四天王最強に挑む | 童話作家になればよかった

童話作家になればよかった

子供を連れて行った自然観察会に自らがハマり、
散歩ついでに始めた「自然観察写真」の紹介を中心に、
日頃感じたよしなし事を、きままに書きます。

四天王の最強が三沢光晴か小橋建太か

はたまた私に好きだった川田利明か田上明かは扠置き。

今回挑むのは、山梨百名山中最難関の呼び声高い

鶏冠山(とさかやま)である。

これを制すれば78座目…まだまだ道程は遠いが、

年齢からすると体力は落ちることこそあれ、上がることはないから、

キツいシンドい山からやっつけておかないとね。

6:30西沢渓谷駐車場をスタート。身支度に少し手間取っちゃった。

遊歩道から見えるはヤグルマソウだろうか。

そこへミソサザイ。カメラ取り出すも、何時かと同じ軌道不良。

絶好のシャッターチャンスを逃がす。昨夜チェックしたのになぁ。先が思いやられる。

ギンリョウソウ見付けて撮っていたら、身軽なハイカーさんが追い越して行った。

タオルお尻まで垂らしちゃって、何かに引っ掛かったら危ないなぁ。

手ぶらで頭にタオル巻いただけの、アンちゃんも来た。

何処まで行くのか知らんが、水ぐらい持たなくて大丈夫かねぇ。

吊り橋から鶏冠山を望む。彼処に行くのね…チビリそうになる。

さぁ此処からは遊歩道でなく登山道。

まず最初の難関は渡渉。

河原に降りて…え〜と何処を渡ればいいのかな。

そこへミソサザイ、今度は逃さへんでぇ〜。

やった。じゃあ行ってきます。無事帰ってきて、また会えたらいいね。

今回渡渉するにあたって、靴ごとヒザ下までスッポリ覆えるビニール製のカバーを購入。

どうでしょうか、滑らないかな。

サバザバ…冷た。あっさり破けて浸水。悲しい。

まぁコケるよりましか。

ここから急登が始まる。ストック仕舞って(結果早かったが)手袋付ける。

今日は始めからヘルメットだ。

シャクナゲの花は終わっていて、他に花は見当たらないので、ペースが上がる。

ギンリョウソウが登山道の脇に。チョイと汚れてるが、

片方何故か上を向いてる。

快調なペースでスタートから3時間。そろそろ最初のロープ場に出るはずだが…

ここで事前に迷いやすいポイントと警戒した場所で、ピンクテープを見失い、

まんまと間違えてしまった。真上にエイヤッて登ればよかったんだが、暗い谷間へ。

引き返したいんだけど、引き返したら滑落確実だ。

安全そうな斜面を横移動して、明るい方向へ…人の声がする。

ロープ場の上に出ちゃったが…助かった。

声の主は本格的な装備をしたクライマーカップル(死語か)。

甲武信ヶ岳まで行くのかと尋ねたら

「鶏冠山から木賊山・甲武信を越えて、埼玉最高峰の三宝山まで行く」と言う。

とてもとても付いていけないと、お先にどうぞと見送ったら、アッと云う間に見えなくなった。

こちらは10時にやっと第一岩峰のコルに辿り着いた。

さっきまでは平均タイムを上回るペースだったんだが…

ヨシッと気合注入して歩き出し、ふと登山道から少し外れた斜面を見上げたら…

コイワカガミ(イワカガミかも)がコッチを見てた。周りの花は全て散ってるのに。

この一輪は僕の為に咲いてくれたんだと想って良いかな。

元気をもらったのも束の間、路は険しくなるばかり。

ん…この灯台躑躅みたいなのは何だ。

ムラサキツリガネツツジ…ウラジロヨウラク…ドッチだ。

やっと尾根の上に出て眺望が開けました。

彼処から登って来たのね。俺、結構凄いかも。

うおぅ富士山が僅かに覗いてる。

手前右は黒金山かな。乾徳山は見えないのか。

ルリビタキの声がしているが…探す余裕も時間もない。

足元にミヤマイワニガナ(クモマニガナか)咲いているが、

流石に近づけないし、屈むことすら出来ない。無理して転げ落ちるとアホなのでズーム。

そして遂に鎖登場。ここは第ニ岩峰のピーク手前とのこと。第一は何処だったんだろ。

調べるとココが第一岩峰って言ってる人もいる。

取り付く前に国師ヶ岳に向かって深呼吸。

なんとか登りきった。でも、どうやって下りるの。気力体力残っているのか。

で、上に出たら。

え〜とコレは…帰って調べたらハコネコメツツジのようだ。

さぁ第ニ岩峰の先に第三岩峰が見えますよ。

お〜〜さっきのアベック(死語か)が取り付いている。

