蒼龍の棲む洞穴 -18ページ目

おなじ話 / ハンバート ハンバート




おなじ話/ハンバート ハンバート

どこにいるの? 窓のそばにいるよ
何をしてるの? 何にもしてないよ
そばにおいでよ 今行くから待って
話をしよう     いいよ、まず君から

どこにいるの? 君のそばにいるよ
何を見てるの? 君のこと見てるよ
どこへ行くの? どこへも行かないよ
……        ずっとそばにいるよ

それから 僕も君を見つめ
それから いつもおなじ話

どこにいるの? となりの部屋にいるよ
何をしてるの? 手紙を書いてるの
そばにおいでよ でももう行かなくちゃ
話をしよう      ……

それから 君は僕を見つめ
それから 泣きながらわらった

さようなら ゆうべ夢を見たよ
さようなら いつもおなじ話

さようなら



これ歌詞見ながら聴くと、面白い歌ですね。意味深なんだよな。この前載っけたライブ動画(エントリはコチラ)のコメント欄見ると、こんな解釈もあるみたい。

utawarerumono15
この歌を『別れの歌だ』と一言で表す人が多いけど、僕は何百回聴 いてもそうは思えない。別れの歌にしては会話が優しすぎる気がするんだよね。別れなら、 「ずっとそばにいるよ」なんて言わないだろうし、最後の「さようなら~」のくだりも、単純に別れっていう雰囲気じゃない。なんか ただならぬ雰囲気がある......。かといって恋人同士の会話にも聴こえない。途中でどちらかが黙る箇所も不自然すぎる。

不謹慎なことを言うようだけど、どうも、どちらかが亡くなっていて、その幽霊とでも喋っているようにさえ見える。



このコメントしている人は情感の豊かな人だよね。このコメント見たときにどきっとした。曲調として、僕はこの解釈が綺麗だと思う。

男は亡くした恋人に語りかける。返事のないことは分かっている。女は、男の傍で答えてる。男の寂しさに答えてあげたくて。死という現実はふたりを分けてしまったけれど、受け入れるには辛くて、返事のないやりとりを続ける男。男が問いかけるままに、恋人は答えている。男は恋人を支えにして、悲しみに耐えている。楽しかった日々は消えない。ずっとこのままでいたかった。でも現実に向きあう日は訪れないといけない。女にはそれが分かっていた。女が静かに去った後も、語りかける男。その晩、男は恋人の夢を見る。女は精一杯に笑って、そっと別れを告げる。「さようなら」


全くもって泣ける歌だね。手紙を書いているのは女が名残惜しんでる、そんな美しい比喩だと思います。まぁ解釈なんて人それぞれです。男が恋人を亡くしたのか、女が恋人を亡くしたのか、どちらとも取れる歌詞ですし、ただの別れの歌にもとれます。

正直なことを言えば、歌詞を忠実に読めばこれはただの別れの歌である可能性の方が高いです。前段を仲の良かった頃の会話、後段を気持ちの離れてしまった頃と読むのが一番しっくりきます。無理がないよね。でもさ、僕はutawarerumono15の繊細な感性を尊重します。どの読み方をしても一抹の違和感が残る歌詞なのであれば、僕は一番美しい解釈を選びたい。そしてどんな読み方をしたとしても、この歌に漂うため息がでそうなほどに鮮やかな情緒は、少しも薄れるものではないと思う。



佐野遊穂ソロ。とても共感する歌詞。チクリと刺すよね。



カントリーっぽくもありアイリッシュっぽくもあり、フォークっぽくもある楽しげな歌。



みんなの歌みたいなほっこりした曲。



なんかTokioの宙船みたいな歌だね。なんとなく。



アイリッシュっぽさが良いよ。



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ちなみに。
ヨーロッパからアメリカに亡命した中年の大学教授である文学者ハンバート・ハンバートは、少年時代の死別した恋人アナベル・リーがいつまでも忘れられない。そのアナベルの面影を見出したあどけない12歳の少女のドロレス・ヘイズに一目惚れをし、彼女に近づくために下心からその母親である未亡人と結婚する。

