怖い話 オカルト板まとめ -15ページ目

地下の井戸

902 本当にあった怖い名無し 2008/01/21(月) 00:52:13 ID:wohjQNUp0
これを書いたら、昔の仲間なら俺が誰だか分かると思う。
ばれたら相当やばい。まだ生きてるって知られたら、また探しにかかるだろう。
 でも俺が書かなきゃ、あの井戸の存在は闇に葬られたままだ。だから書こうと
思う。文章作るの下手だし、かなり長くなった。しかも怪談じゃないから、興味
の湧いた人だけ読んで欲しい。

 今から数年前の話。俺は東京にある、某組織の若手幹部に使われてた。Nさんっ
て人。今やそういう組織も、日々の微妙にヤバい仕事は、アウトソーシングです
よ。それも組織じゃなく、個人が雇うの。警察が介入してきたら、トカゲの尻尾
切りってやつね。

その代わり金まわりは、かなり良かったよ。俺は都内の、比較的金持ちの日本人、
外国人が遊ぶ街で働いてた。日々のヤバい仕事っていうと、すごそうだけど、実
際に俺がやってたのは、ワンボックスで花屋に花取りに行って、代金を払う。
その花を俺がキャバクラから、高級クラブまで配達する。キャバクラ行くと、必
ず花置いてあんだろ?あれだよ。で、花配りながら、集金して回る。

 もちろん花屋に渡した代金の、3~5倍はもらうんだけどね。3万が10万、5万が
25万になったりするわけよ。月に3千万くらいにはなったね。

 俺がやるヤバい仕事ってのは、最初はその程度だった。それでも結構真面目に
やってた。相手も海千山千のが多いからさ。相手が若僧だと思うと、なめてかかっ
て、値切ろうとするバカもいるんだよね。

 その度に暴力沙汰起こしてたんじゃ、仕事になんないわけだ。起こす奴もいる
けど。でも警察呼ばれたら負けだからね。次から金取れなくなるから、組から睨
まれる。タダじゃすまんよ。

 そういう時、俺は粘り強く話す。話すけど、肝心なトコは絶対譲らない。一円
も値切らせないし、ひとつの条件もつけさせない。


903 本当にあった怖い名無し 2008/01/21(月) 00:54:00 ID:wohjQNUp0
 前置き長くなったけど、まあうまくやってるってんで、Nさんの舎弟のSさん、Kさ
んなんかに、結構信頼されるようになった。

 それで時々花の配達に使ってるワンボックスで、夜中に呼び出されるようになっ
た。積んでるのは、多分ドラム缶とか段ボール。荷物積む時は、俺は運転席から
出ない事になってたし、後ろは目張りされてて、見えないから。

 それでベンツの後ろついてくだけ。荷物を下ろしたら、少し離れたところで待たさ
れて、またベンツについて帰って、金もらって終了。

 何を運んでたなんて知らない。その代わり、1回の仕事で、花の配達の1ヶ月分
のバイト代をもらえた。

 ある夜、また呼び出された。行ってみると、いつもとメンツが違う。いつもはSさん
かKさんと、部下の若い人だった。ところがその日は、幹部のNさんがいて、他には
Sさん、Kさんの3人だけ。

 3人とも異様に緊張してイラついてて、明らかに普通じゃない雰囲気。俺が着いて
も、エンジン切って待ってろって言ったまま、ボソボソ何か話してた。
「・・・はこのまま帰せ」
「あいつは大丈夫ですよ。それより・・・」
途切れ途切れに会話が聞こえてたけど、結局俺は運転していく事になった。何だか
嫌な予感がしたけどね。

 後ろのハッチが開いて、何か積んでるのが分かった。でも今回はドラム缶とか、段
ボールじゃなかった。置いた時の音がね、いつもと違ってた。重そうなもんではあった
けど。

 更に変だったのが、SさんとKさんが同乗した事。いつもは俺一人で、ベンツについ
てくだけなのに。しかもいきなり首都高に入った。あそこはカメラもあるし、出入口には
Nシステムもあるから。こういう仕事の時は、一般道でもNシステムは回避して走るのに。

904 本当にあった怖い名無し 2008/01/21(月) 00:54:47 ID:wohjQNUp0
 首都高の環状線はさ、皇居を見下ろしちゃいけないとかでさ、何ヵ所か地下に入るよ
ね。恥ずかしながら、俺は運転には自信あるけど、道覚えるのは、苦手なんだよね。方
向音痴だし。

 多分環状線を、2周くらいしたと思う。車が途切れたところで、突然Nさんが乗るベンツ
が、トンネルの中で、ハザード出した。

 それまでSさんもKさんも、ひと言もしゃべらなかったけど、Sさんが、右の車線に入って
止めろって。言われるままに止めたよ。そこって合流地点だった。で、中洲みたいになっ
てるとこに、バックで車入れろって言うから、その通りにして、ライト消した。

 両側柱になってて、普通に走ってる車からは、振り返って見たとしても、なかなか見つけ
られないと思う。まあ見つけたとしても、かかわり合いにならない方が良いけどね。Nさん
が乗ったベンツは、そのまま走り去った。

 SさんとKさんは、二人で荷物を下ろしてたけど、俺にも下りて来いって。俺はこの時も、
嫌な予感がした。今まで呼ばれた事なんて無かったし。

 SさんとKさんが、二人で担ぎ上げてるビニールの袋。映画とかでよく見る、死体袋とか
いう黒いやつ。もう中身は、絶対に人間としか思えない。

905 本当にあった怖い名無し 2008/01/21(月) 00:55:26 ID:wohjQNUp0
 とんでもない事に巻き込まれたって思って、腰が痛くなった。多分腰抜ける寸前だったん
だろう。何で組の人じゃなくて、俺なの?ってその時は思ったけど、その理由も後になれば
分かったんだけど。

 で、Sさんがポケットに鍵があるから、それ使って、金網の扉の鍵開けろって言うから、言
う通りにした。金網開けて、5~6メートルで、また扉にぶつかる。扉というより、鉄柵って感
じかな。だって開ける為の把手とか無いし、第一鍵穴すら見当たらない。

 どうすんだろうな~と思ったら、またSさんが別のポケットを指定。今度は大小ひとつずつ
の鍵。コンクリの壁にステンレスの小さい蓋が付いてて、それを小さい方の鍵で開ける。中
に円筒形の鍵穴があって、それは大きい方の鍵。それを回すと、ガチャって音がして、柵が
少し動いた。

 右から左に柵が開いた。壁の中まで柵が食い込んでて、その中でロックされてる。鍵を壊
して侵入は、出来ない構造らしい。

 更に先はもう真っ暗。マグライトをつけて先に進んだけど、すぐに鉄扉に当たった。
『無断立入厳禁 防衛施設庁』って書いてあった。これは不思議だった。だってここ道路公
団の施設だよね?

 ていうか、こんなとこ入って、平気なのかなって思った。まあこの人たちのやる事だから、
抜かりは無いとは思うんだけど、監視カメラとかあるんじゃないのって、不安になった。まあ
中に進んだら、もっと不思議なもんが、待ってたんだけどね。鉄の扉も、さっきの鉄柵と同じ
要領で開いて、俺たちは中に入った。

906 本当にあった怖い名無し 2008/01/21(月) 00:56:30 ID:wohjQNUp0
 SさんもKさんも、うっすら汗かき始めてて、随分重そうだったけど、運ぶの手伝えとは言
わなかった。中に入るとすぐ階段で、ひたすら下に下りて行った。結構下りた。時々二人が
止まって、肩に担ぎ上げた「荷物」を担ぎ直してた。

 階段を下りると、ものすごく広い通路が、左右に伸びてた。多分幅10mくらいあったと思う。
下りたところで、ひと休みした。通路はところどころ電灯がついてて、すごく薄暗いけど、一応
ライトは無しで歩けた。俺たちは反対側に渡って(って言いたくなるくらい広い)、左手に向かっ
て進んだ。

 時々休みながら、どれくらい進んだかな。通路自体は分岐はしてない。ひたすら真っ直ぐで、
左右の壁に時々鉄の扉がついてる。ある扉の前でSさんが止まって言った。
「これじゃねえか。これだろ」
そこには『帝国陸軍第十三号坑道』そう書いてあった。字体は古かったけど。信じられる?今
の日本にあるのは、陸上自衛隊でしょ。何十年も前のトンネルなのか、これは?

