こんにちは。そらのこくばんです。

※投稿日が、下書き保存日になっておりましたので、変更いたしますアセアセ

 

こずえちゃんの最後の登校は卒業式の朝ですが、その日、ママは着物を着る予定でいたので、こずえちゃんの後について、自転車を押しながら通学路を歩くのは、今日が最後となります。

来る日も来る日も、同じ道を歩ったことを思い起こすと、ぼくもママの感慨深いものがあります。

 

 

こずえちゃんの支援学校では、自立登校、自主登校、スクールバス、保護者送迎の4つの登校方法があります。

 

自立登校とは、自宅から学校まで自転車や公共交通機関を利用し、自分の力で登校するスタイルで、将来、就労先まで自分で行けるようになることを見据えての訓練の一つでもあります。

 

自主登校とは、バス停まで自分の力(徒歩)で行き、そこからバスにのって登校します。学校までは距離があって難しいものの、ある程度、交通ルールや周りの状況、トラブルがあったときの連絡ができる生徒さんが行うもので、先生の確認と学校の許可をもらって行う方法です。

 

スクールバス登校は、バス停まで保護者の方が送迎し、添乗員の方にバトンタッチし、帰りもバス停までお迎えに行き、切れ目のない支援で登下校をサポートするスタイルです。

 

保護者送迎は、学校まで保護者の方が生徒さんを送迎し、学校の昇降口で先生への引き渡しを確実に行う方法で、情緒面や病気やケガなど、バスで通うのがちょっと難しいときや、コロナ禍でバスの密を避けるためなど、必要な場合に行われます。

 

こずえちゃんは、なーんにも教えなければなーんにも出来ないけど、一生懸命丁寧にきめ細かく教えると、わりとできるようになり、一度きちんと理解すると、その通りに行うことには、結構信頼感があると、ママは一番よく知っていたので、特別支援学校に高等部から入学するとすぐ、自主登校の練習を開始し、夏休みが終わるまでママとたーくさん練習し、先生の確認をもらって、自主登校を始めました。

 

まあ、その道のりの長かったこと... 

まるで自動運転のAIに、気の遠くなるような実証実験を何万回も行うのに似ているなぁーと、ママは感じています。だけど人間が行うことなので、完璧は難しく、いつもどこかで心配はつきものでした。

 

例えば... 道路を渡るときは、みき・ひだり・みぎを見ますが、一般のお子さんですと右から車や自転車など、危険なものが来ないか確認し、左も同様に行い、最後にもう一度右をみて、安全に渡りきることができることを認識した上で、道を渡ることを始めますが、こずえちゃんにそのまま「道路を渡るときはみぎ・ひだり・みぎを見るんだよ。」と伝えると、顔だけはみぎ・ひだり・みぎと動かすけれど、肝心ななぜその動作をするのか、いったいどこの何を見るべきなのか、仮に車がきていてもどの程度の距離なら安全に渡れるのかなど、こちらの意図を理解するのがとっても難しく、それこそママは、言葉よりは文章の方が理解しやすいこずえちゃんに、文字や図や絵を何枚も書いて説明し、通学路の写真をとって道の特徴やチェックポイントをあらかじめ予習した上で、実際に歩いて練習をしました。

 

また、道路と言いうものは、季節や天候、時間帯でも刻一刻と状況が変わります。朝の登校時間は、他の学校へ登校するお子さんもたくさんいいるので、特に自転車の通行の妨げにならないように道のどの辺りを歩けば良いのか、雨が降って水たまりができたときは、どうすれば靴が水没しないのか、夏になって植え込みの葉っぱが大きくなり、迂回しすぎて自転車とぶつからないようにするにはどうしたらよいか、風の日に帽子が飛ばされないための方法、カッパのしまい方、折り畳み傘のたたみ方など、思い出すとぼくだって目が回りそうになるくらい、たくさんのことを練習していろんなことができるようになりました。

(余談ではありますが、楽しく練習すればいいのに...といつもぼくは思うのですが、何とかしようと一生懸命になりすぎるママと、わからない自分自身に腹を立てつつ、人から指導されるのが腑に落ちないこずえちゃんは、ケンカになることがしばしばの、練習の日々でしたアセアセ

 

 

本当はもう独りで通えるので、後からついていく必要がなくなった思い出の道を、『そうだ、草むらにまぎれて、見えなくなった針金に足をとられて転んだこともあったっけ...。』と、ママはあれこれ思い出しながら、こずえちゃんの少し後をついてバス停に向かいました。