51■ゆゑ・よし
受験生のための単語リストです。
ここでは「故:ゆゑ・由:よし」を採り上げてみました。
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■次の語の意味をA→Bで確認!
A 単語リスト
1・ゆゑ
2・よし
3・け
4・~ままに
B 語義と語感
「故=ゆゑ」は根本的な理由・由来、一流の由緒、それに付随する風情や教養を表すのに対し、「由・縁=よし」は二流、二次的な口実・かこつけ・伝聞事情・体裁を表すと言う。多義語であり、文章中の文脈でよく意味を考えなければならない。理由をあらわす、「故」に相当する「~け」、「~まま」も採り上げてみた。
1・ゆゑ
=①理由・②由緒・③情趣・④縁など
■→「ゆゑゆゑし」は、もったいぶっている
2・よし
=①理由・②方法・③由緒・④事情・⑤縁・⑥風情・⑦~のこと(旨)
■「よしなし」は、これら「よし」がないこと。また、それに基づく不満の思い=つまらない・役に立たない
3・け=理由(~ので)
4・~ままに=理由(ので)
■→理由を表す語として一応加えておく。3「け」は漢字を当てれば「故」であり、「御手もわななくけにや(お手が震えたためであろうか)的のあたりだに近く寄らず」のような用例があり、4「~ままに」は「いみじくこころもとなく、ゆかしくおぼゆるままに(たいそうじれったく見たいと思われるので」のような使われ方である。
■例文で演習!
C 例文
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この獅子の立ちやう、いとめづらし。深きゆゑあらん。
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母こそゆゑあるべけれ。
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木立おもしろく前栽もをかしくゆゑを尽くしたり。
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もし旧き男にてありし人(昔の夫)のゆゑなどにてもやおはしますらむと思ひつれ
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こころづきなき事あらん折は、なかなかそのよしをも言ひてん。
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恋ふれども逢ふよしをなみ
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母北の方なむ、いにしへの人のよしあるにて
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(門出をした)そのよしいささかものにかきつく。
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春日の里にしるよしして、狩りにいにけり。
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木立、よしあるさまの所なり。
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細かにはあらで、ただ覚えぬけがらひに触れたるよし奏し給へ。
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よしなき争ひをして、つひに命を失ふ、愚かなることぞ。
D 例文の解釈
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この獅子の立ち方はたいそう珍しい。深いわけがあるのだろう。
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母は由緒ある人なのであろう。
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木立も庭の植え込みも風情を尽くしている。
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ひょっとしたら昔の夫であった人のゆかりの人などでいらっしゃるのだろうかと思ったので。お手もふるえるせいだろうか。(矢は)的の付近にさえ近づかない。
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気にくわないことがあるような時は、かえってその理由を言ってしまうのがよい。→文法:てん=強意+適当
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恋しいけれど逢う方法がないので→語法:AをBみ=AがBなので
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母である北の方は昔風の人で、由緒ある人であって→文法:の=同格
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その事情をほんの少しものに書き付ける。
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春日の里に領地を所有する縁があって狩りに出かけた。
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木立が風情ある様子の所である
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細かくではなく、ただ思いがけない穢れに触れたこと(旨)を天皇に奏上なされ。
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つまらない争いをして、とうとう命を失うというのは愚かなことである。