 SさんもKさんも、汗だくで息も荒くなってたから、扉を入ったところで、また「荷物」を下ろして、
休憩する事にした。二人とも無言だったから、俺も黙ってた。

 しばらくして、Sさんがそろそろ行こうって言って、袋の片側、多分『足』がある側を持った。そ
したら・・・

『袋』が突然暴れた。Sさんは不意を突かれて、手を放してしまい、弾みで反対側の袋の口から、
顔が出てきた。猿ぐつわを噛まされた、ちょっと小太りの男。

907 本当にあった怖い名無し 2008/01/21(月) 00:57:16 ID:wohjQNUp0
 どっかで見たことある・・・それもあるけど、分かっていながらも、袋からリアルに人が、しかも生
きた人が出てきた事にビビッて、俺は固まってた。

 SさんがKさんに
「おい何で目を覚ました!」
「クスリ打てクスリ!」
「袋に戻せ!」
とか言ってるのが聞こえた。

 Kさんはクスリは持って無いとか、何とか答えてた。その間も『袋』は暴れてた。暴れてたという
か、体を縛られてるらしく、激しく身をよじって、袋から出ようとしていた。
 するとSさんが、袋の上から腹のあたりを、踏んづけるように蹴った。一瞬『袋』の動きが止まっ
たけど
「ウ~!」と、すごい唸り声を上げながら、また暴れ出した。

 Sさんは腹のあたりを、構わず蹴り続けた。それでも『袋』は、暴れ続けた。やがてKさんも加わっ
て、二人で滅茶苦茶に蹴り始めた。パキって音が、2、3回立て続けにした。多分肋骨が折れた
んだと思う。

『袋』の動きが止まった。その時なぜか、男は頭を振って、俺に気が付いた。それまですごい形相
で、暴れていた男が、急に泣きそうな顔で、俺を見つめた。

 Sさんが「袋に戻せ」と言うと、Kさんが男の肩のあたりを、足で抑えながら、袋を引っ張って、男を
中に戻した。今でもその光景は、スローモーションの映像のまま、俺の記憶に残ってる。男は袋に
戻されるまで、ずっと俺を見てた。一生忘れられない。

908 本当にあった怖い名無し 2008/01/21(月) 00:57:44 ID:wohjQNUp0
 Kさんが、袋の口をきつく縛るのを確認すると、Sさんは更に数回、袋を蹴った。
「これくらいかな。殺しちゃまずいからな」
Sさんはそう言って、俺を見た。
「お前、こいつの顔を見たか」
「いえ・・・突然だったんで、何が何だか」
そう答えるのが、精一杯だった。その時は本当に、どこかで見たような気がしたけど、思い出せな
かった。

 SさんとKさんは、再び動かなくなった『袋』を担ぎ上げた。それまでと違うのは、真ん中に俺が
入ったこと。もう中身を知ってしまったので、一連托生だ。

 それからその13号坑道ってやつを、延々歩いた。今までの広い通路とはうって変わって、幅が
3mも無いくらいの、狭い通路だった。

 右手は常に壁なんだけど、左手は時々、下に下りる階段があった。幅1mちょいくらいの階段で、
ほんの数段下りたところに、扉がついてた。

 何個目か分かんないけど、Sさんがある扉の前で止まれって言った。そこもまた『帝国陸軍』。
『帝国陸軍第126号井戸』って書いてあった(128だったかも。偶数だった記憶があるけど忘れた)
それでSさんに言われるまま、中に入った。

中は結構広い部屋だった。小中学校の教室くらいはあったかな。その真ん中に、確かに井戸
があった。でも蓋が閉まってるの。重そうな鉄の蓋。端っこに鎖がついてて、それが天井の滑車
につながってた。滑車からぶら下がっている、もうひとつの鎖を引いて回すと、蓋についた鎖が
徐々に巻き取られて、蓋が開いてく仕掛けになってた。

909 本当にあった怖い名無し 2008/01/21(月) 00:58:23 ID:wohjQNUp0
 オレは言われるままに、どんどん鎖を引っ張って、蓋を開けていった。完全に蓋が開いたとこ
で、二人が『袋』を抱え上げた。もう分かったよ。この地底深く、誰も来ない井戸に、投げ込んで
しまえば、二度と出てこないもんね。でもひとつだけ分からない事があった。なんで「生きたまま」
投げ込む必要があるの?

 二人は袋を井戸に落とした。ドボーン!水の中に落ちる音が、するはずだった。でも聞こえて
きたのは、バシャッて音。この井戸、水が枯れてるんじゃないの?って音。SさんとKさんも、顔
を見合わせてた。

 Sさんが俺の持っているマグライトを見て顎をしゃくってみせ、首を傾げて井戸を覗けってジェ
スチャーをした。マグライトで照らしてみたけど、最初はぼんやりとしか底まで光が届かなかっ
た。レンズを少し回して焦点を絞ると、小さいけど底まで光が届いた。光の輪の中には『袋』の一
部が照らし出されてる。やっぱり枯れてるみたいで、水はほとんど無い。

 そこに手が現れた。真っ白い手。さらにつるっぱげで、真っ白な頭頂部。あれ、さっきの『袋』
の人、つるっぱげじゃ無かったよな。ワケが分かんなくて、呆然と考えていたら、また頭が現れ
た。

 え?2人?ますます頭が混乱して、ただ眺めてたら、その頭がすっと上を向いた。目が無い。
空洞とかじゃなくて、鼻の穴みたいな小さい穴がついてるだけ。

 理解不能な出来事に、俺たちは全員固まってた。しかも2人だけじゃ無さそうだ。奴らの周囲
でも、何かがうごめいている気配がする。何だあれ?人間なのか?なぜ井戸の中にいる?何
をしている?

910 本当にあった怖い名無し 2008/01/21(月) 00:58:52 ID:wohjQNUp0
 その時、急に扉が開いて、人が入ってきた。俺は驚いてライトを落として、立ち上がってた。S
さんとKさんも。入ってきたのは、Nさんだった。Nさんは俺たちを見て、怪訝そうな顔をした。
「S、もう済んだのか」
Sさんは少しの間、呆然としていたけど、すぐに答えた。
「済みました」
Nさんは俺たちの様子を見て、俺たちが井戸の中身を見た事を悟ったみたいだった。
「見たのか、中を」
俺たちはうなずきもせず、言葉も発しなかったが、否定しないことが肯定になった。
「さっさと蓋閉めろ」
言われて俺は、慌てて鎖のところに行って、さっきとは反対側の鎖を引いて回した。少しずつ蓋
が閉まっていく。
「余計な事を考えるんじゃねえ。忘れろ」
 そう言われた。確かにそうなんだけど、ぐるぐる考えた。殺しちゃまずいって、Sさんは言ってた。
Sさん自身も、なぜ殺しちゃだめなのか、知らなかったんだと思う。生きたまま落とした理由は?
生きたまま・・・・あの化け物のような奴らがいるところへ。考えたく無くなった。

 俺たちは来た道を戻り、車で道に出た。今度はSさん、Kさんは、Nさんのベンツに乗っていった。
そしてそれが3人を見た最後になった。

911 本当にあった怖い名無し 2008/01/21(月) 00:59:15 ID:wohjQNUp0
 俺は思い出していた。あのとき『袋』に入っていた男の顔を。最近出所してきた、会長の3男だっ
た。出来の悪い男というウワサだった。ケチな仕事で下手を踏み、服役していたらしい。俺は2、3
回しか顔を合わせた事が無かったが、大した事無さそうなのに、威張り散らしてヤな感じだったの
を覚えてる。

 だからといって、会長の息子を殺すのはアウトだよ、死体を隠したっていずれバレる。それでも出
来るだけバレないように、俺を使って運んだんだろうけど。

 あの出来事から2週間くらいして、Nさんが居なくなった、お前も姿をくらませって、Sさんから電話
があった。バレたんだ。会長の息子を殺ったのを。

 組から距離をおいていたのが幸いして、俺は逃げ延びる事ができた。SさんやKさんがどうなった
のかは知らない。あれから数年、俺は人の多い土地を転々としている。これはあるネットカフェで書
いた。

