ここんとこ毎日のようにオペラの話で恐縮ですが、備忘録に。
今日はスイス・ローザンヌ歌劇場の「カルメン」を見せていただきました。

カルメンやっぱいいね~。おなじみのメロディばかり、それも以前仕事で関わったおかげで全曲歌えますくらいのなじみっぷりなので、今日も何度も一緒に歌いそうになりましたよ。←ほんとに歌ったらメイワク

オーケストラはスッキリと上手で、スコアが見えるようなクリアなつくりで私は好きでした。愛憎ドロドロ劇に反してオケはサクサクあっさりな感じだったので、ああ~もう少しねちっこく弾いてくれてもいいのにねえ、と。アリアが終わって拍手が起こっても、消えるまで待たないですぐに次へ。時間管理も素晴らしい、などとつい余計なことを考えてしまう・・・。

Carmen: Julia Gertseva
Don Jose: Julian Gavin
Escamillo: Jean-Francois Lapointe
Micaela: Noemi Nadelmann
指揮:Cyril Diederich
演出:Arnaud Bernard


おまけ。この公演の直前に、北区は王子の北とぴあまで行って、ガーデンプレイスクワイヤという合唱団の公演も聴いてきました。幅広い時代の西洋の宗教曲、全員(約50人)の混声だけでなく、女声合唱あり、各パート1人ずつ6人のみのユニットあり・・・皆さんお上手でした。ビックリは混声40部というタリスの曲。わー。

という歌声三昧の一日でした。


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昨日今日はレッスンの傍ら、ヨーロッパの某有名バレエ団に関する翻訳をやってました。歴史もあって層も厚いカンパニーでの、作品の話や振り付けについての思い入れを聞くと、グイグイ引き込まれて楽しいお仕事に。

さて、バレエの舞台には必要ないけど、いまやオペラの舞台では大抵見かける字幕。映画の字幕って英語で subtitle サブタイトルって言うでしょ。でもロンドンのロイヤルオペラハウスでは、かつて字幕のことを surtitle っていってました。

sub=下、に対して sur=上。
映画なら画面の下のほうに出すけど、舞台モノでは下に出すわけにいかないので、舞台中央の上のほうに表示するわけですよ。だから surtitle。
視線を舞台からグっと上げないと見えないので、平土間席からではチトしんどいですね。なーんちゃって、当時学生だった私はたいてい Amphitheater席(一番てっぺんの安い席)だったので、そんな心配はなかったのだけど。

surtitle はいまや昔話のようです。先日友人に聞いたんですが、最近改装したロイヤルオペラハウスでは、飛行機の機内みたいに前の座席の背に字幕が出るんですってよ!それも言語選べるんですって!じゃあ今はフツーにsubtitleって言ってるのかな。すごいシステムだねえ~。ちゃんと動いていればね。彼女が行ったときは、なぜか彼女の列だけが作動しなかったらしいよ

ちなみに、日本語の字幕は舞台の上下(かみしも)、つまり右端と左端に縦に出るので、極端に前の席でなければ視線の動きとしてはまだ楽。subとかsurとかも考えなくてOK

一昨日オペラを観にいったとき、我ながらバッカじゃないの、とおかしくなったこと。日本でも字幕つきのオペラは何度か観ていたし、ここ数年は仕事でも関わっていたのでおなじみのはずだったのに、当日劇場に入るまで「日本語字幕が出る」ということを完全に忘れてました。というのも、私がオペラを観始めた80年代初めのヨーロッパではまだsurtitleすらもなかった(またはないところが多かった)し、あったとしてもイタリア語をドイツ語に訳してくれたところで私にはなんの役にも立たない・・・というわけで、オペラを観にいく前には「オペラ全集」みたいな本であらすじを予習してから行ってたのです。でないと3~4時間、舞台上で何がおこっているのか全くわからず音楽を聴くことになってしまうので。暗い舞台で動きの少ない演出だとなおのこと、つらいことになりかねません。

今回のオペラにご招待いただいたのが約3週間前、条件反射のように「まずはあらすじだ!」と思い立ったものの、バタバタしていたので超超ダイジェスト版あらすじを読んだだけ。ストーリーがシンプルでよかったよ。作品の中のアリアをほんのちょっとでも知っていると劇場で聴いたときに楽しいので、これも予習の一環で少しでも聴いてから観にいくようにしています。YouTubeで探してみたらパヴァロッティがあちこち登場、「パヴァロッティ聴いちゃうとな~」とか思いながらも彼が歌うのを何曲かピックアップ、でもほんの1-2度聴いただけ。いやー予習ぜんぜんできてないわー、と本気で心配しながら会場に臨んだら、まあわかりやすい字幕があって・・・。
すりこみっていうのかしら、子どもの頃の習慣って残っているのねえ~と妙に感心したのでした。

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ブルガリアからやってきたソフィア国立歌劇場の「仮面舞踏会」(ヴェルディ作曲)を観てきました。

