戦前は貧しくても助け合いの精神を持ち合わせていた日本人は。相手を思いやる事、目上の人を敬う事は当然として貧しくても家族全員で食事をし、家には団欒が少なからずあった。

 今日本は経済大国になった。一面、昔と比べれば一時は国民全員中流とまで言った時もあった。

 しかし今はグローバル化が進み、大企業が外国にどんどん出ていった事で空洞化がすすい、税金が集まらず国家予算も40兆円も余分に赤字国債を発行するしまつ。

最近は犯罪がいかに多くなった事か。先が思いやられる。もう一度元気な日本・地域にしなければならないと思います。

外国から働きに来ていた移民の二世三世の人たちが私たちを見て、日本はどうなってしまったのか。彼らは一世の方たちから昔の日本文化を教えてもらい守って生きている親達が言っていた日本はどこに行ってしまったのか、と言って仕事の少ない日本を離れ本国に帰って行く。

弊社はこれからの住宅は県産材を95%使い長期優良住宅を建てなければとの思いで、15年位前より中部匠の会に入会し、朝日新聞社の協力のもと15社で100年住宅を作ろうという事で取り組んできました。15年前の思いや運動が今になってやっと長期に渡って住み続ける家造りの動きになってきた事に喜びを感ずる次第です。弊社は家は長期に住めなければならないという考えで安全でなkれば温暖化に向けて省エネで住める家を目指し、耐震金具の開発を豊田高専と行い既設の耐震工事は県下でもトップレベルになり毎年耐震工事を5060棟行っていますし、そのノウハウを新築工事にも応用し倒さない家を建てる事に専念しています。

 また、今までの家は断熱がしっかり行っていない家が多く、クーラーをを何台も取付けて暖房・冷房を行っている家が多い中、暖房についても豊田高専と研究し今までの計算方法で取り付ける機種の1/3の機械を一台取り付ける事で十分可能である事を確立しました。断熱の研究の成果であり新しい断熱材を作る事にもなり、杉皮、桧皮を断熱材にする事の特許も1年前に提出してあります。今、また新しい研究をスタートさせ地熱の利用の研究を行うところです。夢は空調機を使わなくても常に室内を1820度に保つ事の出来る家作りを目指します。

私は昭和182月生まれで私たちが子供の頃は「男子は手に職を持たなければいけない」という事で、私は技術者を目指し建築士になりました。建築業に携わり、30年間会社を経営し若者を入社させ、地域の工務店として経営してまいりました。なぜ、それが苦労ばかりの毎日が続くのか。戦後アメリカ資本主義に今まであまりにも大きな影響を受けてきたからではないかと考える次第です。

 国内で者を作り輸出している時はまだ良かったが、グローバル化になった時、一番得をしたのは誰かと考えると共産国だけではなかったのかと思います。日本国内は空洞化し技術者も作る仕事がなくなり、効率主義のもとに大量生産大量供給を生み出し、それがいつしか消費を超えて行き詰っている。今はその時点に来ていて消費者は所得も少なくなり安い物しか買う事が出来ない仕組みの中で生きている状況になってしまった。どうしてこんな事になってしまったのか。市場原理主義というものは有り得ない事ではないでしょうか。物を作り出すのは人間ではないのか。 安い労働力を使って安い物を作る考え方、人間をコストと言う考え方がいいことなのか。職人の技術というものをもっと大切にする価値観を持たなければ日本から中小企業がどんどん消えていく社会が良い社会と言えるのだろうか。今、若者が働く事の出来ない社会をこれからどうするのか。一方では労働力も原料もコストダウンし成功した会社が経営の鑑のように評価されていたり、中小企業で家族のような人達を大切にして頑張っている企業経営者はやり方が下手だと評価されている状況が明るい日本をこれから作れるのか。私はNOだと言う。

 

 ある人がこんな事を行っていました。イギリス人の理想はどんなに社会的地位が高くても週末になると田舎に帰り、古着を大切にし仕事着姿で畑仕事、ガーデニングを行っている。また、10年、20年も乗った車の手入れをして楽しんでいる。古いものにこそ価値があるという考え方。経済のものさしでみればそんな暮らしに成長は無いと言うかもしれないが、先代の人たちが私達より何世紀も生き続けてきた人達にダメな生き方でしたね、と言えるだろうか?私達に何を残してくれていたのか、素晴らしい原風景を戦前まで残してくれていた風景をことごとく便利の名の下に自然を破壊し、今、温暖化でCO2の削減に向かわなければならなくなってきています。屋根には太陽光パネル、海や里には風力発電の設置。その景色は素晴らしいと未来の人に言えるのでしょうか?もうこの辺りで生き方を原点回帰に向かう事をしなければならないと考えます。そのために一番大切な事は日本が昔から大切にしてきた礼節を用いる事、人を思いやる事、自然を大切にする事からスタートする事かと思います。