もうすぐネットカフェも、身分証を見せないと書き込めなくなるらしい。これが最後のチャンスだ。組
の人たちがこれを知れば、どこから書いたのか、すぐに突き止めると思う。だから俺はこの街には、
二度と戻ってこない。

 誰かあの井戸を突き止めて欲しい。なぜあの井戸に、暴力団なんかが鍵持って入れるのか。そう
したら俺の追っ手は、皆捕まるかも知れない。俺は逃げ延びたい。これからも逃げ続けるつもりだ。
A型自分の説明書

運命の人

自己責任

504 名前:連休厨 投稿日:02/05/02 01:50
呪い系。
似たようなやつをこのスレのどっかで見たことあるけど
原文に近いかも。廃棄直前Q8のBBSログからハケーン

----
Message # 26 is from: *****
Time: 97/04/30 1:02:02 Category 8: フリートーク
Subj: 自己責任で読んでね

こんなん手に入れました。
マジでヤバイかも…ログ全部巡回して目を通してる
*****さん注意(汗)

o(x_x)oカ?クカ?ク


%%%%%%%%

あらかじめお断りしておきますが、この話を読まれ
たことでその後何が起きても保証しかねます。

*自己責任の下で読んで下さい。
*保証、責任は一切持ちません。

5年前、私が中学だった頃、一人の友達を亡くしま
した。

表向きの原因は精神病でしたが、実際はある奴等に
憑依されたからです。

私にとっては忘れてしまいたい記憶の一つですが、
先日古い友人と話す機会があり、あのときのことを
まざまざと思い出してしまいました。
ここで、文章にすることで少し客観的になり恐怖を
忘れられると思いますので、綴ります。


私たち、(A・B・C・D・私)は、皆家業を継ぐ
ことになっていて、高校受験組を横目に暇を持て余
していました。

学校も、私たちがサボったりするのは、受験組の邪
魔にならなくていいと考えていたので、体育祭後は
朝学校に出て来さえすれば後は抜け出しても滅多に
怒られることはありませんでした。

ある日、友人A&Bが、近所の屋敷の話を聞いてき
ました。改築したばかりの家が、持ち主が首を吊っ
て自殺して一家は離散、空き家になってるというの
です。

505 名前:連休厨 投稿日:02/05/02 01:53

サボった後のたまり場の確保に苦労していた私たち
は、そこなら酒タバコが思う存分できると考え、翌
日すぐに昼から学校を抜けて行きました。

外から様子のわからないような、とても立派なお屋
敷で、こんなところに入っていいのか、少しびびり
ましたが、ABは「大丈夫」を連発しながらどんど
ん中に入って行きます。

既に調べを付けていたのか、勝手口が空いていまし
た。書斎のような所に入り、窓から顔を出さないよ
うにして、こそこそ酒盛りを始めました。

でも大声が出せないのですぐに飽きてきて、5人で
家捜しを始めました。すぐCが「あれ何や」と、今
いる部屋の壁の上の方に気が付きました。

壁の上部に、学校の音楽室や体育館の放送室のよう
な感じの小さな窓が二つついているのです。「こっ
ちも部屋か」よく見ると壁のこちら側にはドアがあ
って、ドアは、こちら側からは本棚で塞がれていま
した。肩車すると、左上の方の窓は手で開きました。

今思うと、その窓から若干悪臭が漂っていることに
そのとき疑問を持つべきでした。

506 名前:連休厨 投稿日:02/05/02 02:14

それでもそのときの、こっそり酒を飲みたいという
願望には勝てず、無理矢理窓から部屋に入りました。
部屋はカビホコリと饐えたような臭いが漂っていま
す。雨漏りしているのかじめっとしていました。

部屋は音楽室と言えるようなものではありませんで
したが、壁に手作りで防音材のようなものが貼って
あり、その上から壁紙が貼ってあることはわかりま
した。湿気で壁紙はカピカピになっていました。

部屋の中はとりたてて調度品もなく、質素なつくり
でしたが、小さな机が隅に置かれており、その上に、
真っ黒に塗りつぶされた写真が、大きな枠の写真入
れに入ってました。

「なんやこれ、気持ち悪い」と言って友人Aが写真
入れを手にとって、持ち上げた瞬間、額裏から一枚
の紙が落ち、その中から束になった髪の毛がバサバ
サ出てきました。紙は御札でした。

みんな、ヤバと思って声も出せませんでした。
顔面蒼白のAを見てBが急いで出ようと言い、逃げ
るようにBが窓によじ登ったとき、そっちの壁紙全
部がフワッとはがれました。


561 名前:連休厨 投稿日:02/05/02 20:24
漏れのは単なるコピペのつもりなんだけど…
(スレ2に似た話があるのは十分承知)
なんて云っても創作って云われるんだろうからまぁその辺
は行間を喚んでください
またはレス間を喚んでください

では続きを

*自己責任で喚んでください

部屋は音楽室と言えるようなものではありませんで
したが、壁に手作りで防音材のようなものが貼って
あり、その上から壁紙が貼ってあることはわかりま
した。湿気で壁紙はカピカピになっていました。

部屋の中はとりたてて調度品もなく、質素なつくり
でしたが、小さな机が隅に置かれており、その上に、
真っ黒に塗りつぶされた写真が、大きな枠の写真入
れに入ってました。

「なんやこれ、気持ち悪い」と言って友人Aが写真
入れを手にとって、持ち上げた瞬間、額裏から一枚
の紙が落ち、その中から束になった髪の毛がバサバ
サ出てきました。紙は御札でした。

みんな、ヤバと思って声も出せませんでした。
顔面蒼白のAを見てBが急いで出ようと言い、逃げ
るようにBが窓によじ登ったとき、そっちの壁紙全
部がフワッとはがれました。

写真の裏から出てきたのと同じ御札が、壁一面に貼
ってありました。「何やこれ」酒に弱いCはその場
でウッと反吐しそうになりました。「やばいてやば
いて」「吐いてる場合か急げ」

よじのぼるBの尻を私とDでぐいぐい押し上げまし
た。何がなんだかわけがわかりませんでした。後ろ
ではだれかが「いーーー、いーーー」と声を出して
います。きっとAです。祟られたのです。恐ろしく
て振り返ることもできませんでした。無我夢中でよ
じのぼって、反対側の部屋に飛び降りました。

Dも出てきて、部屋側から鈍いCを引っ張り出そう
とすると、「イタイタ」Cが叫びます「引っ張んな
足!」部屋の向こうではAらしき声がわんわん変な
音で呻いています。Cはよほどすごい勢いでもがい
ているのか、Cの足がこっちの壁を蹴る音がずんず
んしました。

562 名前:連休厨 投稿日:02/05/02 20:26

「B!かんぬっさん連れて来い!」後ろ向きにDが
叫びました。「なんかAに憑いとる、裏行って神社
のかんぬっさん連れて来いて!」

Bが縁側から裸足でダッシュしていき、私たちは窓
からCを引き抜きました。
「足!足!」「痛いか?」
「痛うはないけどなんか噛まれた」見るとCの靴下
のかかとの部分は丸ごと何かに食いつかれたように、
丸く歯形がついて唾液で濡れています。相変わらず
中からはAの声がしますが、怖くて私たちは窓から
中を見ることができませんでした。「あいつ俺に祟
らんかなぁ」「祟るてなんやAはまだ生きとるんぞ」
「出てくるときめちゃくちゃ蹴ってきた」




「しらー!」縁側からトレーナー姿の神主さんが真
青な顔して入ってきました。「ぬしら何か! 何しよ
るんか! 馬鹿者が!」一緒に入ってきたBはもう
涙と鼻水でぐじょぐじょの顔になっていました。
「ええからお前らは帰れ、こっちから出て神社の裏
から社務所入ってヨリエさんに見てもらえ、あとお
い!」といきなり私を捕まえ、後ろ手にひねり上げ
られました。後ろで何かザキっと音がしました。
「よし行け」そのままドンと背中を押されて私たち
は、わけのわからないまま走りました。


564 名前:連休厨 投稿日:02/05/02 20:34

それから裏の山に上がって、神社の社務所に行くと、
中年の小さいおばさんが、白い服を着て待っていま
した。めちゃめちゃ怒られたような気もしますが、
それから後は逃げた安堵感でよく覚えていません。

