◎結成半世紀～アカペラ・グループのキング～パースエージョンズ

◎結成半世紀～アカペラ・グループのキング～パースエージョンズ

【Persuasions : Celebrate 51st year】

声力。

やはり、ベース・ヴォーカルのジミーの声がすごく効いていて、ハーモニーに厚みが出る。リードのデイヴの声がパンチがあり、まさにソウル・ショーを見ている感じが強い。5人のアカペラ・ソウル・グループ、パースエージョンズの1年ぶり2度目の来日。毎回、セットリストは最初の数曲は固まっているが、その後微妙に変えている。たぶん、その場ののりで曲が変わっているのだろう。

この日は初日ということもあってか、観客があまりパースエージョンズのことをよく知らない人が多かったせいか、デイヴが盛んに歌わせてコール＆レスポンスをしようとしても、なかなか客席から歌がでてこなかった。客席に数人でも歌うことが大好きな人がいると、こういうときにものすごくもりあがるのだが。

「ルッキング・フォー・アン・エコー」を歌う前の解説がおもしろかった。これを書いたのはケニー・ヴァンスという人物だが、彼らによると「ケニーはアップタウンに住んでいる。一方、自分たちはダウンタウン・ブルックリンに住んでいる。で、これをヒットさせ、彼にずいぶん稼がせてやったんだが（笑）、アップタウンとダウンタウンではライフスタイルがちょっと違う。そこで、歌詞を自分たちのダウンタウン仕様に変えたんだ」という。

ちなみに、ケニーはかつてブリル・ビルにジェリー・リーバー＆マイク・ストーラーに売り込みに行ったソングライターで後にジェイ＆アメリカンズのメンバーとなる元々ドゥワップ好きな人物。その後1960年代後期に今度はブリル・ビルの彼の元に売り込みに来たウォルター・ベッカー＆ドナルド・フェイゲンの作品を気に入り、彼らの面倒をみることになりしばらく一緒に作品作りをする。

また、レイ・チャールズの曲をやるときに、「自分たちは、レイ・チャールズのオープニング・アクトをやった。ちょうど、レイがアトランタでずっとライヴできなかったが、それが状況が変わり、アトランタでライヴをやったときのオープニングだ」と解説。きっと彼らのように長い間活躍してきているヴェテランはたくさんのおもしろいエピソードを持っているのだろう。

彼らは途中で「聞きたい曲はあるか？　リクエストはあるか？」などと客に語りかける。レパートリーがどれほどあるかわからないが、レパートリーにあれば、すぐに歌ってくれる。

歌好き。

それにしても、彼らはステージから楽屋に戻るときも、ファンにサインをしているときも、なんかのきっかけで、すぐに歌い始める。スタッフによると、リハーサルでも歌って、楽屋に戻ってもうたっている、そうだ。とにかく歌うことが大好きな5人。それもハーモニーというか、一緒に歌うことが死ぬほど好きなメンバーだ。そんな姿を見るだけで僕は大変嬉しくなる。

ファーストとセカンドの合間にラジオ用IDとちょっとしたジングルを歌ってもらえないかと言ったら、「高いぞ」と笑いながら、すぐに歌い始めた。すぐにジミーがいろんなアイデアを出し、「FM～～」っていれたら、どうだ、とか、ハーモニーのパートをそれぞれに指示する。もう真剣そのもの。たぶん十数秒のものに集中してやってくれた。こんなプライスレスな贈り物はない。

このジングルは大晦日の「ソウル・サーチン・レイディオ」で発表します。

キング・オブ・アカペラ・グループ、パースエージョンズ。

アカペラ研究会の方、コーラスが好きな方、歌うことが好きな方は、ぜひ。

ライヴは今日( 29日)、あと2セット。丸の内コットンクラブ。詳細はこちら。
http://www.cottonclubjapan.co.jp/jp/sp/artists/the-persuasions/

http://www.cottonclubjapan.co.jp/jp/

■12.29.sun
[1st.show] 開場 4:00pm / 開演5:00pm
[2nd.show] 開場 6:30pm /開演8:00pm
COTTON CLUB コットンクラブ
〒100-6402 東京都千代田区丸の内2-7-3 東京ビルTOKIA 2F
問い合わせ予約などTEL 03-3215-1555
自由席　7500円～

左からクリフ、ジョイオーティス、吉岡、後ろにリッチー、ジミー、デイヴ

■ 昨年のライヴ評

パースエージョンズ・インタヴュー～歌うために生まれてきた男たち
2012年12月30日(日)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11436790323.html

パースエージョンズ～結成半世紀を経てまだ現役感たっぷりのアカペラ最長老グループ
2012年12月29日(土)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11436453965.html

パースエージョンズの歴史
結成50年ア・カペラの超大物パースエージョンズ奇跡の初来日
2012年09月27日(木)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11364865098.html

■MEMBER

Jimmy Hayes (bass vo),
Jayotis Washington (baritone vo),
Dave Revels (second tenor / lead vo),
Cliff Dawson (first tenor vo),
Richard Hidlebird (second tenor / baritone vo)

■ セットリスト 2013年12月27日金曜、コットンクラブ
Setlist : Persuasions
[ ]denotes original artist
( ) denotes main lead singer other than Dave Revels

First set

Show started 18:31
01. We Still Ain’t Got No Band
02. Temptations Medley : Don’t Look Back – Runaway Child, Running Wild – Cloud Nine – Oom Pow
03. Drip Drop [Drifters]
04. 500 Miles Away From Home [Folk Traditional]
05. Yesterday [Beatles]
06. Moonlight And Music [Ruby & The Romantics]
07. Unchain My Heart [Ray Charles]
08. Besame Mucho [Standard] (Joyotis)
09. Mona Risa [Nat King Cole]
10. I Still Haven’t Found What I Looking For [U2]
11. Be Good To Me, Baby (Richard)
12. Good Old A Cappella (Richard)
13. Dance With My Father (Cliff)　[Luther Vandross]
14. Old Man’s River (Jimmy)
15. People Get Ready {Impressions}
Enc. Buffalo Solders
Show ended 19:47

Second Set

Show started 21:01
01. We Still Ain’t Got No Band
02. Temptations Medley : Don’t Look Back – Runaway Child, Running Wild – Cloud Nine – Oom Pow
03. Looking For An Echo [Kenny Vance]
04. Good Old A Cappella
05. Yesterday [Beatles]
06. Dance With My Father [Luther Vandross]
07. Too Young [Nat King Cole] (Jimmy)
08. Mona Risa (Do Wop Style) [Nat King Cole] (Joyotis)
09. Unchain My Heart [Ray Charles]
10. 500 Miles Away From Home
11. White Christmas (Jimmy)
12. I Still Haven’t Found What I Looking For [U2]
13. Walking On Jerusalem
14. Moody’s Mood For Love [James Moody]
15. Moonlight & Music [Ruby & Romantics]
16. Old Man’s River (Jimmy)
17. People Get Ready [Impressions]
Enc. Be Good To Me Baby
Show ended 22:17

(2013年12月27日金、丸の内コットンクラブ、パースエージョンズ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Persuasions

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