◎アル・マッケイ・オールスターズ～モーリス・ホワイトに捧げる90分

◎アル・マッケイ・オールスターズ～モーリス・ホワイトに捧げる90分

【Al McKay Tribute To Maurice White】

トリビュート。

「マサハル、今回のショーは、全体をモーリス・ホワイトに捧げてる。しかも、90分やるんだ。会場が90分やってくれって言ってきてね。普段よりちょっと長いよ」　前日ブルーノートでばったり会ったアル・マッケイがそう言った。

その翌日、アル・マッケイ＆オールスターズのライヴへ。いつもと変わらぬ、しっかりとしたタイトな演奏。なんと今回は、オープニングで「ロック・ザット」「プライド」をやり、ちょっと違いを見せた。さらに、途中で「新曲」だと言って「エヴリバディー・ゲット・アップ」というダンス曲を披露。初めて聞いた。

この新曲の後、一息置いて、アル・マッケイがマイクを持って話し始めた。大意は次のような感じだ。

「ほんの少しだけ私の前のリーダー、ミスター・モーリス・ホワイトについてお話させてください。彼はイノヴェーター（革新者）であり、ヴィジョン(先見、洞察力、構想、展望)を持った男でした。彼にはたくさんのプラン、アイデアがあり、それをいまでも実現しようとしていました。アース・ウィンド＆ファイアーは彼の『ブラック・オペラ』を作りたいという夢でした。派手な衣装、マジック、大掛かりなセットは、すべてモーリスのヴィジョンから生まれたものです。

幸運にも私は彼と一緒に曲を作るようになりました。本当になんという才能だったでしょうか。彼のメロディーは素晴らしく、そして、何より、彼は常に未来を見ていました。未来を見通せていたのです。彼はいて座でしたが、いて座は生まれつきのリーダーです。残念なことに（2016年）2月3日、彼は睡眠中に亡くなりました。静かに息を引き取ったことはよかったように思います。

モーリスが私をバンドにいれてくれて、本当に感謝しています。（拍手）　そして、もうひとり、アース・ウィンド＆ファイアーのソプラノ・サックス奏者、アンドリュー・ウォーフォークにも祈りを捧げてください。彼は今、病と闘っているのです」

アンドリュー・ウォーフォークが闘病中であることを初めて知った。

そして、ベンが弾く長いピアノのイントロから「アフター・ザ・ラヴ・ハズ・ゴーン」へ。ここはいつも、サックスのエド・ウィンとヴォーカル、ティムの強烈なファルセットが見事なバトルを繰り広げる見どころでもある。

ここから「リーズンズ」でバラードを2曲続け、その後、「イン・ザ・ストーン」から最後までノンストップ・ダンシングだ。

アル・マッケイは最近腰を悪くして、10分くらい立っているだけで痛くなるそうで、ステージでも椅子に腰をかけギターをプレイしていた。

モーリスの葬儀が2月22日にロスアンジェルスで行われたという。アルは、来日中だったために葬儀に参列できなかった。彼はその死を「アンエクスペクテッド（予期せぬこと）」と繰り返した。

アルは、1980年発表の『フェイセス』以降グループを離れ、モーリスとは違う道を歩み始めた。だが、もちろん彼がこうしてアル・マッケイ＆オールスターズとして活動できるのも、モーリスのおかげであることにまちがいない。

モーリス死後2週間少々でアル・マッケイのアース・トリビュートのライヴというのも、運命のいたずらかもしれない。

（アル・マッケイについて、続くかも）

■この後のライヴ

2016年2月26日（金）、27日（土）ビルボードライブ大阪で4ショー
http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=9790&shop=2

■アル・マッケイ・オフィシャル
http://www.almckay.com/
（英語）

■過去、アース、モーリス・ホワイト、アル・マッケイ・オールスターズ関連記事

モーリス・ホワイト氏への感謝(英語版) 【Gratitude to Mr. Maurice White】(English Version)
2016年02月09日(火)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-12126602238.html

モーリス・ホワイト氏への感謝（日本語版）
2016年02月10日(水)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-12126673989.html

速報。訃報。モーリス・ホワイト、アース・ウィンド＆ファイアー創始者、74歳で死去
2016年02月05日(金)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-12125253918.html

アース・ウィンド＆ファイアー・ライヴ～浮かび上がるモーリスの存在感
2012年06月16日(土)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11259197313.html

不変の普遍～アル・マッケイ
2011年09月17日(土)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11019266914.html

