震災直後から、自分にできる唯一の、そして最善のことは
「いつもとおなじ生活をすること」
だと思っています。
以前とおなじように会社に行き、以前とおなじように店を開け、以前とおなじように働く。
以前とおなじように暮らしを楽しむための消費活動に参加し、
ちょっと釣銭とかたまったら寄付などする。
いちばんは、このことを覚えている。ずっと。
この復興は長丁場ですから、一過性の熱で支援をするのではなく、
長いスパンでできることを続けていかなくてはいけません。
無理は禁物。
そう思ってきました。
同時に、いずれ現地ボランティアで役に立てる機会があれば参加したいとも思っていました。
阪神淡路大震災のときも、中越地震のときも、
なにかしたいと思いながら生活に追われてろくろく寄付もできず、
体調も思わしくなかったわたしは、なんの役にも立てなかった。
そのことが、ずっと心に残っていたのです。
でも自分ができることといえば傾聴とかハーブとかアロマとか。
生命維持がミッションという緊迫した現在のニーズとは異なります。
もしお役に立てることがあったとしても、それはもう少し先の話だろうと考えていました。
ところが、間近にこんなチームができました。
おもに森や水を守り支える活動を行っている「日光森と水の会」のメンバーが主体になって立ち上げた、
石巻に暮らしたいひとたちを応援する肉体労働系集団です。
このチームが、
4月8日(金)~10日(日)の三日間、
石巻ボランティアセンターにベースを張って泥だしをする仲間を募集していると聞きました。
毎月第二金曜日、わたしは園芸ボランティアのために休暇をいただいています。
3月11日も、
の方々と老人施設で園芸セラピーのお手伝いに参加。その午後にあの激震がありました。
いつも訪れている施設のひとたちにも会いたくてたまらないけど、
週末お店をクローズすれば行けるのか・・・。
震災のあとも、ずっとお店を開けてきました。
誰も来なくても、ずっと開けると決めていました。
が。
気温が上がる前になるべく泥をかき出してしまわないと、
衛生上問題があるとのこと。
お店を臨時休業するのは「いつもとおなじ生活」をすることにはならないけど、
そうすることで、いましかできない、いますべきことができるなら。
いつか石巻でおいしいお魚を食べるための準備になるなら。
「できますかね」
おそるおそる、メンバーの方に尋ねたら、
「大丈夫!」
とのあたたかいお言葉。
わたしにできることがあるなら。
行こう。
生まれて初めて、災害ボランティアに参加することになりました。
(この項おわり)