それから、Aが学校に来なくなりました。私の家の
親が神社から呼ばれたことも何回かありましたが、
詳しい話は何もしてくれませんでした。ただ山の裏
には絶対行くなとは、言われました。

私たちも、あんな恐ろしい目に遭ったので、山など
行くはずもなく、学校の中でも小さくなって過ごし
ていました。期末試験が終わった日、生活指導の先
生から呼ばれました。今までの積み重ねまとめて大
目玉かな、殴られるなこら、と覚悟して進路室に行
くと、私の他にもBとDが座っています。神主さん
も来ていました。生活指導の先生などいません。私
が入ってくるなり神主さんが言いました。

「あんなぁ、Cが死んだんよ」

信じられませんでした。Cが昨日学校に来ていなか
ったこともそのとき知りました。「学校さぼって、
こっちに括っとるAの様子を見にきよったんよ。病
院の見舞いじゃないとやけん危ないってわかりそう
なもんやけどね。裏の格子から座敷のぞいた瞬間に
ものすごい声出して、倒れよった。駆けつけたとき
には白目むいて虫螺の息だった」

Cが死んだのにそんな言い方ないだろうと思ってち
ょっと口答えしそうになりましたが、神主さんは真
剣な目で私たちの方を見ていました。「ええか、A
はもうおらんと思え。Cのことも絶対今から忘れろ。
アレは目が見えんけん、自分の事を知らん奴の所に
は憑きには来ん。アレのことを覚えとる奴がおった
ら、何年かかってもアレはそいつのところに来る。
来たら憑かれて死ぬんぞ。
それと後ろ髪は伸ばすなよ。もしアレに会って逃げ
たとき、アレは最初に髪を引っ張るけんな」


565 名前:連休厨 投稿日:02/05/02 20:36

それだけ聞かされると、私たちは重い気持ちで進路
室を出ました。

あのとき神主さんは私の伸ばしていた後ろ毛をハサ
ミで切ったのです。何かのまじない程度に思ってい
ましたが、まじないどころではありませんでした。
帰るその足で床屋に行き、丸坊主にしてもらいまし
た。


568 名前:連休厨 投稿日:02/05/02 21:02
えーと続きます。
詠むのがきついひとはオシッコいって毒気を抜いてください
だいぶん、違うと思います。

*自己責任で喚んでください
*自己責任で喚んでください


卒業して家業を継ぐという話は、その時から諦めな
ければいけませんでした。その後私たちはバラバラ
の県で進路につき、絶対に顔を合わせないようにし
よう、もし会っても他人のふりをすることにしなけ
ればなりませんでした。

私は、1年遅れて隣県の高校に入ることができ、過
去を忘れて自分の生活に没頭しました。髪は短く刈
りました。しかし、床屋で「坊主」を頼むたび、私
は神主さんの話を思い出していました。今日来るか、
明日来るか、と思いながら、長い3年が過ぎました。

その後、さらに浪人して、他県の大学に入ることが
できました。しかし、少し気を許して盆に帰省した
のがいけませんでした。もともと私はおじいちゃん
子で、祖父はその年の正月に亡くなっていました。
急のことだったのですが、せめて初盆くらいは帰っ
てこんか、と、電話で両親も言っていました。それ
がいけませんでした。

569 名前:連休厨 投稿日:02/05/02 21:11

駅の売店で新聞を買おうと寄ったのですが、中学時
代の彼女が売り子でした。彼女は私を見るなりボロ
ボロと泣き出して、BとDがそれぞれ死んだことを
まくし立てました。

Bは卒業後まもなく、下宿の自室に閉じこもって首
をくくったそうです。部屋は雨戸とカーテンが閉め
られ、部屋じゅうの扉という扉を封印し、さらに自
分の髪の毛をその上から一本一本几帳面に張り付け
ていたということでした。鑞で自分の耳と瞼に封を
しようとした痕があったが、最後までそれをやらず
に自害したという話でした。

Dは17の夏に四国まで逃げたそうですが、松山の
近郊の町で、パンツ1枚でケタケタ笑いながら歩い
ているのを見つかったそうです。Dの後頭部は烏が
むしったように髪の毛が抜かれていました。Dの瞼
は、閉じるのではなく、絶対閉じないようにと自ら
ナイフで切り取ろうとした痕があったそうです。

このときほど中学時代の人間関係を呪ったことはあ
りません。

BとDの末路など、今の私にはどうでもいい話でし
た。つまり、アレを覚えているのは私一人しか残っ
ていないと、気づかされてしまったのです。

570 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:02/05/02 21:16
*自己責任*


胸が強く締め付けられるような感覚で家に帰り着く
と、家には誰もいませんでした。後で知ったことで
すが、私の地方は忌廻しと云って、特に強い忌み事
のあった家は、本家であっても初盆を奈良の寺で行
うという風習があったのです。

私は連れてこられたのでした。

571 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:02/05/02 21:17
*自己責任*


それから3日、私は9度以上の熱が続き、実家で寝
込まなければなりませんでした。このとき、私は死
を覚悟しました。仏間に布団を敷き、なるだけ白い
服を着て、水を飲みながら寝ていました。

3日目の夜明けの晩、夢にAが立ちました。Aは骨
と皮の姿になり、黒ずんで、白目でした。
「お前一人やな」「うん」
「お前もこっち来てくれよ」「いやじゃ」
「Cが会いたがっとるぞ」
「いやじゃ」
「おまえ来んとCは毎日リンチじゃ。逆さ吊りで口
に靴下詰めて蹴り上げられよるぞ、かわいそうやろ」
「うそつけ。地獄がそんな甘いわけないやろ」
「ははは地獄か地獄ちゅうのはなぁ」

そこで目を覚ましました。自分の息の音で喉がヒイ
ヒイ音を立てていました。枕元を見ると、祖父の位
牌にヒビが入っていました。

572 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:02/05/02 21:19
*自己ノ責任ニ負イテ*


私は、考えました。アレの話を私と同じように多く
の人に話せば、アレが私を探し当て、私が憑依され
る確率は下がるのではないか。

ここまでの長文たいへん失礼しましたが、おおざっ
ぱな書き方では読んだ方の記憶に残らないと思った
のです。

読んだ方は、申し訳ないのですが犬に噛まれたとで
も思ってください。ご自分の生存確率を上げたけれ
ばこの文章を少しでも多くの方の目に晒すことをお
すすめします。
起きていることはすべて正しい
太一×ケンタロウ男子ごはんの本

地下のまるい穴

これは17年前の高校3年の冬の出来事です。
あまりに多くの記憶が失われている中で、
この17年間、わずかに残った記憶を頼りに残し続けてきた
メモを読みながら書いたので、
細かい部分や会話などは勝手に補足や修正をしていますが、
できるだけ誇張はせずに書いていきます。

私の住んでいた故郷は、すごく田舎でした。思い出す限り、
たんぼや山に囲まれた地域で、遊ぶ場所といえば、
原つきバイクを1時間ほど飛ばして市街に出てカラオケくらいしか
なかったように思います。

そんな片田舎の地域に1991年突如、某新興宗教施設が建設されたのです。

建設予定計画の段階で地元住民の猛反発が起こり、私の親もたびたび反対集会に

出席していたような気がします。市長や県知事に嘆願書を提出したり、

地元メディアに訴えかけようとしたらしいのですが、宗教団体側が「ある条件」を

提示し、建設が強行されたそうです。条件については地元でも様々な憶測や
噂が飛び交いましたが、おそらく過疎化が進む市に多額の寄付金を寄与する事で、
自治体が住民の声を見て見ぬふりをした、という説が濃厚でした。


宗教施設は私たちが住んでいる地域の端に建てられましたが、
その敷地面積は東京ドームに換算すると2~3個ぶん程度の広さだったと思います。
過疎化が進む片田舎の土地は安かったのでしょう。
高校2年の秋頃に施設が完成し、親や学校の担任からは「あそこには近づくな」
「あそこの信者には関わるな」と言われていました。

私たちはクラスの同級生8人くらいで見に行ったのですが、
周りがすべて高い壁で囲われ、正面には巨大な門があり、門の両端の上の部分に、
恐ろしい顔をした般若みたいなものが彫られていました。
それを見た同級生たちは「やばい!悪魔教じゃ悪魔教じゃ」と楽しそうに
騒いでいましたが、そういう経緯から学校ではあの宗教を「悪魔教」や
「般若団体」などと、わけのわからないアダ名で呼ぶようになりました。

