大和田りつ子 『わたしのビートン』(1976年) | 昭和レトロサウンド考房

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大和田りつ子 『わたしのビートン』(1976年)
作詞:大隈正秋 作編曲:川口真

テレビアニメ『ろぼっ子ビートン』(TBS系)の主題歌。
川口真(かわぐちまこと)さんは、歌謡曲の作編曲の大御所である。
私などは「川口真」というクレジットを見ると、どうしても弘田三枝子さん、金井克子さん、夏木マリさんのような、大人の色気たっぷりな作品を連想してしまうが、実はアニソンも手がけておられた。
 オープニング曲『わたしのビートン』
 エンディング曲『なぜ? なぜ? ビートン』
は、数少ない川口真作のアニソンである。

シンプルで親しみやすい曲。それでいて一定のオリジナリティーがあり、不自然な接続箇所もない。つまり「普通に良い曲」なのである。実はこういう「普通に良い」こそ作るのが難しくセンスが要求されるものだとつくづく思う。
奇抜で、とんがった要素がある曲はえてして不自然な接続、不自然な展開がみられるからだ。昔の職業作曲家は「全体を自然にまとめる」という一種の掟を忠実に守っていたように思う。
上記楽譜は、唯一マイナー調の女の子らしく、慎ましやかな口調になる部分。さりげない4小節だが、 重要な布石である。

川口真さんは御歳75歳。すでに大先生でいらっしゃるが、そんな川口真さんがさらに師と仰ぐ作曲家がいた。
特撮ヒーロー、ロボットアニメの神、渡辺宙明さんだ。
なんと!川口真さんは渡辺宙明さんの助手をされていた時期があるらしい。歌謡界での活躍も宙明さんの紹介がきっかけだったとのこと。
渡辺宙明さんは御歳87歳。
お二方とも、まだまだ第一線で活躍してほしいと、昭和ファンとして強く願う。



youtube動画 大和田りつ子『わたしのビートン』