前回の続き。
T耳鼻咽喉科クリニックに行き、
Bスポット治療をお願いすると
院長先生であるT医師は何故か不思議そうな顔をした。
きっと自らその治療をしてくれと
申し出る患者はそういないのだろう。
Bスポット治療法は、
専用の長い綿棒で、
収れん剤である塩化亜鉛の1%溶液を
直接上咽頭に塗布し、炎症を焼く。
強い炎症があると容易に出血し、
かなりの痛みが伴う。
覚悟をして椅子に座ったが、
先生が綿棒を口の中に入れて
グリグリと患部をこすると、、、
!!!
イタ------ッッ!!
痛いってもんじゃない!
痛しみるッ!!
私は悶絶した。
先生は、
「ごめんね、ごめんね~」と言いながら
綿棒を引いた。
すると、
綿棒の先にはベッタリと血液が付着していた。
それを見て先生は興奮気味に
「こんなに血液が付く人は珍しいですよ!」
と何回も言った。
「これで症状が改善するかな~♪」
鼻歌でも歌い出しそうに楽しげだった。
私はと言えば
のどがヒリヒリするのを感じながら
やっぱり上咽頭に強い炎症があったんだ!
良かった、
これで症状から逃れられる!
そう安堵した。
3ヶ月近くかけて合計18回、
塩化亜鉛を患部に塗布すると
血液は段々と付着しなくなった。
治療を続けて、
慢性上咽頭炎そのものは改善した。
が、
私が悩まされている症状はそのままだった。
現実は甘くなかった。
先生は、
「治らないですか…」
としょんぼりした様子でいつも聞くので
こちらが慰めたいくらいだった。
お笑いの間寛平ちゃんを
若くして真面目にしたような、
親しみやすい先生だったから。
いや、それはどうでもいいけどね
結局、私の症状は、
慢性上咽頭炎にあるのではなく
他に原因が存在するのだろう。
また一から始めようと思った。