〇トゥーパック自伝映画『オール・アイズ・オン・ミー』、2017年12月29日から日本公開 | 吉岡正晴のソウル・サーチン

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〇トゥーパック自伝映画『オール・アイズ・オン・ミー』、2017年12月29日から日本公開

 

【Tupac Biopic “All Eyez On Me” Will Be Released December 2017】

 

12月公開。

 

25歳の若さでこの世を去ったラッパー、ヒップ・ホップ・アーティスト、トゥーパック・シャクール(1971年6月16日~1996年9月13日)の自伝映画『オール・アイズ・オン・ミー』が日本でも2017年12月29日から新宿バルト9ほかで公開されることになった。

 

本作は、ベニー・ブームが監督、2017年6月16日(トゥーパックが生きていれば46歳の誕生日)に全米一般公開され、4000万ドルの予算で製作され、すでに5490万ドルの興行収入を得ている。(なお、プレミア公開が6月14日に行われた)

 

オフィシャル・サイト

http://alleyezonme.jp/

 

予告編(英語版)

https://www.youtube.com/watch?v=njnwYSybwko

 

フェイスブック

https://www.facebook.com/alleyezonme.jp/

 

ツイッター

https://twitter.com/alleyezonme_jp

 

 

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あらすじ。

 

トゥーパックが刑務所に服役中にジャーナリストが、彼にインタヴューをするところから始まる。ほぼ全編、彼の幼少時の頃からタイムラインにしたがって彼の生涯が語られる。彼の出所後はいくつかのエピソードが時系列で語られる。

 

ニューヨーク生まれ、母親がブラック・パンサー(1960年代から70年代にかけてブラックの解放闘争をしていた政治組織)の一員であったことに大きな影響を受けた。演劇を志していたトゥーパックは、同じく演劇を目指していたジェイダ・ピンケットと親しくなる。ヒップホップ・グループ、デジタル・アンダーグラウンドの一員としてラップの世界に。そしてその詩の世界は、ストリートで起きるリアルな現実を描き、あぶりだし、衝撃を与えるようになった。

 

トゥーパックはラッパーとして人気を集めると同時に映画の世界にも入っていく。

 

一方レコード・ビジネスの世界では、トラブルが生じ、トゥーパックは5発の銃弾を受け、しかし、生き延びる。その後、彼はデス・ロー・レコーズの総帥シュグ・ナイトに誘われ、同レコードの所属に。当初はレコードも売れていたが、徐々にシュグのやり方に嫌気がさしたトゥーパックはその契約から解放されたいと思うのだが、金の面でがんじがらめになっていて身動きが取れない。

 

そして、1996年9月7日、ラスヴェガスでトゥーパックはシュグ・ナイトらとマイク・タイソンの試合を観戦しにいくが…。

 

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大ヒットアルバム。

 

『オール・アイズ・オン・ミー』は、1996年2月リリースのトゥーパックのアルバム・タイトルと同じ。同アルバムからは、「ハウ・ドゥ・ユー・ウォント・イット」、「カリフォルニア・ラヴ」が大ヒット。アルバムはビルボード・ポップ・アルバム・チャートで1位を獲得。2014年に、RIAAからダイアモンド・アルバム(1000万枚以上のセールス、ちなみにゴールドは50万枚)認定になっている。

 

なお、オフィシャルの映画サウンドトラックはない。

 

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感想。

 

このタイプの映画だと、ジェームス・ブラウンの『ゲット・オン・アップ』、NWAの『ストレート・アウタ・コンプトン』、ナズの『タイム・イズ・イルマティック』などに続くもの。

 

試写を見て感じたこと、ランダムに。

 

トゥーパック役のデメトリアス・シップ・ジュニアが、とにかく雰囲気がよく似ている。

 

一体誰がトゥーパックを殺したのだろうか。いつか、これは真実が世に明かされるのだろうか。それが一番気になった。トゥーパックを殺して一番メリットがあるのは一体誰なのか。

 

『ストレート・アウタ・コンプトン』にもでてきたが、シュグ・ナイトは、しかし、怖い人物だ。

 

逆にここで描かれたビギーののんびりしたキャラクターはおもしろかった。本当にあんな感じなのだろうか。本人を知る人に聞いてみたい。

 

1990年代は、ヒップ・ホップに限らず、レコードがめちゃくちゃ売れた時代なんだなあ、ということを改めて感じた。

 

全体的にはハリウッド映画的なまとめ方になっていると思うが、例えば、シュグ対トゥーパックという点にフォーカスして一本劇場用映画か、ドキュメンタリーができてもおもしろいと思った。たぶん、この映画表現だけだと、劇的なトゥーパックの人生を表面的になぞるしかないのだろう。それは、ジェームス・ブラウンの映画でも同じだ。また、ハリウッドものだけに、フィクションの部分も多々あるようだ。

 

ジェイダ・ピンケットはすでに、この映画で描かれる自分の部分について、実際はそうではなかった、とツイッターなどで発表している。トゥーパックがジェイダのために詩を書いていたことは、トゥーパックが本を出すまでは知らなかった、だから、彼女の前で詩を朗読したことなどなかった、という。

 

途中で、メイズの「ビフォー・アイ・レット・ゴー」が割と大き目の音量で流れてきたのがよかった。『ストレート…』でもメイズはかかってたなあ。

 

シュグ・ナイトが、オフィースにやってきたトゥーパックの新作タイトルについて、その場で、「みんなオレを監視してるのかall eyes on me 」といったところ、それをアルバム・タイトルにしろ、といったセンスの良さはさすがだ。ビジネス・センスというか、金儲けのうまさというか、そうした才能を見せた一瞬だった。しかし、彼のゴッドファーザーばりの「ファミリー感覚」はすごいのだが、ちょっと怖い。

 

母親の影響が大変大きいことが、この作品を見てよくわかった。

 

映画を観終わって一番感じたのが、結局「一体誰が彼を殺したのか」ということだった。

 

 

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タイミングよく『誰がビギーとトゥーパックを撃ったのか? Who Shot Biggie & Tupac?』というドキュメンタリーが9月24日に全米で放送されたという。未見だが、おもしろそうだ。

 

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オール・アイズ・オン・ミー

2パック

マーキュリー・ミュージックエンタテインメント (1996-10-23)

https://goo.gl/mijDD3

 

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2015年09月27日(日)         

 

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