よかったよ~ソリストが皆わりと良くて、作品も良くて久々にオペラらしいオペラを観た感じ。堪能しました。

ストーリーはいたってシンプル。人民の尊敬を集めるリッカルド総督、そんな彼にも恨みを持つ人たちがいて、暗殺を企てている人たち若干名。公の場では立派なリッカルド、実はある人妻に恋をしていて思い煩っている。

そんな矢先、怪しい占い師の女が人心を惑わすから罰してほしいと聞いたリッカルドは面白がり、じゃあ自分が変装してその占い師に会いに行こう、という。占い師はためらいながらもリッカルドに「あなたはもうすぐ死ぬ、これから最初にあなたと握手する人が、あなたに刃を向けるだろう」と予言。そんなバカバカしい、と一笑に付し、まわりにいたお付きの者たちに「誰か私と握手してくれる者はいないか」と聞いて回るが、その場にいあわせた暗殺首謀者たちを含めみな躊躇してしまう。そこへリッカルドの忠臣レナートが現れ、タイミングよく握手。

リッカルドが恋している相手は、このレナートの奥さんなんである。
うーん、先の展開が見えてきましたね。

前後してこの占い師のところにレナートの妻アメーリアも悩み相談に来ているの。彼女も実は心秘かにリッカルドのことを思っていて、でもその思いを打ち消したい、と。占い師曰く、処刑場の某所に生えている薬草を真夜中に摘んで飲みなさい、そうすれば忘れられるだろう、と。それをリッカルドは隠れて聞いているわけですよ。もちろんリッカルドも真夜中に処刑場に行きますよ。

そうとは知らないアメーリア、真夜中だし処刑場で気味悪いし、と思いながらも、彼への思いを断ち切るべく魔法の薬草を探しにやってくる。そしてもちろんリッカルド登場、ついにお互い愛を打ち明けます。が、なんとそこにやってきたのはアメーリアの夫レナート。リッカルドに「暗殺者が狙っています、早くお逃げください」と言うために。アメーリアはベールで顔を隠し、リッカルドは良心の呵責に苛まれつつアメーリアを置いていくことを気にしながら立ち去ります。そうこうしているうちに、暗殺者たちゾロゾロと登場。リッカルドだと思っていた男がレナートだったので、ん??となるが、その騒ぎのうちに耐えられなくなったアメーリアがベールを脱いでしまう。あーなんてことを。レナート大ショック。命を助けに来てやったのに、その報いがこれか、と。

自宅に戻った二人、レナートはアメーリアを殺さんばかりに怒り狂っているが、憎悪を向けるべきは妻ではない、あの男だ、と思い直し、暗殺首謀者たちを呼び寄せて、自分も仲間に加わると宣言する。折りよく(?)リッカルドのお付きの者オスカルが、今宵の仮面舞踏会にお出かけくださいとリッカルド閣下からご招待でーす、とメッセージを持ってくる。仮面ならなおいいぞ、と暗殺仲間2人と打ち合わせをするレナート。

企てを知ったアメーリアがリッカルドに知らせようとしたり、舞踏会でレナートに閣下の居場所を聞かれたオスカル君は「知ってるけど教えたげませーん」と言ったりいろいろ抵抗してるんだけど、結局レナートはリッカルドを見つけ出し、殺してしまう。死にそうになりながらリッカルドは、レナートを許すよう周りに言い、レナートには「確かに自分は君の妻を一瞬愛していたが、彼女の純潔を汚したことはなかった。明日には君たち二人をアメーリアの故郷でもあるイギリスに行かせようと思っていた=自分はアメーリアから離れようとしていた」と。レナートは一時の激情に任せた自分の行為を後悔するが、時すでに遅し。そしてリッカルドは息を引き取った・・・。

おしまい。

まあなんというか、平たく言えば不倫の三角関係の話で、バレた→怒った→復讐した→でも実は、というだけのこと。でも、夜中に逢引きした二人が悪いんじゃん、とは言い切れないリッカルドの最後の歌、涙を誘います。
今日の演出では、ピストルで撃たれてバタっと倒れたまま歌ってるのよ。あの体勢でよくぞ、と。(歌の後半は椅子に座らされていたが)

登場人物が少なくてシンプルなストーリーだとはいえ、ここまで一気にあらすじを書けるって私にはかなりめずらしいこと。どっぷり入れる作品とパフォーマンス、そして字幕の力でしょうか。

東京では11日(土)に再度上演、あとは国内各地を回るようです(「仮面」よりも「トゥーランドット」が多そう)。詳しくはこちらをどうぞ。

Riccard: Kamen Chanev
Renato: Kiril Manolov
Amelia: Mariana Zvetkova
Urlica (占い師): Elena Chavdarova-Isa
Oscar: Teodora Tchoukourska
指揮:Koen Kessels
演出:Plamen Kartaloff

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