朝食バイキングは充実していた。旨いものが何でもあったような感じがした。また中国人ツアー客とは一緒にならないように配慮されていたのがありがたかった。彼らは早い時間に出発したようだ。

しかし今回特に残念だったのは、雪のため駒ヶ岳が隠れてしまって、ホテルの部屋、露天風呂、朝食ルーム、車窓のいずれからも全景を眺めることができなかった。

 夏の美しい駒ヶ岳

 

今日はニセコに向かう。ホテルの送迎車で大沼高原駅に行き、特急スーパー北斗で先ず長万部に向かう。ここで函館本線のローカル線に乗り換えニセコの玄関口の倶知安に向かう。長万部ではいったん改札を出て、"かなや食堂"で名物のカニめしを食べる。"かなや"は駅弁屋としての古い歴史がある。昔は毛ガニを使っていたそうだが、今はズワイガニを主に使っているらしい。

 

 

This train is bound for Kucchan.   This train is bound for Kucchan, ~~

長万部駅に出発待ちの、1両しかない倶知安行のローカル車両の中でしつこいくらい英語のアナウンスが流れている。ここから倶知安までは、1時間40分、9駅のローカル線の旅である。雪が結構降っていて車窓からは全くの雪景色だ。途中の駅ではほとんど乗降客がなく、無人駅ではないかと思われる。季節外れではあるせいか乗客も多くない。将来北海道新幹線は、長万部―倶知安-小樽を通って札幌に行く延線計画であるが、乗客はいるのか、採算は大丈夫なのかと大いに心配になる。

倶知安に着く。その手前にニセコ駅、比羅夫駅があるが、利用者は少ない。タクシーで宿に向かう。運転手さん、興味深い話をしてくれた。

「スキーシーズンになるとニセコは外人に占領されるって本当ですか?」

「そだねー、東洋人、白人の両方、まるで外国だね。白人はオーストラリアからのスキー客が長期滞在してるね。」

「白人はすごく大量に、信じられないくらい酒を飲む。そして酔っぱらって普通の恰好で外を長い距離歩くんだよね。」

「だからシーズンに何人もの遭難者がでて、行き倒れて死人がでることもある。雪に埋まったら雪解けまで発見できないこともある。」

「本当ですか!!」

「捜索にかり出されるから、こちらはいい迷惑だね。」

今はまだスキー場はオープンしていないが、あたりは真っ白ですでに冬景色である。真冬になれば大雪、極寒になるに違いない。日本まで来て何とも気の毒な話である。

今宵の宿は、湯元ニセコプリンスホテルひらふ亭。西武グループ系ではない。

部屋からスキー場がよく見え、宿から直接コースに出れる。だがまだ滑走はできない。そして降雪の天候のため羊蹄山も見えない。あー老いる前に一度はニセコで滑ってみたいと思う。

ホテルの窓から比羅夫スキー場

 

倶知安名物 豪雪うどん

男爵イモ95%

 

 

 

三日目 倶知安-(函館本線)-小樽-(JR快速エアポート)-札幌

 宿 リッチモンドホテル 札幌

 

朝もスキー場が見えるかけ流し露天風呂でしっかり覚醒し今日のスケジュールに備える。今日は倶知安から小樽へ向かう。函館本線は倶知安から余市までは山の中、余市から小樽は海岸線を走る。

 

"まっさん"で有名な余市のニッカウィスキー工場にも寄りたかったが、そのまま小樽に向かった。

余市、小樽間は結構乗客が乗っていた。そしてこの日は比較的天気が良かった。まず昼飯はということで、小樽は寿司が有名だから、回転ずしでもレベルが高いと思い、小樽運河に"函太郎"というグルメ回転ずしと称する店があったのでそこへ入る。結構おいしかったが、後で知ったことであるが、函太郎というだけあって本店は函館、店舗は全国展開されていて、東京にも支店がある回転ずしチェーンであった。しかし場所は小樽運河沿いで最高のロケーション、食後はそのまま運河沿いを歩く。思わず都はるみの小樽運河を口ずさむ。

 

小樽から札幌までは千歳空港行の快速エアポートに乗る。大都市札幌は雪もない。

札幌の宿は、ロイヤルホストグループのリッチモンドホテル。大通公園、すすきのに近い。

夜の札幌、大都会、大通公園はライトアップされている。まばゆいネオンのすすきの繁華街。

たれが焼けるにおいに誘われ、今晩は古い感じではあるが健全そうな焼き鳥店にてお父さんは熱燗で一杯やらせていただく。

 