アル・マッケイ・オールスターズ～アースがもっとも輝いていた時代を再現するシャイニング・スターた
2010年12月30日(木)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10751727965.html

2009年12月30日(水)
マイケル・ジャクソン～三浦大知～アル・マッケイ・オールスターズ
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20091230.html
同記事の英語版がアル・マッケイのウェッブに掲載されています
http://www.almckay.com/reports.php?news_id=42&start=0&category_id=9&parent_id=9&arcyear=&arcmonth=

April 29, 2009
アル・マッケイ・オールスターズ・ライヴ、タイトにファンキーに灼熱の狂宴
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090429.html
同記事の英語版がアル・マッケイのウェッブに掲載されています
http://www.almckay.com/reports.php?news_id=36&start=0&category_id=9&parent_id=9&arcyear=&arcmonth=

March 21, 2008
Al McKay Allstars Live : Big Party Is Happening On The Stage
【アル・マッケイ・オールスターズ～ステージ上は大パーティー騒ぎ】
http://blog.soulsearchin.com/archives/2008_03_21.html
同記事の英語版がアル・マッケイのウェッブに掲載されています
http://www.almckay.com/reports.php?news_id=35&start=0&category_id=9&parent_id=9&arcyear=&arcmonth=

April 14, 2008
Some Times, A Piece Might Influenced Somebody
【時にひとつの文章が、誰かに影響を与えることもある】
http://blog.soulsearchin.com/archives/2008_04_14.html

◎アース・ウインド・アンド・ファイアーの名ギタリスト、アル・マッケイの挑戦　（インタヴュー記事）お勧めです
http://web.archive.org/web/20050125015753/http://www.barks.jp/feature/?id=52241463
（オリジナルのサイトから消えているので、WaybackMachine　のサイトのアーカイブを取りだしました）

◎アル・マッケイ・オールスターズ・ライナーノーツ
『ライヴ・アット・マウント・フジ・ジャズ・フェスティバル２００２』
http://www.soulsearchin.com//entertainment/music/linernotes/mccay20030723.html

2003/06/12 (Thu)
Crash Between Maurice White And Al McKay
http://www.soulsearchin.com//soul-diary/archive/200306/diary20030612.html

◎アース・ウィンド＆ファイアー『ライヴ・イン・リオ』（アル・マッケイ在籍のアースのライナーノーツ）
http://www.soulsearchin.com//entertainment/music/linernotes/earth20030326.html

January 19, 2006
Earth, Wind & Fire: Live At Budoukan, Why They Didn’t Play Encore Song?
http://blog.soulsearchin.com/archives/2006_01_19.html
（ここにアース関連・過去記事一覧）

■セットリスト
Setlist: Al McKay & All Stars @ Billboard Live Tokyo, Feb 23, 2016
( )denotes main lead singer of the song

Show started 21:38
CD On The Way Up
01. Intro: Rock That
02. Pride
03. Got To Get You Into My Life (DeVere)
04. Can’t Let Go (Tim)
05. Saturday Night (Claude)
06. Everybody Get Up (new) (Claude)
07. Comment on Maurice – Piano intro – After The Love Has Gone (DeVere)
08. Reasons (Tim)
09. Medley (9)-(15) In The Stone
10. Fantasy (Tim)
11. Jupiter (Calude)
12. Getaway (Tim)
13. Magic Mind
14. Let Your Feeling Show (Claude)
15. September (Tim)
Enc1. Sing A Song (Tim)
Enc2. Let’s Groove
Show ended 23:07

■メンバー

アル・マッケイ / Al McKay (Lead Guitar)
ティム・オーウェンズ / Tim Owens(Vocals)
クロード・ウッズ / Claude Woods(Vocals)
ドゥヴィエー・デュケット / DeVere Duckett(Vocals)
オマー・ペラルタ / Omar Peralta(Trumpet)
ルイス・エリック・ゴンザレス / Luis Eric Gonzalez　(Trumpet)
エド・ウィン / Ed Wynne　(Saxophone)
ジャスティン・カーク / Justin Kirk　(Trombone)
ベン・ダウリング / Ben Dowling　(Keyboards)
ディーン・ガント / Dean Gant　(Keyboards)
フレディー・フルウェレン / Freddie Flewelen　(Bass)
アーロン・ハガティ / Aaron Haggerty　(Drums)
デイヴィッド・リーチ / David Leach　(Percussions)

(2016年2月23日火曜、ビルボードライブ東京、アル・マッケイ・オール・スターズ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>McKay, Al & The All Stars