子どもが学校に行きたくないと言い出したとき、わたしはすぐに「自分のせいだ」と考え、自分を責めた。

 

ちょうどそれは、職場の海外研修で1週間ほどシドニーに行く、2か月くらい前だった。

 

以前の記事でもすこし書いたが、2015年にわたしはTOEICスコアアップのための研修を半年間受講していた。

TOEICで、ある一定のスコアを取れば、海外研修への道が開けるというのも、わたしが英語の勉強をがんばる励みのひとつだった。

 

半年間の研修で、大幅にTOEICスコアをアップさせることができたわたしは、2016年11月に晴れて海外研修に行けることになった。

 

じつは、わたしはそれまで、人生で一度も日本から出たことがなかった。

「日本以外の国に行ってみたい」

「いろんな世界を見てみたい」

そう思いながらも、それを行動に移せないまま40年近く生きてきた。

 

そんなわたしが、ついに「日本以外の国へ行く」という夢を叶えられる、そんなタイミングだったのだ。

 

長男は、わたしが1週間も家からいなくなること、さらには日本からいなくなること、飛行機に乗って移動すること、などなどに対して、海外研修に行くことを告げた瞬間から、不安と不満を訴えていた。
「心配だ」「いやだ」と言い続ける長男に対して、当時のわたしは深く罪悪感を感じていた。
 
そして、そんなタイミングで「学校に行きたくない」と言い出した長男。
 
わたしは、すぐに「わたしがシドニーに行くせいだ、、、」と思ってしまった。
 
学校の先生がたにも、わたしはそんな風に説明した。
「わたしがシドニーから帰ってくれば、また学校に行けるようになると思います」
(このときは、まだ、学校に行かないことを受け入れられていないので、『行ける』っていう表現をしていた)
 
職場で長男が学校へ行けなくなったことを話したら、
「だいじょうぶ?そんな状態でシドニー行けるの?」と上司から聞かれ、
子どもが学校へ行けないという『一大事』が起きているというのに、子どもを置き去りにして自分勝手な夢のために海外へ行こうとしている自分に対して、さらに罪悪感を感じた。
 
シドニーへ行く日、東京へ向かう新幹線に乗るわたしを、泣きながら見送る3人の子どもたちの姿も、さらにわたしの罪悪感を刺激した。
 
しかも、わたしがシドニーに行ってすぐに、長女は胃腸炎になるし、、、泣
 
『あーーー、もう、わたしはなんてダメな母親なんだろう。』
と、自分を責めまくった。
 
でもシドニーはやっぱり楽しくて、ひさしぶりの子なしライフもしあわせで、「あー、子どもがいないと、こんなに自由な時間がもてるのか」「あー、子どもが一緒に寝ないと、こんなに伸び伸びと快適に眠れるのか」と、ついつい羽を伸ばしてしまう自分。
 
『こんなわたし、なんてひどい母親なんだろう』
 
わたしは、心の中で、自分に『最低の母親』というレッテルを貼った。
 
 
と、今ふりかえると笑っちゃうくらい、自分を責めて悲劇のヒロインぶってたなあ。
 
こうして文字にすると、なおさら茶番ですね。
 
 
だけど、わたしたちって、しょっちゅうこういうことしてる。
 
 
で、結局のところ、わたしがシドニーから帰っても、長男はあいかわらず学校には行かなかった。
 
そりゃそうだ。
長男が学校に行かないことと、わたしのシドニー行きは、別に関係ないんだもの。
 
 
あんなに自分のことを責めまくっていた当時のわたし。
自分責めなんてしなければ、もっとシドニーを満喫できたかもしれないのに、もったいなかったなあ。
 
だけど、あれはあれで、わたしにとって必要な体験だった。
 
 
『自分責めはやめよう』
 
今のわたしが心がけていること。
 
自分責めをしてると、せっかくの楽しい人生が台無しになって、もったいない。
 
だいたい、責めているのは、自分だけなのだ。
 
周りの人に責められているように感じることがあっても、それは、自分のかわりに、周りの人が責めてきているだけ。
 
自分が『自分責め』をやめはじめると、自分を責める人も不思議といなくなる。
 
わたしは、自分を責めてくる人が現れたときは、自分を責めている自分に気づくきっかけにさせてもらっている。
 
(次回へつづく)