 

四日目 札幌-(JR特急スーパー北斗)-函館 - 湯の川温泉

 宿 湯の川温泉 旅館一乃松

 

ホテル近くで評価の高い、"らーめんサッポロ赤星"で早めの昼をとる。札幌に来たらやはりラーメンは外せない。

 

 

札幌駅から特急スーパー北斗で再び函館に戻る。3時間半の長い電車旅である。苫小牧、登別そしてふたたび長万部を経由する結構な乗車距離である。

今宵の宿は函館近くの湯の川温泉旅館一乃松。昨晩札幌でオンライン予約した宿である。口コミ評価が非常に高く、さらに2食付きでの高級旅館としての宿代が1万5千円程度と安かった。玄関から廊下も全面清潔感のある畳張りで、あえてスリッパは提供されない。

 

夕食は毛ガニやウニなどが付いた豪華な部屋食。朝食も部屋食であり、お給仕していただく仲居さんのサービスも大変良かった。浴場も広く、ヒノキの露天風呂もあった。玄関の脇の池にはたくさんの錦鯉が泳ぐ、まさしく高級旅館であった。

 

五日目 湯の川温泉ー函館―函館北斗-(北海道新幹線)-新青森―(JR特急つがる)-秋田

 宿 ドーミーイン秋田

 

思いつきで、秋田に回ろうということになり、湯の川温泉に泊まっている間に、秋田の宿を予約した。函館北斗から新青森まで新幹線はやぶさに乗り、新青森から秋田までは特急つがるで向かう。

 

つがるは思いのほか混んでいたが、指定席は確保した。弘前から先は空席もできた。秋田駅に到着したらなまはげの出迎えを受けた。記念写真を撮る。

 

宿は最近話題のドーミーイン。中通温泉小町の湯という副題がある天然温泉ホテルである。駅から歩いて5分ほどの距離。部屋はそれほど広くはないが、ベッドが1つある洋室と和室が並び、そしてマッサージチェアが真ん中にどんとある奇妙な造りの部屋であった。大浴場は最上階にあり。それに続く屋上には露天風呂も完備されている。

夕食は付いていないので、近くの居酒屋を探す。名物のきりたんぽ鍋、卵を抱えたハタハタ、漬物のいぶりがっこを注文。しかしその他は何を食べたか、覚えていない。宿に帰ると夜食のラーメンがサービスで提供されていたのでしっかり食べておく。

 

 

六日目 秋田-(秋田新幹線こまち)-東京-(東海道新幹線)-

京都 

 宿 京都の安宿

 

さて秋田から東京へは、新幹線こまちで約4時間、秋田新幹線乗車は初めてである。

 

東京駅に到着。明日は出勤の予定であったので、本来はここで今回の旅は終了する予定であったが、もう1日レールパスの有効期間が残っているので、ファミリー女子2名は、さらに紅葉の京都へ向かった。

京都到着後、彼女たちは紅葉で有名な東福寺、

伏見稲荷を回ったようだ。

 

 

 

最終日七日目 京都-(東海道新幹線)-新横浜

 

この日は最後に、嵐山、天龍寺、嵯峨野を回り、ひかりで帰り、今回の旅の完了となった。

 

 

 

 

 

今回のコースは途中に観光を挟むことが少なく、ひたすら列車を乗り継いだ結果であり、昼もほとんどが駅弁である。もしこのルートの通常運賃を普通に払えば、10万円を軽く超える。ジャパンレールパスは日本円換算で3万円以下であったので、海外からの旅行者に与える利点は非常に大きい。各地の観光地にどっと集まる外人たちは上手にレールパスを利用しているのだろう。  

しかしこのパスにより、一般乗客の利用に影響がでるようではよろしくない。またレールパスは自動改札が使えず、駅員のいる有人改札を通るので、言葉が通じず、一般乗客まで巻き込んで渋滞して、駅員などJR関係者にもこのパスは評判がよろしくないようだ。今後の外国人利用者の増加、オリンピックを控え、このパスが継続されるよう、上手な運用を考えていく必要がありそうだ。