Chord Symbol コードネームの発明者 | サックス・創意工夫|ジャズ・下学上達

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「憂鬱と官能を教えた学校/菊地成孔・大谷能生」

を読んでふと疑問に思ったことがあります。


ポピュラー音楽の世界において

現在われわれが当たり前のものとして使っている

"Chord Symbol コードネーム" 外部へのリンクははたしていつ、だれが、どのように発明したのか?


西洋音楽の歴史上、和音という概念自体は

おそらく15から16世紀にかけてのルネサンス期に

複数の旋律を同時に奏でる対位法 外部へのリンクが発展する形で少しずつ成立してきたようで


バロック音楽の時代には

楽譜に示された音に演奏者が即興的に音を積み重ねる

「通奏低音 バッソ・コンティヌオ」 という

現在のコードネーム Chord Symbol に相当する奏法がすでに確立していたそうです。


「憂鬱と官能を教えた学校/菊地成孔・大谷能生」には

"Chord Symbol コードネーム"は1920年代のシカゴ・ジャズの時代に


楽譜が読めないミュージシャン同士が演奏上の共通理解を得る方法として

いわば必要に迫られてできた発明品とありましした。


"Chord Symbol コードネーム"の起源についてインターネットで調べてみたら

意外と簡単に答えが返ってきました。

ピアノ奏者"Jelly Roll Morton ジェリーロール・モートン"です。


1890年にニューオーリンズに生まれ後にシカゴやニューヨークで活躍した

初期のジャズの巨人ですが


自らの名詞に“ジャズの発明者”と印刷していたほどの人らしいので


Chord Symbol コードネームについても彼が一人だけで考案した仕組みかどうか?

私自身は多少なりとも疑問に思ってしまいます。



いずれにしろ和音を音符で指定するのではなくなく

Chord Symbol コードネームという記号で表すことによって

和音を構成する音の使い方=どの音を使い、どの順序で重ねるかが

演奏者の選択にゆだねられたという意味において

音楽の歴史上、画期的な発明だったことと思います。


Chord Symbol コードネームの普及によって

とくに音楽教育を受けていない一般庶民であっても

自由に音楽を奏でられる可能性が一気に広がったはずと思います。



その一方で Chord Symbol コードネームというシステムは

和音の構成音を演奏者に任せてしまうことになるので

作曲者が意図した響き(音響的要素)を伝えられない

という側面も持ってしまう点は大きな欠点といえるかもしれません。



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