未だかつてあっただろうか。まさか政見放送でグラビアとは。
「政見放送 伝説」と検索してみると、躍り出てくるのが外山恒一氏。どうやら異色候補の元祖らしく、2007年の都知事選で「私が当選すれば私が一番驚く」と言ってのけ、カメラに中指を立ててみせた。
なんだ大したことないじゃないか。いまや、異端派の方が多数派という末期症状ぶりだ。中でも翔んでいるのが、 服を脱ぎ、お乳を放り出すまでにいたった女性候補である。
なるほど、セクシー候補筆頭だけあって大した巨乳だ。これだけのものがあれば、ドクター中松あたりとはいい勝負できるんじゃなかろうか。
しかし、実にけしからん。
もっともけしからんのは、
「可愛い私の政見放送を見てね」
「どう、セクシーでしょ」
なのにちっとも可愛くもエロくもないじゃないか。
(31)が可愛いを言うのは、それは違うと思う。
女性は50からだ。三十路もまだ迎えたばかりの若造が可愛いを語るんじゃない、バカタレ。
読者諸貴の方々はいかが思われるであろうか。たしかにここ日本では、ことさら若いが偉いと有り難がる風潮があるが、果たしてそれは正しいのであろうか。
「マゼラーティがエロい」
「Eタイプがセクシーだ」
「フェラーリなんて…ちょっと、ヤダぁ//」
クルマも同じだ。色気となると、取り沙汰されるのはスポゥツカーばかり。それって、手島優の巨乳グラビアを有り難がるのと同じで、少し知性に欠けるように思われるのは私だけか。
セクシーなクルマとは。
2代目プレマシーであり、2代目グランディスであって、現行ステップワゴンを経由し、2代目イプサム後期型に帰着する。
これすべてミニヴァンである。つまり、熟女。年を重ねるにつれて深まる品性が、いっそうのエロスとなって私の交感神経を刺激するのである。やっぱり、松坂慶子はいい。2代目プレマシーの後期型なんて、愛の水中花だなぁって佇まいをしておりますものね。
鶏頭や雁の来る時なほ赤し芭蕉
魑魅魍魎たる都知事選。こんなロクでもない街に、私は行かなくてはならない。来月には、ここに毎日通わなければならない。なんと憂鬱であろうか。すでに私は古里を離れる覚悟をした。
故郷は遠きにありて思ふもの。
今宵は小池百合子の下着姿を想って、せめてもの慰めとしよう。