GODIEGOThe Galaxy Express 999 English Version
1979年に公開されたアニメ映画、銀河鉄道999/The Galaxy Express 999は、原作マンガとTVアニメとは別物として作られました。主人公の年齢設定を3歳上げて15歳にし、思春期の青年の心理を描いた作品として作られました。この映画公開時、確か僕もちょうど15歳くらいでした。
そして、ロックバンドがテーマソングを歌う初のアニメ映画となり、映画、テーマソング、共に大ヒットを記録しました。そのテーマソングを歌ったのがゴダイゴ/Godiego です。
映画ではコーラスの繰り返しの英語部分以外は日本語で歌われました。しかし、この歌の完全英語版もあり、このシングルが発売された後はゴダイゴ/Godiego がテレビやコンサートで歌うときの2番は必ず英語版だったのです。2番を日本語で歌ったことは一度もないのでは?
実は日本語版のシングルが発売される前に、テレビ番組やステージで1,2番共に同じ歌詞の英語バージョンがすでに何度も歌われていました。 この後に発売されたゴダイゴ/Godiegoの2枚組ライブアルバム、マジック・カプセル/Magic Capsule に収録されているのが完全英語バージョンなのは、このことと関連しています。
ところで、この英語版のスタジオ録音バージョンは存在してましたが、当時は発表されませんでした。しかし、実は韓国でこの映画を見た人に限り、このスタジオバージョンを聞くことができたのです。それは、銀河鉄道999 が韓国で公開されたとき、韓国ではまだ日本の歌謡曲を聞いたり流したりするのが禁止されていたため、日本語以外のバージョンを流す必要があったのです。そのため、英語バージョンを使用したそうです。そのシーンを御覧ください!(歌のイントロから始まりますが、この動画自体はその前のエンディングのセリフ(韓国語)から始まります)
後に発表された正規の英語バージョンとは声の重ね方など、微妙に違うのにお気づきですか?ちょっと雑な録音のような気がします。 最後の繰り返しの部分はもうシングルボーカル。 イントロでは、映画ではシンセサイザーのオルガン音が際立っていますが、正式版ではピアノの早打ちが際立って、よりスピード感が増しています。また、映画では終盤のミッキー吉野による印象的なシンセサイザーの間奏が聞こえません。
こちらが公式発表音源。聴き比べてください。
英語の歌詞と和訳をどうぞ!1,2番とも同じ歌詞です。
作詞: 奈良橋陽子 作曲: タケカワユキヒデ
I thought I reached the end 終点にたどり着くと思った
The end of a long, long journey 長い、長い旅の終点に
Only to find it's not over 終でもまだ終わりではないことを知った
There's so much more to discover まだたくさん見つけるべきものがあるんだ
Somewhere in unknown space 宇宙のはるか彼方のどこかで
And the bright sea of stars そして明るい星々の海原の中で
Another star is calling 新しい星が呼んでいる
To dream on, to keep on searching 夢見続けて探し続けろと
As long as there are dreams 夢がある限り
Burning in the hearts of the young 若者の心の中に燃える↑
As long as there's desire 熱く望み続ける限り
You'll never tire 決して疲れることはないだろう
The Galaxy Express 999 銀河鉄道999は
Will take you on a journey 君を旅へと導いていく
A never ending journey 終わりのない旅
A journey to the stars 星をめぐる旅へと
この歌詞の英語について疑問点
タイトルの999を three nine と読めるのか?
おそらく、英米のネイティブスピーカーはスリーナイン/three nine とは読まないでしょう。 近いのは、three nines. このように複数形にすれば通じます。でも普通は、プロ野球でトリプルスリーが近年話題になりましたが、triple nine というのが普通だと思います。ここでは固有名詞と考えましょう。
I thought I reached the end (1行目)は正しいか?
これは正確には、
A. I thought I had reached the end
と過去完了形にすべきではないでしょうか?
歌詞をそのまま現在形に変えると、
B. I think I reach the end. 私は終点に着くと思う
「終点に着いたと思う」 のなら、現在完了形が来るはずです。
C. I think I have reached the end. 私は終点に着いたと思う。
歌詞の中で、it's not over というのを気づいたと言ってるので、B をそのまま過去にした A が正しく、歌うなら had を短くして
D. I thought I'd reached the end
と歌うべきでしょう。
You'll never tire (12行目)は正しいのか?
tire は他動詞で、人を「疲れさせる」という意味であり、この過去分詞である tired は「疲れている」という形容詞として固定化されました。なので、
E. You'll never get/be tired
とする方が自然だと思います。
メロディに乗せるのがちょっと難しいけど、歌えないわけではありません。 Holy And Bright/ホーリー・アンド・ブライト の英語バージョンに比べたら全然楽です。
実は tire には自動詞で 「疲れる」という意味もあるので、間違いとは言えないんですね。でもこの歌の歌詞以外ではあまり見たことがないのです。しかし、なんと、村上春樹の「ノルウェーの森/Norwegian Wood」の英語版で使われているのを発見しました!
歌詞の英文解釈や文法について、ご意見お待ちしております。
最後に、テレビ放映されたライブのコラージュ映像で!
実は、挿入歌、 テイキング・オフ/Taking Off も同じく英語版が使われました。この英語版はしばらくは幻の音源とされていましたが、やはり正規版とはボーカルが違います。
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興味深いテレビ番組がありました。「銀河鉄道999ができるまで」。未視聴の方はぜひご覧ください!
この機会に、この曲がどのように作られていたのかを教えてくれるドキュメンタリーテレビ番組をご紹介します。
初投稿日 2019年3月3日