たまにヒマな時などは、同級生ら数人で好奇心と興味と暇潰しに施設周辺を
自転車でグルグルしていましたが、不思議な事に信者や関係者を見た事は
一度もありませんでした。あまりに人の気配がなく、特に問題も起きなかったので、
しだいに皆の関心も薄れていきました。

高校3年になり、宗教施設の事は話題にもならなくなっていたのですが、
ある日同級生のAが「あそこに肝だめしに行かんか」と言いはじめました。
Aが言うには「親から聞いたけど、悪魔教の建物に可愛い女が出入りしとるらしい。
毎日店に買い物に来とるらしいで」

Aの実家は、地域内で唯一そこそこ大きいスーパーを経営していました。
Aの両親は毎日2万円~3万円ぶんも買い物をしていく「悪魔教」に
すっかり感謝しているようでした。

Aは「俺の親は、あそこの信者はおとなしくて良い人ばかりって言いよったよ。
怖くないし、行ってみようや」

私やその他の同級生も遊ぶ場所がなく毎日退屈していましたので、
「じゃあ行くか!」という事になり、肝だめしが決定しました。
メンバーは私とAとBとCとDの同じクラスの5人と、
後輩のEとFの全員男の7人になりました。
7人もいれば怖くないでしょう。皆も軽い気持ちで行く雰囲気でした。

待ち合わせは施設にほど近い、廃郵便局の前になりました。
私が到着するとABCとEは来ていたのですが、
DとFが30分近く待っても来なかったので、5人で
行く事になりました。施設の近くに自転車を停車させ、徒歩で施設の門へ。
「うわ~夜中はやっぱ怖いわ」や「懐中電灯をもう一つ持ってくりゃ良かったね」
などと話していました。

巨大な門の前まで来ると門からかなり離れた敷地内の建物の一ヶ所に電気が
ついていました。「うわぁ信者まだ起きとんじゃね」「悪魔呼んだりしとんかね(笑)」
などと軽口を叩いていましたが、

Cが「これ、中に入れんじゃん」と言いました。するとAが
「俺が知っとるよ。横を曲がったとこに小さい門があってそっから入れる」
と言いました。「A、なんで早く言わんのんや」とか言いながら、
壁づたいを歩き、突き当たりを横に曲がり、少し歩くと壁に小さな扉がありました。


Aが手で押すと、向こう側に開きました。人ひとりようやく通れる扉を
5人で順番に通って中に侵入しました。その後は懐中電灯をつけたり
消したりしながら更地の敷地内をグルグルしていました。
「なんもないじゃん」「建物に近づいたらさすがにヤバイよの」など小さな声で
雑談していたのですが、あまりにも何もなくつまらないので
施設に近付いてみる事にしたんです。

敷地内は正面の門からは長々とした100メートルくらいの完全な更地で、
その先に大きな施設が三棟並んでいました。よく覚えていませんが、
とても奇妙な外観をしたデザインの建物でした。

施設周辺をコソコソ歩いていると、施設と施設の間に、灯りのついたキレイな
公衆トイレの建物がぽつんとあり、トイレがある場所一帯は白いキレイな
コンクリートで舗装されていて、ベンチまでありました。

Aが「ちょっと休憩しようや」と言い出し、周りの同級生らは「はぁ?見つかったら
さすがにヤバイだろ」「さっさと一周して帰ろうや」と言いました。私も
「見つかったら警察呼ばれるかもしれんし、卒業まであと少しじゃし、
問題起こしたらヤバイ、はよう帰ろうや」と言いました。

しかしAはベンチに座ると煙草を吸い始めました。「じゃ一服だけして帰るか」
という事で、全員でその場に座って煙草を吸いました。
するとAが「俺ちょっとトイレ行ってくるわ」とその公衆トイレの中に
入っていきました。BやCは「アイツ勝手に入った建物のトイレで
よくションベンなんか出せるなぁ」「ウ○コなら悪魔に呪われるんじゃないか」
とか冗談を言いながら煙草を吸っていたんですが、しばらくするとAが
トイレの中から「お~い。ちょっと来て。面白いもんがあるよ」と
小さな声で言いました。

ゾロゾロと行ってみるとAは「ほら、ここなんだと思う?」と便所の個室を
指さしました。Bが「トイレじゃん」と言うと「ドア開けてみてや」と言い、
Bが「なんや」と言いながら扉を開けました。扉を開けてみると、
なぜか中には地下に降りる階段がありました。

Aは「おかしいじゃろ。便器便器と並んで、ここだけ階段なんよ」と言いました。

いよいよ、この状況がおかしな事に気づきました。
第一Aの言動がずっと不可解でした。Aが急に肝だめしを提案した事、
横の扉の位置を把握していた事、トイレの扉をわざわざ開いた事などです。

私はAに「お前まさかココでウ○コするつもりだったん?」と聞きました。
Aは「いや、うん、そうじゃ」と曖昧に答えた後「ちょっと降りてみんか?」と
皆に聞き始めました。

私は当然断りました。
「お前おかしな事言うなや。はよ帰ろう。ここでグズグズしよったら見つかるじゃろ」
と言うと、「はは~お前怖いんじゃろ?ちょっと降りるだけなのに怖いんじゃろ」
と馬鹿にした感じで言い出しました。

私はこれはAの挑発だと思いました。下に誘導しようとしているとしか
思えなかったのです。Bも「ワシもいかんわ。帰ろうで」と言ってくれたのですが、
他の二人は「なんか面白そう。ちょっとだけ降りようか」みたいな感じで
Aに同調したのです。

Aは「お前らは勇気あるの~」とか言いながら、
私やBを更に挑発していましたが、Bは「ワシ行かんで。勝手に行けや」と
吐き捨てるように言いました。
Aは「ならまず3人で降りるわ。お前らはとりあえずココで待っといてや」
と言いました。そして3人は下へと降りて行ったのです。
私とBの二人はトイレの外には出ず、中で待っていました。

トイレの周辺は施設に挟まれた形で、窓も多数あったため、
「どこの窓から見つかるか分からない」と思い、トイレ内で待機していました。

Bは「おい、Aってなんか変じゃないか?」と聞いてきました。
私は「今日のAはおかしい。なんか最初っから俺らをココに連れてきたみたいな
感じがする」と答えると、Bも「ワシもそう思いよった」と言いました。

その後はBと一緒に今夜の事や見つかってしまった時の対処法などを
話していました。5分近く経った頃、「ちょっと遅くないか?!」と
私もBもイライラし始めました。

Bは「もう二人で帰るか」と言い出したのですが、二つあった懐中電灯のうち
二つともAたちが持って降りてしまったので、暗闇の中あの小さな横の扉を
発見するのは時間がかかると判断し、しぶしぶ待っていました。

すると、遠くのほうから足音が聞こえてきたんです。ザッザッザッという
複数の足音が遠くから聞こえてきました。私もBも、一瞬で緊張しました。
私たちは小声で「ヤバイ…人がきた。マズイで…」と囁きあいました。
場が張りつめた雰囲気に変わりました。足音は遠くからでしたが、
どの方角からの足音か分からなかったですし、いま外に出ても私たちは
施設内の方向や構造が分からないので、見つかってしまう可能性がありました。

Bが「ヤバイ…近づいて来とるで…どうする?」とかなり慌てた感じで
言っていました。私も内心は心臓がバクバクしながら「コッチに来るとは限らんし、
来そうなら隠れよう」と言いました。しかし確実に足音は私たちのいる
トイレに近づいてきていました。

その時Bがいきなり階段ではない他の大便の個室の扉に手をかけました。
しかし開きません。隣の個室もなぜか開きませんでした。
Bは「クソッ!閉まっとる。あ~クソッ」と小さな声で叫びました。

足音はおそらく15mくらいまで近づいてきています。直感的ですが、私はその時、
足音の連中は間違いなくトイレに来ると確信していました。
Bもきっと同じ予感がしていたのだと思います。
私もBもジッと立ち尽したままでした。

