今、話題の「いつやるか?今でしょ!」で有名な林先生の著書を読みました。
『いつやるか?今でしょ!』林修・著(宝島社)
林先生は、東進ハイスクールの現代文の先生をされています。
以前、私が東進で働いていたときは、現代文といえば、出口先生か板野先生だったので、興味を持ち、今回本を手にとった次第です。
2点ほど面白いポイントがあったので、ご紹介します。
まず、ひとつめ。
質問は「意味を考えて」すべし!
(同書、23頁)
例として、次の会話が挙げられています。
「やったほうがいいですよ」
「これはどうですか?」
「やったほうがいいですよ」
「じゃあ、これはどうですか?」
「やったほうがいいですよ」
以下、続く。
(同書、24頁より引用)
先生としては、「やらないほうがいい」参考書などまずないので、この質問に対しては「やったほうがいい」と答えているとのことです。
私もブログをやっている関係上、毎日メールやメッセージが届くのですが、同感です。
質問を見れば、大体受かるかどうかまで判断できます。それだけ、慎重に質問をする際には、練るべきなのです。そうしないと、不利益をこうむるのは質問者自身だからです。
もちろん、自分の生徒をカウンセリングする場合、生徒にそういった性質のことは求めていないため、私のほうで必要な情報は聞き出し、アドバイスをしています。
もうひとつのポイント。
「そんなに現代文ばっかりやっていると、落ちちゃうよ」
(同書、80頁)
先生の授業を受けていて成績が上がらないようなら、他の科目を伸ばしたほうが早いというのです。
これは、なかなか先生方は言いませんし、言えません。なぜなら、特に予備校であれば、自分の講座を受講してもらわないことには、給料が出ないからです。
予備校に限らず、高校の先生にもありがちなこと。数学が苦手な生徒にたくさんのプリントを課し、他の科目をやる時間が足りなくなるという悲劇です。
もちろん、当の先生は善意だとは思うのですが、受験全体から見れば「アウト」です。
皆さんは、もうおわかりですよね?
膨大な時間を費やし、数学を30点伸ばしたとして、他の科目の60点を失ったら、結果として「どうなの?」ということです。
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記事後記
本の中で、「おのれの適性と脚質を知れ!」という項目があります(同書、172頁)。これに似たような話を予備校の講演会で、東大医学部の先生もおっしゃっていました。
それは、医師にはいくつか節目がある。節目とは、大学卒業後、初期研修後、そういったタイミングのことです。そこで、自分の得意なことを活かせないのか、考えるといいとのこと。
なんでもオールマイティーにできる人は(あまり)いません。時間も有限ですよね?
そんなことを本を読んでいて、ふと思い出しました。