『ゲーミフィケーション』~ゲームがビジネスを変える(1) | ONもOFFもあらゆるものに興味を持つ欲張りな人のブログ

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ONもOFFもあらゆるものに興味を持つ欲張りな人のブログ-ゲーミフィケーション

ここ数年で、頻繁に耳にするようになってきたキーワード、「ゲーミフィケーション」について、その起源や数多くの実例を紹介しながら、成功するためのポイントや直面している課題点、今後の展望などがまとめられた書籍です。

2011年のガートナー社による発表によれば、「2015年までにイノベーションを司る組織の半数以上がそのプロセスにゲーム的要素を取り入れ、2014 年までにグローバル企業2000社の70%以上がマーケティング&顧客維持のため、少なくとも1つ以上のゲーム化されたアプリケーションを持つこ とになる」とのこと。

さて、ゲーミフィケーションってどんな意味なんでしょうか。

”ゲームデザイン手法や仕組みを用いて問題の解決やユーザー契約などを獲得すること。例えば、既存のシステムやサービスへの、ポイント性、順位の可視化、バッヂ、ミッション、レベルシステムの採用など。さらにゲームの要素を盛り込むことによって楽しみながら意図せずそれらと関わっていってもらうことが目的で行われる場合もある。”(Wikipedia)

言葉にするとやや難解ですが、今や日常はゲーミフィケーションに溢れています。僕が使っているものだけでも、Foursquare(位置情報系)、Instagram(画像共有系)、Nike+、Runkeeper、onyourmark(エクササイズ系)、ブクログ、Studynote(読書・学習系)などのアプリやSNS、tumblrやアメーバなどブログ系、Likeやコメントなどフィードバック(評価)をもらえるFacebookやtwitterにもゲーミフィケーションの要素は盛り込まれているといえるでしょう。5年前にはほとんど世の中になかったものばかりということを考えると、驚きです。

それまでは、そもそも「ゲーム感覚で何らかの行動をする」という考え方がなかったのでしょうか??

ゲーミフィケーションの起源は、著者の井上明人氏によれば、江戸時代に日本全図を完成させた、伊能忠敬の歩数計にあるといいます。彼は、歩数計によって、「歩くことを計ること」で楽しんでいたのではないか、というのです。確かに!万歩計で歩数を毎日記録して、日に日に健康体になっていく感覚を楽しむのは、今に始まったことではないでしょう。文明が進化し、デジタル化が進み、簡単に正確に、スピーディにログを残せるようになっただけのことなのかもしれません。

また、foursquareは、「お遍路さん」や「東海道五十三次」、寺院で押す「御朱印帳」、小学生が夏休みにトライする「スタンプラリー」などにそのルーツを探ることができると言います。駅のスタンプは1931年に福井県で設置されたのが最初で、スタンプラリーは1970年に全国1400駅で設置された「Discover Japan」スタンプが最初の取り組みだそうです。このツイートは覚えておかなくちゃ 。に追加したいマメ知識ですね。)

自分の足で簡単には廻り切れない地点をコンプリートできた!という達成感は皆さんにもあると思います。祖父の家には、各地でしか購入できない各地の「通行手形」が壁一面に飾ってあったのを覚えています。幼いころ、御朱印帳も祖父に買ってもらい、親戚で旅行に行く際は、必ず持ち歩いていたものです。

そして、孔子の論語の中にも「ゲーミフィケーション」の思想を感じさせる表現があるといいます。「これを知る者は、これを好む者に如かず。これを好む者をはこれを楽しむ者に如かず」。知識だけあってもそれを好きであったり、楽しんで取り組める人にはかなわない、という意味ですね。


本著には、誰にでも身近なスタバやユニクロやディズニーの成功事例、セカンドライフやバーガーキングの失敗事例、大統領選でいずれもソーシャルゲームを利用したのに、なぜハワードにオバマが勝利したのかに関する考察、スーパーマリオはなぜあんなに流行ったのか、ゲーミフィケーションの進化により、近い将来の人々のライフスタイルや労働市場がどう変貌するかの予測など、興味深い内容が目白押しです。このブログでは別の機会にまた紹介したいと思います。

最近あまり遠出をしておらず、foursquareのチェックイン地点が会社ビルのスタバとバスケやる各体育館と近所の吉野家に集中してしまって危機感を募らせています。ちなみに、mayor(市長)は行きつけの飲み屋数件のみという有り様です。。もっといけてるスポットのmayorに就任できるように頑張ります。