Bは「…仕方ないわ。降りよう」と言い出しました。私は「えっマジで…?」と
返事をしました。あの得体の知れない階段を降りるのはすごく嫌でしたが
トイレ内にはもはや隠れる場所もなく、走り出したところで、
暗闇の中でしかも場所がよく分からないので捕まるだろうと思いました。

深夜の宗教施設という特殊な状況下で判断力も鈍っていたのかもしれません。

足音がもうすぐトイレ付近に差しかかる中、
私とBは個室の扉を開き足音を忍ばせながら下への階段を降りました。
階段はコンクリート造りの階段で、長い階段なのかと思っていましたが、
意外にも10段くらいで下に着きました。真っ暗闇なので何も見えないのですが、
前を歩いていたBが、降りた突き当たりの目の前にあったのだろう扉を開きました。

中には部屋がありました。部屋の天井にはオレンジ色の豆電球がいくつかぶら
下がり、部屋全体は淡いオレンジ色に包まれていました。
私とBはその部屋に入ると、扉をそっと静かに閉めました。部屋を見渡すと、
15畳くらい(よく覚えていません)の何もないコンクリート造りの部屋で、
真ん中には大きく円状のものがぶら下がっていました。説明しにくいですが、
巨大な鉄製のフラフープみたいなものが縦にぶら下がっている感じです。

そのフラフープは部屋の両隅の壁に付くくらい巨大なものでした。

私とBはそんなのを気にせずに、扉の前で硬直していましたが、
私が「Aたちは?おらんじゃん…」と小さな声で言うと、
Bは「わからん、わからん…」とひきつった表情で言っていました。

そして、私たちが聞いていた足音が予感通りトイレの中に入ってきたのが
分かりました。真上から足音がコンクリートを伝って響いてきました。
その足音は3人~4人くらい。私たちはジッと動けないまま、
扉の前で立ち尽していました。




なにやらブツブツ話し声が聞こえてきましたが、
内容まで聞きとれません。話し合うような声に聞こえましたし、
それぞれがなにかをブツブツ呟いているようにも聞こえました。
Bは下をうつむいたまま、目を閉じていました。どのくらい時間が
経ったのか分かりません。私はなにか楽しい事を思い出そうとして、
当時流行っていたお笑い番組「爆SHOW☆プレステージ」を必死に
思い出していました。いつのまにか、トイレ内のブツブツ呟く声は、
3~4人から10人くらいに増えている事に気づきました。

上にいる連中は私たちがココに隠れている事を知っているのではと思いました。
怖くてガタガタ震えてきました。ブツブツブツブツと気味の悪い話し声に
気が遠くなりそうでした。突然ブツブツ呟く声が消えると、
ガタンッと扉が二つ連続して開く音が聞こえた後、さらにガタンッと音がしました。
そのガタンッはトイレの個室を開く音だとすぐに分かり、鳥肌が立ちました。

「他の個室には最初から人が入っていたんじゃないか」

私と同じようにBがその可能性に気づいたのかどうかは分かりませんが、
さっきは鍵が閉まっていたのですから、外から開けたのではなく、
個室から誰かが出てきたんだと思ったのです。

そして階段を降りる足音が聞こえてきました。限界でした。
階段を降りきるまで15秒とかからないでしょう。私はBの腕をギュッと掴みました。
階段を降りる足音が中間地点くらいになった時、
Bは「うわぁぁぁ~」と情けない悲鳴をあげながら私の手を振り払い、
部屋の奥に走り出しました。その時です。Bがあの丸い輪をピョンとジャンプした
瞬間、一瞬でBの姿がなくなったのです。私はただただ唖然としました。

フラフープ状の丸い輪の向こう側に飛び越えるはずなのに、
Bが忽然と姿を消してしまった事に、恐怖よりも放心状態になりました。
私は扉から少し離れ、扉とフラフープの間に立っていました。

「謝ろう!」と思いました。「すみません。勝手に入ってしまいました。
本当にすみません」そう言おうと思いました。

扉がゆっくり開きました。開いた扉の隙間から、わざとらしく、
ひょいっと顔だけが現れました。

王冠のようなものをかぶった老人が顔だけ覗かせこちらを見ていました。
満面の笑みでした。おじいさんかおばあさんかは分かりませんでしたが、
長い白髪に王冠をかぶった、しわくちゃの老人が満面の笑みで私を見ていました。

それは見た事もない悪意に満ちた笑顔で、私は一目見て
「これはまともな人間ではない」と思いました。
話が通じる相手ではないと思ったのです。その老人の無機質な笑顔に一瞬でも
見られたくないと思い、
「はうひゃっ!」と情けない悲鳴が喉の奥から勝手に出てきて、
私もまたBと同じようにフラフープ状の輪に飛びこみました。


目を開くと病室にいました。頭がボーッとしていました。
腕には注射針が刺さり、私は仰向けに寝ていました。

上半身を起きあがらせるのに3分近くかかりました。
窓を見ると綺麗な夕焼けでした。

部屋には人はおらず、個室の病室でした。
何も考えられずただボーッとしていました。
どのくらいの時間ボーッとしていたか分かりません。しばらくすると、
ガチャとドアが開き看護婦さんが現れました。看護婦さんは、
かなり驚いた表情で目を見開くと、そのままどこかに駆け出しました。

私はそれでもボーッとしていました。その後は担当医や他の医師たち数人が来て、
私に何かを話しかけているようでしたが、
私はボーッとしたままだったらしいです。その後時間が経ち意識もだんだんと
鮮明になってきました。

医師からは「さっき○○君の家族呼んだからね。
○○君は長い時間寝ていたんだよ。でも心配しなくていい。
もう大丈夫だよ」と意味不明な事を言われました。

起きてからも時間の感覚がよく分からなかったのですが、
やがて母らしき人と若い女の子が泣きながら病室に入ってきました。

それは母ではありませんでした。それに私の名前は○○でもありません。
母を名乗る女性は「よかった…よかった」と泣いて喜んでいました。
若い女の子は私に「お兄ちゃん、おかえり…」と
言いながら泣き崩れてしまいました。しかし私に妹はいません。
3つ離れた大学生の兄ならいましたが、妹などいません。

私は「誰ですか?誰ですか?」と何度も聞きました。
医師は「後遺症でしょうが時間が経てば大丈夫だと…」みたいな事を
母らしき女性や妹らしき女の子に励ますように言っていました。

「今夜は母さんずっといるからね」と言われました。
私は寝たままいろいろ検査を受け、その際医師に
「僕は○○でもないし、母も違うし妹もいません」と言いました。
しかし医師は「う~ん…記憶にちょっと…う~ん…」と首を傾げていました。

「○○君はね、二年近く寝たきりだったんだよ。だから記憶がまだ完全では
ないんだと思うよ」と言われました。そう言われても、私はショックな
感情すらありませんでした。
現実にいま起きている事が飲み込めなかったのでショックを受ける事さえ
できなかったのです。医師は言葉を選びながら、
私を必死に励ましていました。
母らしき人は記憶喪失にショックを受けて号泣していました。

私は「トイレに行く」とトイレに行きました。立ち上がる際に足が異常に重く、
なかなか立ち上がれずにいると、医師や看護婦や妹らしき人が
手伝ってくれました。

トイレに行くと、初めてあの夜の事を思い出しました。
不思議ですが、目覚めてからの数時間一度もあの肝だめしの事は
思い出さずにいました。トイレがすごく怖かったのですが、
肩をかしてくれた医師や付いてきた母や妹がいたので、中に入りました。

用を足したあと、鏡を見て悲鳴をあげました。
顔が私ではありませんでした。まったくの別人でした。
覚えていないのですが、その時私は激しいパニックを起こしたらしく、
大変だったらしいです。

その後は一ヶ月近く入院しました。私は両親と名乗る男女や、
妹を名乗る女の子や、見舞いに来た自称友達や、
自称担任の先生だったという男性らに「僕は○○じゃないし、あなたを知らない」
と言い続けました。

AやBの事や、自分の過去や記憶を覚えている範囲で話し続けましたが、
すべて記憶障害、記憶喪失で片付けられました。Aなど存在しない、
Bもいない、そんな人間は存在しないと説得されました。
しかし、みんな私にとても優しく接してくれました。

