Maniac (5) Verse1 テナートロンボーンが流れゆくダイナーシーン | SKZの音楽性を讃えるSound Mosaic

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0:25より

 

音楽は、リフレインのメロディをなぞったテナートロンボーン(的なデジタル鍵盤楽器)。Verse1の間、この金管楽器音が背後で自由に流れる感じがすごくおしゃれです。

 

 

(日本語歌詞は意訳してあります)

Verse 1

[I.N]
The real self has been released (Yup, yup)
Barely holding on (Yup, yup)

[Lee Know]

After blinking once, back
[Seungmin]

Again, back to cosplaying as what society
defines normal to be, ppow

 

本当の自分が解放された

なんとかしがみついているよ

瞬き一回で戻れ

もう一度、社会が普通と定義する

コスプレにパッと戻れ

 

 

先に驚かされた歌詞について書くと

what society defines normal to be ppow 

この一行です。

 

社会がノーマルと定義するコスプレ、とはなんと皮肉な言葉でしょうか。通常私達がコスプレするときは、他の何か誰かに似せる、なったつもりになるためです。社会が定義したコスプレというのはサラリーマンならスーツ、ユニフォームのある会社ならそのユニフォーム、警官ならポリスの服装、そういったものを指すのであって、これは「似せるため」「なったつもりになるため」ではないはずなのに、コスプレの一言で、私達の姿は仮のものであるということを伝えています。

 

さて、最後の単語はppowと発音しているので、「プハッ」といったような破裂音のオノマトピアかと思います。

 

制服や自分の身の丈にあったファッションが「社会が定義したコスプレ」だとすると、ここでSKZがお揃いのファッションをしているのは、まさにそれを表していると思います。

 

ではシーンごとに見ていきます。画像の上が歌詞歌詞の説明、下が映像や音楽についての考察です。

 

本当の自分が解放された

ロックが解除されて、自由になった。社会の習慣や毎日の生活のために回りに合わせていた自分に掛かっていた鍵が開いて、本当の自分自身が解放された。

ジャージにネクタイという学生とサラリーマンが混じったようなファッション。靴は全員ナイキのエアシリーズ。こうやって学生もサラリー感も同じようなファッションをしているよと示しているように思います。

 

 

なんとかしがみついているよ

でもなんとか、自分の役割にしがみついて普通のふりをしているよ

ガラスに書かれているのは、

"If you want breakfast in the bed, sleep in the kitchen"

これは「朝ごはんをベッドで食べたいなら、キッチンで寝なさい」

If you want breakfast in the bed, を聴いているあるいは読んでいる間には、誰かが朝ごはんを運んでくれるためのお願いの仕方のコツでも教えてくれるのかと期待しますが、その方法が「キッチンに寝なさい」つまり「台所で寝て朝自分で作れよ」という身もふたもない方法、甘えてるんじゃないよという意味のジョークです。曲のメッセージには関係ありませんが、くすっと笑えます。

 


瞬き一回で戻れ

自分の内部の狂気がこぼれ出そうになっても一瞬で普通の生活に戻れるようにするんだよ。つまり狂気世界と、現実社会の二つの空間をうまくスイッチする必要がある。

Lee Knowがくるっと身をひるがえすトランジションで「瞬き一回」を表していますね。パッと一瞬でDinerの従業員です。ユニフォームも社会の一員としての役割を表しています。ダイナーのユニフォームとしては、ラガーシャツはあまりないので、これも二つの役割を表しているファッションかもしれません。

 

ここでもう一度リフレインのメロディがバックグラウンドで繰り返されます。音楽のまとまりとしてたっぷり感があって満足度高いです。

 

 

もう一度、社会が普通と定義するコスプレにパッと戻れ

普通ってことばは、実は社会が定義する。ぼくらの個人的な基準じゃない。現実社会に戻るということは、社会が定義した役割に戻ること、その役割に適した服装をすること、つまりそれは故スプレにすぎない。でもそこに戻るのだ。

 

三人の後ろにあるドアがなんと地下鉄に繋がっていきます。

 

Verse1を自由に駆け巡っていたリフレインの変化メロディはここで終わり

地下鉄からまた緊張感あふれる【#ソ #ソ#ソラ 】が始まります。

緊張高まる!