アイコニックSPにはホッとした。
めでたいことに、魂の咆哮は動物園されてなかったのである。
2ローターは発電専用であってもサウンドが驚異的だ。なんといっても、エンジェル・ヴォイスであろう。
天使のソプラノ「レクサス・LFA」よりもさらに2オクターブは高い咆哮に、私は呆気なく嗚咽した。
そこへきて極薄のサイドミラーに映るのは、リア・フェンダーの甘美である。これには興奮するなと言われても、どだい無理な話だ。
そっと男の男たる所以を赤らめると同時に、右足をさらに奥へと差し込める。アクセル・ストロォクはひどく長く、沼のようにみるみる呑み込まれてゆく。
時が、止まる。
そして、また動き出す。
しかしこれはなんだろう。
明らかに速い。
いやいや訂正だ。めっぽう速い。
いやちょっと待って。
これちょっと速すぎるぞ。
強烈な加速Gが襲いかかる。
これはモノホンのスター・ウォーズだマズすぎる。
このままでは、私のハン・ソロがチューバッカになってしまう。
やおら右足を引き抜くと、もとの世界が同じように回っていた。
凄い。
アイコニックSPは、紛れもなくスーパーカーだ。太陽系を跳び越えた感性性能である。
〈テスト:損小神無恒〉