医師や周りの話だと、私は学校帰りに自転車のそばで倒れているところを
通行人に発見され、そのまま病室に担ぎ込まれたそうです。

私に入ってくるこの世界の情報はどれも聞いた事がないものばかりでした。
例えば、「ここは神奈川県だよ」と言われた時は、
私は神奈川県など知らないし、そんな県はなかったはずでした。
通貨単位も円など聞いた事もない。東京など知らない。
日本など知らない…という感じです。

そのつど医師からは「じゃあ、なんだったの?」と聞かれるのですが、
どうしても思い出せないのです。Aの名前も思い出せず、
「同級生の友達」と何度も説明しましたが周りからは
「そんな子はいないよ」と言われました。

あの施設に入り、あのフラフープに入った話を医師に何度も必死に
説明しましたが、「それは眠っていた時の夢なんだよ」という
感じで流され続けました。

しかし恐ろしい事に、私自身「自分は記憶喪失なんだ。
前の人生や世界は全部寝ていた時の夢だったんだ」と
真剣に思い始めていたのです。

「記憶喪失な上に、別人格・別世界の記憶が上書きされている」と
信じはじめていたのです。

どちらにせよ私には別人としての人生を生きていく事しか
選択肢はありませんでした。退院後に父や母や妹に連れられ自宅に戻りました。
「思い出せない?」と両親から聞かれましたが、
それは初めて見る家に初めて見る街並みでした。
私はカウンセリングに通いながら、必死にこの新しい人生に順応しようと
思いました。

私に入ってくる単語や情報には違和感のあるものとないものに分かれました。
都道府県名や国名はどれも初めて聞いたものばかりですし、
昔の歴史や歴史上の人物も初耳でしたが、大部分の日常単語については、
違和感はありませんでした。テレビや新聞、椅子やリモコンなどの
日常会話はまったく違和感ありません。

最初は家族に馴染めず、敬語で話したり、パンツや下着を洗われるのが
嫌で自分で洗濯などしていましたが、不思議な事に、
本物の家族なんだと思えるようになり、前の人生は前世か夢だと
思うようになりました。

そう思えてくると、前の人生での記憶が少しずつ失われていきました。
唯一鮮明に覚えていた両親の顔や兄の顔や友人の顔や田舎の街並みも
思い出すのに時間がかかるようになりました。

しかし、あの最後の一夜、宗教施設での記憶だけは
ハッキリ覚えていました。
特にあの満面の笑みの老人の顔は忘れられませんでした。

新しい生活にも慣れ、カウンセリングの回数も減り、
半年後には高校にも復帰しました。二十歳で高校3年生からやり直したのですが、
友人もでき、楽しさを感じていました。テレビ番組も観た事がない
番組ばかりでとても新鮮でした。

神奈川県の都市でしたので都会の生活もすごく楽しかったのを覚えています。

しかし、高校復帰から4ヶ月ほど経った後に意外な形で、
あの世界とこの世界とをつなぐ共通点が現れました。ちょうど夏休みに、
私は宿題の課題のため、本屋で本を探していました。

すると並べてある本の中で「○○○○」という文字が目に入りました。
宗教関連本でした。「○○○○」というのは、紛れもなく、
私が最後の夜に侵入した新興宗教の名前でした。

私は驚愕しました。そして本を手にとり、必死に読みました。
「○○○○」はこの世界では、かなり巨大な宗教団体というのが分かりました。

私のいた世界では名前も聞いた事がない無名の新興宗教団体だったのに、
こちらでは世界的な宗教団体だったのです。それから私はその宗教の関連本を
何冊も買い読みあさりましたが、それは意味がない行為でした。

読んだからといって何も変わりません。戻れるわけでもなければ、
誰かに私の過去を証明できるような事実でもありません。

周りに話したところで「それは意識がなかった時に○○○○が夢に出てきただけだ」
と言われるだろうと思ったからです。

それに、親切にしてくれる新しい家族や友人たちに迷惑や
心配をかけたくなかったのです。せっかく高校にも復学し、
過去の話をしなくなった私に対して安心感を感じてくれている周囲に対しての
申し訳なさ、またカウンセリングに通う苦痛を考え、
私は見て見ぬふりをする事にし普通に人生を送ってきました。
17年が経ち、私も今は都内で働くごく普通のサラリーマンです。

ではなぜ今さらこんな事を書き記そうと思ったかと言うと、
先月、私の自宅に封書の手紙が届きました。匿名で書かれた手紙の内容は

「突然で申し訳ありません。私はあなたをよく知っています。
あなたも私をよく知っているはずです。あなたを見つけるのに
とても長い時間と手間がかかりました。あなたは○○という名前ですが、
覚えていますか?また必ず手紙を送ります。この手紙の内容は誰にも
言わないでください。あなたの婚約者にも。よろしくお願いします」

という内容でした。○○○と呼ばれても、私にはもはや全くピンときませんが、
以前そんな名前だったような気もします。
手紙が送られてきた事に対しては不思議と恐怖も期待もなく、
どちらかというと人ごとのように感じました。そして、その手紙の
相手は先週二通目を送ってきました。

要約すると「あなたが知っている私の名前は○○です。
あなたは覚えていませんよね?どうやらここにはあなたと
私しか来ていないようです。」と書かれ
「今月25日の19時に○○駅前の○○にいるので、必ず来てください。
あなたに早急に伝えなければならない事があります。必ず一人で来てください」
と書かれていました。

私には○○の名前が誰なのか一切覚えていませんが会いに行くつもりです。
行かなければならない気がしています。
誰がそこに立っていたとしても思い出せないと思いますが、
あの夜のメンバーなら話せば誰なのか分かります。
できればBであってほしいです。

なにが起こるか分からないので、こういう形で書き残そうと思いました。
同じような文面を婚約者と唯一の身内になった妹には残しておこうと思います。
長々と読んで頂いてありがとうございました。
ガリレオの苦悩
本当に頭がよくなる1分間勉強法

出土品

763 :おいら ◆9rnB.qT3rc:2010/05/02(日) 16:42:56 ID:EgsXsJKE0
【出土品】
1/3
「お兄ちゃんの知り合いのあの子なあ、アレとはイマイチ合わん」
上野の飲み屋で、味噌鍋を二人でつつきながらヒレ酒を呑んでいたとき、急に広島弁の
ジイさんに言われた。最初、何を言っているのか判らなかった。

どうやら、最近ここに飲みに来るミカドさんのことを言ってるらしい。
この広島弁のジイさんは三船敏郎声のヒッピー崩れ。
「ごめんねバアさん」の時、空襲で死んだ女の子の憑き物を抜いて貰った恩人だ。
だが、ふざけているのかヒネくれているのか、自分の名前を絶対に明かさない。
店の大将も教えてもらえてないそうだ。そのくせ、お爺さんと呼ぶと怒る。始末に悪い。

一方ミカドさんは、変な踏切で助けた訳アリ女子大生だ。ここを彼女に紹介してから、
このジイさんとも何回か顔を合わせていたが、当の店の大将がそういった話をあまり
好まないので、お互いにオカルトな話題は振らせない様にしている。
彼女の『スタンド』と呼ばれる、大きな黒い口のワニの化け物の話題にも、今ひとつ振り
切れていない。そこのところは残念だ。

「あの子って、ミカドさんの事ですか?」
「帝?大仰な名前じゃのう」
「違いますよ。三門と書いてミカド。大仰でも何でもないでしょ」
「変わらん。空門、無相門、無願門で三門。三解脱門じゃ。知らんのか?」
…このジジイ、こういったことは変に詳しい。実際、何をしていた人だろう?
というか、その前にいい加減あんたの名前を教えろよ。話し難くて仕方ない。

764 :おいら ◆9rnB.qT3rc:2010/05/02(日) 16:43:45 ID:EgsXsJKE0
2/3
「何か理由でも?彼女、気に障るようなコト言ってましたっけ?」
「いんや。よう解らんが、コレが妙にイガイガしよる。それと爪先が痛い」
「それも、決まってあの子が来ているときだけよ。気味が悪い」
あの…その爪先が痛いってのは、痛風です。きっと。オカルトとは関係ありませんから。
と思っていると、ジジイがGジャンの上着のポケットから、何か取り出すのが見えた

