数え切れないほど、ふたりは生まれ変わりを繰り返した。
ひとつの木の上で何度となく、たくさんの木の上で何度となく、
他の生命と共にふたりは生まれ変わり、お互いを確認し合った。
いつしかふたりにとって、別れは別れではなくなっていた。
お互いの想い合う気持ちがあれば、
ひとりであっても、ひとりと感じることはなかった。
お互いの信じ合う気持ちがあれば、
たとえ目には見えなくても、ふたりはひとつだと感じ合うことができた。
別れを惜しむ気持ちは、再会を喜ぶ気持ちに変わっていた。
そして再会を繰り返すことで、
お互いの繋がりが確かなものであることを、ふたりは確認し合っていった。
やがてふたりは、〝 ふたつの種 〟に生まれ変わることを選んだ。
しかしそれは、
ふたりが今までに経験したような、短い別れではなかった。
ふたりがまた出会うには、いくつの時を要するかもわからない、
それは遥かに長い別れだった。
でもだからこそ、お互いを信じずにはいられなかった。
〝 どんな困難があっても、あなたと会える時を信じるわ 〟
〝 いくつの時を経ても、きみと会う時を信じよう 〟
ふたりは強く強くお互いを信じ合い、再会の時を誓い合った・・・
遥か昔に〝 ひとつの種 〟だったものたちは、
今度は別々の〝 ふたつの種 〟となり、
世界のどこかに生れ落ちた。
いつ訪れるかもわからない時を、静かに信じ合いながら・・・
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