특 S-Class (6) Felixには高すぎるド・シがたまらないプレコーラス  | SKZの音楽性を讃えるSound Mosaic

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Stray Kidsの音楽性をこよなく讃えるブログです。主に2020年以降のアルバムからランダムにMVを取り上げて深掘りしていきます。更新は週3回程度のスローブログ。読んでくださってありがとうございます。

0:40から

 

Verse 1が状況説明で、現在の過酷な環境の描写だったのにくらべ、プレコーラス、つまりコーラス(サビ)に繋げる部分は、SeungminとFelixが歌う、ちょっと夢見がちな感じがする美しいメロディです。

 

今回も歌詞はこの色、画面説明はこの色です。

 

Lee knowがキックしたときに立ち上った白煙、それが窓の外を通り過ぎていく。

外には瓦屋根の家。古くさい感じの子供部屋。

 

え?時間が巻き戻されて30年前?あのキックでタイムトラベルした?

 

男の子がプラモデルの車を組み立てている。周りには組立終わったプラモデルが並んでいる。製図台のようなものもある。

 

この場面は一瞬でおわり、元のゴミ収集車がスピードをあげて走っていく。

 

ここは英語で歌われていて歌詞はこちち

  (Seungmin)

  Swerving
  I'm speeding on serpent road
  Luxurious like I'm an S-class
  Best of the best on first class

 

(日本語に意訳してみると)

  曲がりくねって

  蛇のようにうねる道でスピードを出していく

  まるでSクラスのような贅沢さ

  ファーストクラスのベストのベスト

 

 

「蛇のようにうねる道で」に合わせて実際にうねるコレオ。「うねる」つまりディストーションをかけた音や、うねった体の動きは、実はイントロにも、場面の切り替えでも、S-classのいろいろなところに出てきて、Serpent(蛇)がキーワードの一つ。

 

「蛇のようにうねる道」は真直ぐではないし、運転も難しい。(=困難がたくさん)の暗示があります。

 

Bang chanが運転するゴミ収集車とそれを追う高級車

S-classというとベンツが思い浮かびますが、SKZ自身によるMV reaction動画では、この高級車はランボルギーニだと言っていました。

 

もし仮に、Bang Chanがランボルギーニに乗っているのだったら「まるで自分はSクラスのような贅沢さ」はわかりますが、運転しているのはゴミ収集車です。それでも、スピードを出すことで、まるでファーストクラスのその上のように感じる、という。

 

もっと意訳すると、「外見えなんて関係ない。スピードを出せる自分は贅沢でS-Class」ということでは?

 

Verse 1で「ピカピカだけど中は空っぽの缶」というのがありました。「中が空なら蹴ってしまえ」と。外見とか人がどう評価するとか関係ない。才能は自分を信じることからだという価値観なのかもしれません。

 

画面はまたゴミ分別工場に戻ります。紙くずやペットボトルが舞い上がる

 

そして、一瞬さきほどの古い家の子供部屋にいるにSeungmin, 服をみればさっき子供だと思ったのは彼でした。

 

 

そしてFelixがこう続ける。

  I'm up above the world, so high

  (意訳)

  世界の上の高みにいるんだ

 

 

この部分で、黒づくめの人は、他のすべての若者たちや、上を目指して頑張っている多くの人、輝けないけど確かにそこにある多数の星、を表しているように思います。

 

その中でSKZだけが目立っている。これはもちろん「特別さ」表していると思いますが、もしかしたら、「才能は自分を信じることから」から「自分以外の他人には自分の価値はわからない」という言い換えを表しているようにも思います。

 

 

場面はさきほどのゴミ分別所の中へ。

 

  I'll be there shining day and night
  They wonder how my spotlight is so bright

  

  意訳

  昼も夜もそこで輝くよ

  なぜ僕に当たるスポットライトがそんなにまぶしいのか不思議だね


最後の2音、so bright「ド・シ」Felixには高すぎて、かなり無理した声になっています。

 

クラシックの歌唱・合唱スタイルでは、指導がはいるところ。高音を目指して絞り出すように発声するのではなく、顎を引き気味にして後頭部を高くして肩を下げて、もっと高い音から着地するように、いわゆる「上から取れ」と言われちゃうところ。

 

でもFelixが歌うこの部分は、心地よく歌える音域より高い2音がとても切なくて、さらなる上昇を切望する気持ちが現れていて、最高にイイです。S-classの中でも最も好きな瞬間です!