ハンバートハンバートは夫婦らしいね。うらやましい関係だなぁ。




関連:生活の柄 - 高田渡  
    ハンバートハンバート。おなじ話。こんな話。  

日光なんてキライだ

蒼龍の棲む洞穴

 ここ数日太陽が元気過ぎる。月曜に友人が遊びに来たんで、外食やなんやで外に出たら翌日肌に発疹ができた。腕が特にひどい。まだ痒い。しかもなんだか体がダルい。ふだん外出しなさすぎということでしょうか。太陽が落ち着いてくれるまで、外には出ないようにしよう。

日焼けするとその日の夜頭痛など
日焼けをすると、特に手の甲から腕にかけて発疹が

ふと思いついた拷問

バター責め

労働のあと、腹を減らした状態で食わされるのがバター一箱。毎日。とりあえず太る。精神的にくる。



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観たぜ、アリエッティ



 観ましたよ、アリエッティ。これから感想を(ネタバレしない範囲で)書くんですが、その前にひとつ大切なことを。宮崎駿監督作品じゃないです、この映画。知ってました?監督は米林宏昌とかいう人です。誰だ、おまえ。CMに一切書いてなかったぞ、そんなこと。ジブリで「~の~」ときたらふつう宮崎作品と思うだろうが…。開始10秒で観る気を失いそうになりました。(企画・脚本に名前があるけど、別に脚本家がついてますしね…)

ゲド戦記が吾郎のせいでこけたから、敢えてCMで書かなかったんじゃないの?とか邪推してしまう。ポンポコとか海がきこえるとかなら、絵が違うし世界観も違うからなんとなく分かる。でもアリエッティは絵もストーリーも駿っぽいから気付かないよ。なんだか釈然としませんね。

前置きが長くなるんですが、感想書く前に自分のことも書いとこう。僕がジブリで一番好きなのはハウル。そん次は豚です。あとは宅急便とか海とか。ラピュタとかもののけ姫はあんまり好きじゃない、ひねくれ者です。その上で読んで頂ければよいかと。



『借り暮らしのアリエッティ』は、宮崎作品じゃないという前提にたてば悪くない、と思います。絵もキャラクターもジブリっぽいし、ストーリーも分かりやすい。小人の苦悩と、人間との交流ってテーマも良い。個人的にアリエッティのデザインは今までのジブリ作品の中で最もかわいいと思う。

ただし。あちこちのサイトのレビューで酷評されていることから分かるように、この作品にはいくつか欠点があります。
  ①主題歌がジブリっぽくない
  ②声優が微妙(ハウルと較べても、そして特に大竹しのぶ)
  ③会話が少なく淡々と進む
  ④キャラがクールで感情表現が薄い
  ⑤山場がない

正直これだけならまだまだ観れるレベルなんです。一番耐えられなかったのが、
  ⑥脚本がヒドイ
ってことです。会話になってないシーンがあったり、言葉遣いが変だったり、急に今までと違う人物のように話しだしたり。ストーリー的なことを言えば、強引に展開した挙句に「え、そこで終わんの?」ってところで終わりますし。(時間が短いからでしょうか?)