俺にゃ〜無理だな。てか、始めから迂回するつもりですけど。

ミヤマイワニガナが岩にへばり付いている。

さっき無理しなくてよかった。

ここから第ニ岩峰を越えていくのだが、余裕が全くなくなった。チビリそうである。

今迄にない緊張感。闘志を燃やさないと滑落してしまう。アドレナリン出さなきゃ。

頭をフル回転して手足を確保する場所を計算する。

野生に戻れッ本能剥き出しだ。

第ニ岩峰から第三手前に下りるのも一苦労。

え〜〜〜〜〜〜ここ登り返すの…そして下りは更に怖いな。

オッ。シャクナゲ咲き残っていた。

これで少し元気をチャージ。

第三岩峰に出た。スゲ〜としか言葉が出ない。

死にたくないので迂回しま〜す。

ところがどうして、迂回路も直降下。怖ッ…そして帰りが不安。

でも、コイワカガミに励まされて何とか、第三岩峰の上に。

一応、山梨百名山踏破を目指してる身としては、アレ撮らないとね。

よし、78座目の証だ。

第三岩峰の突端に立ってみる。真下にミヤマイワニガナが…

目眩がしそう。

富士山が雲間に浮かんでいる。

では、本当の頂上2,115mへ向かいますか。

シャクナゲや、

コイワカガミに応援してもらって…でも、意外と遠いな。

おぉっと…これキソチドリか…な。

もう少しだ、コイワカガミの花、増えてきた。

花が無ければ、もっと速く登れただろうが、花が無ければ登っていない。

で、お昼過ぎちゃったけど頂上着到。どれが甲武信だっけ。

(正面が木賊山、左奥の尖ったのが甲武信ヶ岳だそうです。)

御飯を食べて12:40に帰路につきます。

雲が厚くて薄暗いから早めに下山したい。

でも、カンカン照りよりよかった。スタミナ消耗しないですんだ。

前回の小川山の教訓を活かして右膝にサポーターを装着。

今日は痛くなったら遭難だよ。

下りは出来るだけ時間ロスしたくない。

が…やはり花を見付けると…

撮っちゃうんだよね。

第三岩峰への分岐まで戻ってきたら、登山者が一人下りてきた。

「甲武信から来たんですか?」と言うから「いえ本当の頂上からです」と答えると、

「そんなのが在るんですか?」と怪訝な顔。

よくよく見れば半袖にネットのベスト。腕から血が流れてるよ。

「第三岩峰は登りだしたけど途中で止めた」と…メットもせずに。無謀だ。

バスの時間に間に合わないから、ここから引き返すと言うので、一緒に下ることに。

ところが、第三岩峰迂回路の急登を直ぐ下に付いて登ってくる。

危ないなぁ。落石や俺が滑落したらどうするのか。

第三岩峰の下で一休みして先に行ってもらう。

この先カメラバックを抱えて岩場を下りるのは危険と判断して、

ザックに収納することにした。

ストックも今回用に急遽ケースを購入して使用。

これが無ければ引っかかって転倒していたかもしれない。

元々の計画では第一岩峰の下に要らないものは置いて、

アタック用の小さいザックで上がろうと思っていたくらいでもある。

第ニ岩峰に上がったら遠く物凄いスピードで岩を登る九段の彼がが見えた。どうぞ御無事で。

こちらは又またまた、花撮影で足止め。

わざわざザックを下ろして…カメラ出して…ウスギヨウラクだろうか。

大きな尖った岩を乗り越えて「ヨッコラショッ」

着地して振り返る。ありゃ……。

アンナトコロにコイワカガミ。もう…もう…仕方ないなぁ。

ここからはスマホで撮ろうと固く誓う。

で、早速…ミヤマキンバイかなツルキジムシロかな。でも、花弁の黄色潰れてるよ。

時間は掛かったが慎重過ぎるってことはない。

生きて帰るのが最優先だ。

道迷いしたロープ場を通過。もう後は普通に下るだけ。

膝も痛くならないし。

倒木に汗かいたキノコ。直ぐ下に濡れてないのがあったけど、

近寄れない。ムキタケに似てるんだけどなぁ…時期が違うもんなぁ…ツキヨタケだよなぁ。

鶏冠谷出会へ戻ってきた。

最後の最後に滑ってズブ濡れで頭打って、なんてことのないように気を抜かずに通過。

吊り橋の上から振り仰ぐ鶏冠。ありがとうございました。

彼処へ行って帰って来たんだ。自信になるけど自惚れないように精進しよう。

最後にオマケ。吊り橋の横、このホップみたいな実なーに。

クマシデらしい。結局最後までカメラに振り回されてしまいましたとさ。

撮らなきゃ速いのに、撮らずにいられない。