一昨年はリーマンショック、昨年はドバイショックと円高・株安で日本経済は大きな影響を受けました。輸出関連業者、特に製造業の皆様は大変な事態であったかと思います。

政治も新しい政権に代わりましたが、すぐに新しい政策がとれるわけでもなく、予算も赤字国債を発行しなればならない状況です。

 しかし、国内で頑張っている中小企業の皆様は働く方の雇用を守らなければならない状況は変わりません。


【新しい仕事起こし】

 こんな状況の中、昨年の9月にフランス、ドイツの視察に行って来ました。フランスのアルザスで太陽光発電の現場を視察して来たところ、タテ24.6メートル、ヨコ500メートルのパネル5基を設置し発電を行い、電力会社の売電していました。それだけ大きな設備ですが、10年で償却できるとのことでした。

 次に地熱を利用した発電所を見学に行くと、地下5キロメートルまで掘削し、温水を汲み上げて6メガワットの発電を行っていました。採算も十分合い、この発電プラントは来年から村々に作られ、発電だけではなく温水も暖房に使い地域暖房も行うとも言っていました。

 またシュルツという村では、戦時中の砲弾が残り建築材にならない木材をチップにして燃料にし公共施設の温水暖房に利用していました。費用も以前より安くなり、1年に1度、決算を市民に見てもらっており、100ヶ所の村や市で行っているとのことでした。

 フランス、ドイツでは、自分達が日常使用するエネルギーや食料は自分達で生産しているとのことです。

 一方、日本の場合、食糧は60パーセント、建築に使う木材は80パーセント(うち違法に伐採された木材は20パーセント)、魚介類も60パーセント輸入しています。

 自分達で生産することで新しい仕事をつくることが出来、安定して生活も向上してくることを私たちは忘れていないでしょうか。


【セーフティネット】

 自殺者が3万人になったとか。路上生活者や生活保護世帯が増えたなど、年末になると暗いニュースばかり流れてきました。本来、年越しも楽しく出来る社会でなければならないのに、悲しいことばかりでした。

 一方、ヨーロッパのセーフティネットを見てみますと、会社を辞めますと2年間の失業手当を受け取る事ができ、学校、医療費はすべて無料で子供手当ても支給されています。

 外国から入国して働いている方は別で、国民は全員支給されるようになっています。

 日本もすぐにそのような政策が出来るわけではありませんが、目標として取り組んでいくことが大切かと考えています。

 そのために私たち中小企業家同友会が取り組んでいる中小企業憲章の制定や金融アセスメント法の制定、さらに中小企業地域活性化条例の制定や中小企業省や担当大臣を設置して、中小企業政策を行うようになった時、明るい社会が訪れてくると私たちは確信しています。


現在、住宅産業は大変な時代に入っています。住宅を建築しようと考えている方々に大変な不安を与えています。それは住宅メーカーの倒産です。信用していた大きな会社が施主から工事の着工前に7割も金を集めて工事をしていたことです。私達一般の建築業者からしてみたら考えられない事です。その事により地域で工事をしている業者にとっては大きな不信を皆様に与えた事の被害が降りかかっています。今までの日本の大きな会社は安心だ、金儲けさえすれば良いと言う考え方に対しての警告ではないでしょうか。

入社した若い人を一生懸命に勉強させて育てた社員や大工を金だけで連れて行き、駄目になると首を切る大手のやり方をもう一度見直す時ではないかと思います。地域の皆様でその若い人達になんとか仕事作りを皆で考えていかないと地域の活性にならないと思います。

更に我が社は新しい事にチャレンジしています。前から予告はしていました住宅の新しい断熱材の開発であります。日本の山は今、間伐材が切れなくて山が崩壊する状態になっています。国土の65%になる山の資源を生かさなければ大変なことになります。それは田に稲を植え実っているのに刈り入れをしないで外国から米を買って食べているのと同じであります。作っている百姓さんが食べられなくなるとどう言うことになるか、これからも外国頼みになります。すべての物がそのような状態になっています。安ければ良いだけを考えていますとそうなってしまいます。

皆さんの力を結集して間伐材を切り出し、材木の皮を今は捨てているだけではどうにもなりません。その皮を資源にしようと考え豊田高専の鈴木准教授が一年がかりで断熱材として使えるように開発してきました。特許を出すまでになりました。今は断熱材もガラス繊維か、石油から作られた主賓がほとんどです。それを自然が作ったものに置き換えることにより山が活性化するし山で働く人たちにも役に立つし、人間にも全く害にならないし、一石二鳥であります。断熱性に関しては今ある商品と調べても変わらない商品が出来ました。皮ですが白アリに対しても問題はないし、ホウ酸処理することで難燃材になり火をつけても燃えにくい材料となりました。私たちが工事している住宅は私の夢としている、クーラーを少し使うことで(今までの1/3の空調機)で対応できる家にすることです。なしで住んでいても問題がないというお施主さんも現在います、私は我慢しなくても冬は暖かく夏は涼しくクーラー無しで住める家に近づいています、それが私の家造りの夢です。

追伸、地下にパイプを埋めて涼しい空気を床下から出すことも取り組んでいます。

今、私達は自然がいかに大切であるかを忘れています。道路の周辺、登山道、河川、里山を訪れると、沢山のゴミが捨てられて野山が汚染されています。このような社会になったのは、親である私達に大きな責任があるのではないでしょうか。

 私達が子供の頃(昭和二十年代)は貧しい生活でしたが、一生懸命働いている親の姿を見て、早く大人になって楽にさせてやろうと、その背中を見て私達は育ちました。両親達は、今よりも厳しい時代であったにもかかわらず、労働の中で耐え忍んで生きてきました。子供達はその親から親孝行を学び、又、人と人との助け合いを学び、他人に迷惑をかけないを信条として育てられてきました。私たちは、社会に出ても教えを頑なに守り生きてきましたが、自分の子供達も親の背中を見て育っていると思い厳しいことを言わなかった事が、逆効果だったのでしょうか。

経済が短期間の間に世界第二位までになった事で、このような社会になったのかは分かりませんが、今私達は精神的にも肉体的にも危険な環境の中で生きています。

今年の年末には契約社員が多勢契約を打ち切られ、寝るところもなく、公園で炊き出しの世話になり、年末をなんとか過ごす事が出来ました。しかし、これから先の事をどのように生きていくのでしょうか。これも私たち親が少しでも良い学校に行き、高い給料が取れる大企業に就職することばかりを望んで来た結果ではないのかと思うばかりです。

今、郷里を眺めてみますと廃村になる村や、子供が少なくなり廃校になる学校がたくさんあります。農地を見れば、昔はどの田も稲が植えられ、秋には実りの秋を迎えるのが田舎の田園風景でしたが、今は休耕田が多く、草が生え放題です。食を振り返れば、「安ければ良い」で安全は他人任せで来たことが昨年の偽装問題につながりました。餃子、肉、野菜、うなぎ、あさり、米、竹の子、いま私達が食べているものすべてが問題商品ばかり。

そろそろ自分達が食べる農産物、魚介類は日本の中で一生懸命に作っている方々に応援の手をさしのべ、作っていただこうではないでしょうか。そこに新しい未来が開かれると確信いたしております。