The world of imagination -570ページ目

セモリナ粉と北の町のホスピタリティー(記事長め)

   セモリナ粉は、周知の通りイタリア料理で揚げ物に使う粉ですが。


          

   まあ、地方の中小都市では、フリッタ選んでもこれを使っていることを

   期待することは、本来は酷というものではあります。


   住んでいる諫早という小さな町の小さなイタリアン(名前が

   スペイン語だったりしますが)では、セモリナで揚げています。

    「業者が持ってるかなって思ったら、持ってるよって言ったので

     使う事にしちゃいました」

   23歳のシェフの、この自然さがいいですね。けれんみがない。

   これで900円!


   私は数年前まで、出張が多い仕事だったので、国内はほとんど全県の

   すくなくともひとつ以上の小都市のイタリアンかフレンチに行ったことが

   ありますが、そういうお店でいつも感動するのは、田舎だから仕方が

   ないとか、客のグローバルレベルがどうこうとか、そんな言い訳をする人が

   ひとりもいないことです。


           ◇        ◇        ◇


   色々例がありますが、ひとつだけ。


   岩手の宮古市にある「オステリア朝日亭」。雑誌で使っている写真が

   パスタではなくペッシェで、"パスタハウスではなくイタリア料理店である"と

   いう矜持が見えたので、当時の出張先の北上市から、ほぼ丸一日かけて

   行きました。お店では女性が一人で接客されていました。雪の降る夜、

   客は私だけでした。

   店内の食器棚にリーデルのソムリエシリーズの、しかしステムが

   市販のものと違うものがあったので聞いたら、なんとアクアパッツァの

   日高良美さんに師事していて、宮古に戻る時に記念でもらったとか。

   このような、三陸海岸の小さな町なのに、なんとオーソブッコがメニューに!

   誇り高い矜持だ・・。マダムとほとんどずっとおしゃべりしながら食事も終わり、

   ・・・帰りがけに感動が。


   お店は、公道から少し奥まった場所にあります。氷点下の冬の夜の中、

   外は真っ白で、音もなく、絶えることなく雪が振り続けていました。扉のところで

   感謝を伝えて別れ、私は公道まで走って、待っていたタクシーに乗ろうとした

   ところまで来て、ふと、お店を振り返りました。


   室内着のまま、マダムが、扉の外に立って、まだ私を見送ってくれていました。

   (しつこいようですが、氷点下です)そして、深くお辞儀をしてくれました。


   ホスピタリティーとかなにか、その最上の例を、私は人口わずか数万人の

   街で、しりました。


           ◇        ◇        ◇


   今回この記事を書くにあたって、今でもお店経営出来ているかなと思って、

   webで検索したら、なんと、「今年」盛岡に進出して、上級のお店として繁盛

   しているということがわかりました!なんだかすごい感動しまして・・


   年明けには、ちょっと週末にANAで(マイレージ溜まってるし)行ってみることに

   しました!(<--今決めた)ヾ(@^▽^@)ノ

普通の人々

   なぜか急にアクセス増えて嬉しいので、平日ですが少し書き続けてみよう。。

          
   今夜、会議始めたらひとり同僚の男性があとから来るとの事。

    「一旦家帰ってるって。今子供さんにご飯作ってる頃だと思います」

   難航する会議が21時を過ぎる頃、戻ってきて議論に合流。

   22時前に終わった後の会話。

    「今日は何作ったんですか?」

    「野菜炒めと軽いすき焼きなんです」

   彼のwifeは看護婦さん。家事を夫婦で分担しているので、ご飯を

   食べさせて、その途中で、帰宅されたwifeにバトンタッチ。


   大変だけど、がんばってらっしゃって夫婦お互いにお仕事を尊重して

   いる姿は美しい。   


   とはいえそもそも夜遅く仕事しているのが日本人のワーカホリックじゃ

   ないの?欧米ではそんなことない!・・・いや、それもそう単純では

   ないようで。


   USで仕事していた時、協業相手は、16時になると、

    「今日、息子のフットボールの試合だから!」

   とか言って帰ったりしていました。サスガ!

   ・・・しかし実は。

   21時までは家族の時間で、一緒にすごし、ゲームを楽しむそうです。

   が、21時からはそれぞれの時間として、その方は再び家で仕事して

   いました。カナダの別の協業相手も、同じ。


   それぞれに、頑張っていろんな事を両立させようとしている姿は、

   美しいなと思ったので、記録してみました。


   で、何故これのテーマが旅かっていうと・・・こうした毎日そのものが、

   夫婦で営んでいく、旅そのものだと思ったからです。

木造りのカナール

   知り合いのシェフご夫婦がストラスブールからの旅行から帰ってらした

   ので、久々に彼らのレストランに行ってきました。お土産があるよ、と

   言ってくれたので、何かと思ったら、
          
   木のおもちゃでした。可愛いです!

     マダム「カナールなんですよ」

     私   「よく僕が食っている鳥じゃないですか!(カナール=鴨)」

   私はいつもひとりめしなのですが、

     マダム「むかいの椅子の背にこのこ乗っけといたら、パトモスさんが

          このこ見ながらお食事できるかなって思ったんですけど、

          椅子の背から落ちちゃうんですよね」




   はっはっは (=⌒▽⌒=)


   写真は、家の本棚に鎮座する、カナールくん(ちゃん?)です。


     マダム「リボンは私がつけたのでとってもいいですよ」

     私   「いえいえ、とても似合ってますよ、このこに」


   

   勿論、シェフのベルドロー・グリ(山鳩)のローストも絶品でした!