人間関係が薄い(ディズニー臭い)、あんまり子供向けじゃない(シビアな世界観)、使用人が不愉快、肩透かし…。結局誰も幸せにならないし、謎は残ったままです。重要ではない論理的な矛盾も加えると、結構不満があります。総じて粗い、甘い印象が残ったかな…。話、キャラクター、世界観はとても面白いのに、それをうまく表現しきれてないと感じました。

作品としての軸、というか伝えたいことがブレてることも要因の一つだと思います。なんとなくは分かるけれど、訴えかけるほどじゃない。メッセージをもっと強く打ち出せば、細部に捉われず楽しんで観れたんじゃないか。あんなに登場人物が笑わないジブリというのも珍しい、というのも無関係じゃない気がしています。



…とまぁ色々書いてきましたけど、結局、観る人次第でしょうね。世界観的には宮崎作品の正統を引き継いでいるので、楽しめる人は楽しめるみたいです。一緒に行った友人は「モヤモヤは残るけれど面白かった」と言っておりました。あとは頻りに惜しい、惜しいと。宮崎駿と較べるからイマイチ微妙なのであって、これを単体で見れば充分に楽しめるのだと思う。

そうそう。今回のヒロイン、アリエッティについてなんですが、豚とかもののけとかハウルのヒロインとは違い、結構クールです。物足りないなぁと僕は思ったんですが、ナウシカとかラピュタ・宅急便好きな人ならむしろ良いかもしれません。初期作品に近い女の子だったと思います。

あとは…宮崎駿じゃないんで、飯を美味そうに食ったり、大口開けて笑うようなシーンはないですね。当然と言えば当然ですが。駿さんがこれを皮切りに引退するという噂もあるらしいんですが、作画の本気度・「の」付きタイトルから言ってもポスト宮崎は米崎宏昌なんですかね。


最後にオブラートを噛み破っとこう。もし次も彼が監督をするのであれば、僕はもう二度とジブリを映画館で観ないです。この映画の良いところはジブリらしさ、世界観の面白さ、なんですがそれは宮崎駿のおかげだったんじゃないかな。宮崎映画は脚本も全部本人がやってますもんね。構想だけ練って新監督に渡した気がします。

☆☆
お薦めはしません




掲示板の住人が呟いてたやつ。確かにこっちの方が面白そうかも



床下の小人たち―小人の冒険シリーズ〈1〉 (岩波少年文庫)/メアリー ノートン

原作です

アセロラ



いい歌をみつけました。「おなじ話」 ハンバートハンバート。最近の歌はとんと響かなくなっていたものだから、自分の感性が鈍ってんじゃないかと不安になってたけど、まだ大丈夫らしいよ。嫋々と鳴るギター、混ざり物のない綺麗なふたりの声。哀しい歌。いい歌じゃないか。

最近寂しい雰囲気(で良い)曲ってあんまり聞かない気がする。装飾の多い、うるさい曲とか、ごちゃごちゃしたした曲とか、感情過多で鼻につく歌とか、歌詞が抽象的だとかこどもっぽいのとか、どこかで聞いたことあるような曲とか多いかもね。

それはそれは良いんだけどさ、たまに静かに聴けるようなそんな曲があって良いよね。あーいい曲だ。ちなみに女性ボーカルの佐野遊穂はアセロラの歌うたってる人らしいです。



↓こっちの方が好きです、僕は。仲里依紗&光浦靖子を除いた「珍しいキノコ舞踊団」が踊ってるやつ。



このCM観た時、ちょっと嫌な気分になるよね。観てるこっちがなぜか恥ずかしくなるという…。仲里依紗が振り付けのコミカルさの割に美人過ぎるのが原因なのか、そもそも女性が変な動きするから抵抗感があるのか。でも見ているとなんだか心地良い。

個人的な感想なんだけど、なんかこの振り付けってすごく女性らしい。おしとやかに振舞ったりとか華奢とか可憐さとかをかなぐり捨てて、女性の力強さが表現されている踊りだと思ったけど、綺麗に見せよう、可愛くみせようっていう雑味をなくした結果、同じ強さでも男とは違う、なんとも優しい強さが見えてくる。そこには女性らしさが上澄みのように浮き上っていないかい。

あぁ分析ってつまらねぇな。なんだか妙に感動したんだよ、俺は。それだけよ。


《後日こんなんも書いてるんで良ければ見てください》
おなじ話 / ハンバート ハンバート