私は昭和182月生まれで私たちが子供の頃は「男子は手に職を持たなければいけない」という事で、私は技術者を目指し建築士になりました。建築業に携わり、30年間会社を経営し若者を入社させ、地域の工務店として経営してまいりました。なぜ、それが苦労ばかりの毎日が続くのか。戦後アメリカ資本主義に今まであまりにも大きな影響を受けてきたからではないかと考える次第です。

 国内で者を作り輸出している時はまだ良かったが、グローバル化になった時、一番得をしたのは誰かと考えると共産国だけではなかったのかと思います。日本国内は空洞化し技術者も作る仕事がなくなり、効率主義のもとに大量生産大量供給を生み出し、それがいつしか消費を超えて行き詰っている。今はその時点に来ていて消費者は所得も少なくなり安い物しか買う事が出来ない仕組みの中で生きている状況になってしまった。どうしてこんな事になってしまったのか。市場原理主義というものは有り得ない事ではないでしょうか。物を作り出すのは人間ではないのか。 安い労働力を使って安い物を作る考え方、人間をコストと言う考え方がいいことなのか。職人の技術というものをもっと大切にする価値観を持たなければ日本から中小企業がどんどん消えていく社会が良い社会と言えるのだろうか。今、若者が働く事の出来ない社会をこれからどうするのか。一方では労働力も原料もコストダウンし成功した会社が経営の鑑のように評価されていたり、中小企業で家族のような人達を大切にして頑張っている企業経営者はやり方が下手だと評価されている状況が明るい日本をこれから作れるのか。私はNOだと言う。

 

 ある人がこんな事を行っていました。イギリス人の理想はどんなに社会的地位が高くても週末になると田舎に帰り、古着を大切にし仕事着姿で畑仕事、ガーデニングを行っている。また、10年、20年も乗った車の手入れをして楽しんでいる。古いものにこそ価値があるという考え方。経済のものさしでみればそんな暮らしに成長は無いと言うかもしれないが、先代の人たちが私達より何世紀も生き続けてきた人達にダメな生き方でしたね、と言えるだろうか?私達に何を残してくれていたのか、素晴らしい原風景を戦前まで残してくれていた風景をことごとく便利の名の下に自然を破壊し、今、温暖化でCO2の削減に向かわなければならなくなってきています。屋根には太陽光パネル、海や里には風力発電の設置。その景色は素晴らしいと未来の人に言えるのでしょうか?もうこの辺りで生き方を原点回帰に向かう事をしなければならないと考えます。そのために一番大切な事は日本が昔から大切にしてきた礼節を用いる事、人を思いやる事、自然を大切にする事からスタートする事かと思います。