ポケットから出されたソレ。ヒッピー崩れのジジイが持つには、不釣り合いなアクセサリ
だった。おい、いつも言ってる割には、ピースマークじゃないのかよ。ガッカリだ。

ブローチくらいの大きさか、象牙で出来ている様にも見えたソレは、何と言うか…
何かの爪が2つ、三日月のように連なって「C」の字を成していた。
ブーメラン?いや、何かの刃物を模している様にも見えるが…多分日本のものではない。
どことなくアジア系の意匠の浮き彫りには、全面に赤黒くスミ入れが成されている。
結構古いものかもしれない。

で、ミカドさんが近くにいるとイガイガ反応するわけですか、これが?
彼女の『スタンド』と関係があるのか?判らない。取り敢えず今は話題を戻そう。

どこで見つけたのかしつこく尋ねても「それは話したくない」と言って、ジジイはどこか
苦しそうに笑った。
これはジイさんの個人的なお守りなのだという。詳しい入手の経緯を聞きたかったが、
上手くはぐらかされる。

「ほんなら、少しだけ教えたる。コレは越南の土産じゃ」
「骨と一緒に出て来た。大勢の人の骨だ。その中にあった。ワシが掘った」
「この黒いのは人の血だ。洗っても取れん」
「…」
店の大将が、露骨に嫌な顔をしたのが横目に入ってきた。

765 :おいら ◆9rnB.qT3rc:2010/05/02(日) 16:44:21 ID:EgsXsJKE0
3/3
かの国で大勢の人が一時に死んだとなると、その原因はだいたい察しがつく。
ヒッピージジイでPieceと言えば…、
「ベトナム戦争ですね?その時の遺骨と一緒に出た…?」

ジイさんは眉を片方上げて、少しニヤリとした。ビンゴだ。
でも当時、その戦争に反対していたヒッピーが、何故現地に行っているのだろう?

その後、ジジイから引き出せたネタは、結局一つだけだった。
それもくだらないクイズ付き。しかもおいらが正解した訳ではない。

「教えてくださいよ。ベトナムの何処で出たんです?」
「ワシの口からは言えん。呪われとる、嫌な場所じゃ」

「その変わり、クイズを出しちゃる。当ててみい」
そう言って、横に置いていた店の味噌の容器を逆さにして、ドンとカウンターの上に
置いた。
「ほれ、読んでみ」
「はぁ…味噌の反対…醤油じゃなくて、塩でもなくて…、トンコツでもないよな」
「ばかもん。そのまんま読まんかい」
「味噌、噌味、ソミねぇ…ソミ…ソミ…うーむ」

ジイさんはマジにイラついていたのだろう。そこまで言っておいて、思わずその呪われて
いるという、嫌な場所の名前を、自ら言ってしまった。

あの有名な、虐殺のあった村の名前だった。
心を空っぽにすれば夢が叶う
パラドックス13
怖い話 オカルト板まとめ
2chの怖い話 都市伝説まとめ
2chの怖い話 シリーズ物まとめ

空に叫ぶ

586 :おいら ◆9rnB.qT3rc:2010/02/08(月) 17:18:26 ID:hdrgXARs0
【空に叫ぶ】
1/3
仕事に就いたころ、彼女と一軒家に賃貸で住んだことがある。三角屋根の一棟を左右に
半分にした二世帯住宅だ。隣には別の夫婦が住んでいた。丁度子供さんが大学に入って、
子育てに一段落ついたくらいのお年のようだ。二人でお暮らしだった。半年くらい経って、
夏の休日の昼間に二階の机に向かっていたところ、隣の下のベランダから、隣の奥さんが
誰かと口論しているのが聞こえてきた。結構な大声だ。

喧嘩でもしているのだろうか?…だが、相手の声は聞こえなかった。
「お父さんの体だけ狙ってる泥棒猫!」
「子供すら作れない癖に!」
「お父さんに何て言ったのよ!」
「嗚呼、イヤラシイ」
「殺してやりたい!きっと殺す!私は負けない!」
聞くに耐えない。普通なら大声で叫ぶなんて、いくら何でも憚られる内容だった。

誰と話をしているんだろうか?こんな際どい内容だし、たぶん身内だろう。おいらは首を
延ばして、開いた窓から声の聞こえる方を覗き込んだ。ベランダに出ている彼女が見えた。
彼女はこちらには気づいていない様だ。
「また来てる!このウチは私のものよ!何で来てるのよ!」
家の中に誰かいるのか。親戚でも来ているのか?

だが違っていた。彼女は物干し台の横に仁王立ちになって、ベランダの向こうの木立の方を
睨みつけ、空に向かって叫んでいた。
「イヤラシイ!あんたのせいだ!」
あーぁ。と思った。いわゆる統合失調症、略して「統失」というヤツだ。

587 :おいら ◆9rnB.qT3rc:2010/02/08(月) 17:19:16 ID:hdrgXARs0
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おいらはこの日が初めてだったのだが、彼女に言わせると、旦那さんが居ない昼間、
決まった時間にあれが始まるのだという。会話の内容は、ほぼ決まってあんな感じ。
何か、不倫の恋仇相手に戦いを挑んでいるようだ。これが始まると、流石においらの彼女も
外で干し物が出来なくなる。外に出られないのだ。

その年の年末、お隣り宛にお歳暮が届いたらしい。そしてその日の午後、また始まった。
「こんなお歳暮で騙されると思ってるの?」
「何とか言ったらどうなのよ!」
「こんなものお返しするわ。イヤラシイ。もう二度と送って来ないで!」
今度は部屋に置かれたお歳暮の包み相手に戦っているらしい。いつものパターンだ。
しかし、いつ聞いても猥雑で一方的な叫び。気分が悪くなる。

ビビったのは、その夜、そのお歳暮がおいらたちの家の玄関先に置かれていたことだ。
手紙が添えてあった。『今度、こんな事をしたら、本当に殺します』と赤いボールペンで
殴り書きがしてあった。再度、隣に返す訳にもいかないので、まんま捨てた。
包丁でメッタ刺しにしたのか、包みがズタズタに切り裂かれていた。詰め折のハムにまで
達する程だった。よほど力任せに刺したのだろう。ぞっとした。

これは彼女の頭の中で、隣の住人であるおいらたちが、視界に入って来たということを
意味する。しかも、彼女にとって友好的なキャラでは決してなさそうだ。
流石に、おいら達も身の危険を感じて、この件は大屋に相談した。だが、直接被害を受けて
いない状況ではどうすることも出来ない。いつもは普通に会話出来るのだ。暴力沙汰を
起こしているわけでもないので、警察にも相談出来ない。

しかし、一旦スイッチが入ってしまうと、何をするか皆目検討がつかない。
大屋さんから、旦那さんにそれとなく言ってくれないかとも頼んだが、家庭内の事情だし、
そもそも旦那の居るところでは発症しないので、旦那には実感が伴わないのだという。
故に病院で診察を受けさせることも叶わない。

588 :おいら ◆9rnB.qT3rc:2010/02/08(月) 17:20:19 ID:hdrgXARs0
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「だって、旦那の不倫も原因の一つではないの?」と喉まで出かかったが、その証拠もない。おいらも意を決して、一回隣の旦那に会いに行ったことがある。
「まあ、ウチの問題ですからね。済みませんが、おひきとり下さい」
面倒臭そうに旦那に言われ、ここで成す術が無くなった。完全に八方塞がりだ。

その時には、こっちの彼女のストレスも、もう限界に来ていた。
…潮時だ。おいらたちがこの家を出る事にした。これ以上ここには居られない。
引っ越しのトラックに積み込みが終わったところで、当人夫婦が出てきて見送りに来た。
今日はまともだ。旦那が横に居るからか。

「まあ、折角お隣りになったのに、もう越されてしまうの?淋しいわ」
よくもヌケヌケと。しかし、今の状態の彼女には全く悪気は無い。これが始末に悪い。
誰のせいでこうなったか、今この場で言ってやろうか!とも思ったが、横に居た彼女の
一言に毒気を抜かれてしまった。

「奥さん、…死ぬまでずっとあのままなのかな…」
彼女にとって何が敵なのか?多分全てだ。彼女を気遣いもせず、治療させようともしない
旦那、ことなかれで傍観する大屋、今こうやって逃げ出すおいら達、そして彼女自身の頭。
…彼女の身近を取り巻く全てと、彼女自身が、彼女の敵なのだ。

車に乗り、運転しながらそう考えていると、少しばかり奥さんが気の毒になった。
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